医療法人良光会 辻中歯科医院

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辻中歯科医院 歯のコラム

糖尿病と歯医者の関係について

こんにちは。辻中歯科医院の院長の辻中です。

今年も半分が過ぎましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私は食べることが大好きです!

この年になると親しい友人たちとの食事の時がとても楽しみでもあります。

でもたまに、ストレス発散として食べたりしてる時もあって…

若い時は何とかなるのですが身体は正直ですネ。すっかりメタボです。

今回は「糖尿病と歯医者の関係について」の話をさせていただきます。

糖尿病とは?

食べ物や飲み物に含有されるブドウ糖は中に入ると、エネルギーの一部として利用されますが、インスリンの力が弱いとブドウ糖を上手に利用できません。そこで、血糖値が上昇します。

糖尿病の診断基準

糖尿病の診断基準
HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)

 

糖尿病と合併症

血糖値が高い状態が続くと多種多様な合併症と言われる病気を発症いたしますので、糖尿病と診断された方は、定期的にお医者さんで受診しましょう。

 合併症の種類

合併症の種類

①網膜症

高血糖が続くと網膜の毛細血管に障害が起きて最悪失明の可能性もあります。

自覚症状もほとんどないので、眼科で定期的な眼底検査を受けましょう。

眼球と網膜

②神経障害

血糖値が高い状態が続くと、神経の働きが阻害されて主に下の表のような障害がおきます。

神経障害の種類

③腎障害

血糖値が高い状態が続くと糸球体が阻害されます。

人工透析の二人に1人は糖尿病腎症が原因といわれています。

④動脈硬化

動脈硬化
歯周病

 血糖値が高い状態が続くと動脈硬化が進み、脳梗塞などの原因になります。

高血圧や脂質異常症、肥満、喫煙も動脈硬化を進めます。

⑤歯周病

血糖値が高い状態が続くと歯周組織の血管が弱くなって歯周病が重篤化し、歯の周りの骨(歯槽骨)が消失して、歯を失う原因になります。

歯周病と糖尿病の関係性

ここからは歯周病と糖尿病の話を掘り下げて行きましょう。

 『歯周病は糖尿病治療の難敵!!』

 歯医者と糖尿病って畑違いの話に聞こえるかもしれませんが、実はふか~~い関係があるのです。

どちらの疾患も昔からある病気

共通点としてどちらも「昔からある病気」だということ。人類で一番古い病気はむし歯とされてますが、糖尿病も古く、三千年以上昔の古文書にも記載されています。

歯周病と糖尿病の負のスパイラル

日本の歯周病患者は成人の8割、糖尿病患者は予備軍も含めると成人の4割にも達すると言われています。

糖尿病の方は歯周病になりやすく、また重症化しやすいため、歯医者への定期的な受診が欠かせません。

歯に悪い食べ物は糖尿病にもよくない

昔は砂糖は貴重品でしたが、今の時代はお菓子や菓子パン、清涼飲料水などにたっぷり含まれており、小さな子どもからお年寄りに至るまで、国民全員が毎日、口にしています。

砂糖はむし歯菌が喜ぶだけでなく、血糖値の急上昇にもつながりますので、そのまま取り続けていると糖尿病まっしぐらです。

逆に、噛み応えのある野菜や玄米など、「歯にやさしい食べ物は糖尿病になりにくい」ことでもあります。

歯に悪い食べ物は糖尿病にもよくない

糖尿病と歯周病はコインの裏表の関係にある

歯周病と糖尿病は、「炎症」という共通点を持つ病気です。

でも、この共通点は、歯周病がよくなると血糖値まで改善するという、夢のようなお話につながるんです。

歯周病は、歯の根元まわりに巣くうばい菌軍団をやっつけるために免疫軍団が仕掛けた戦争の結果です。

歯ぐきに炎症、つまり「小規模な火事(ぼや)」が起きると、そこから煙のように、悪玉ホルモンが全身に流れ出ていきます。

からだの中にはインスリンという血糖値を下げるただ一つのホルモンがあるのですが、このホルモンは悪玉ホルモンにめっぽう弱く、体内に悪玉ホルモンが充満すると力が弱ります。

血液中のブドウ糖を血管からからだの細胞へと運べなくなり、血糖値を十分にさげられなくなるのです。

この結果、血糖値は上がり続け、いくらお薬を飲んだりインスリン注射を打ったりしても、効きづらい状態になります。

しかしこれを逆手に取ると面白いことが起こります。

歯医者さんで歯周病をキチンと治療すると、ばい菌軍団が退散し、静かで平和なお口の世界が戻ってきます。ぼやが消えて充満していた煙も消え去り、空気はすっきり、インスリンも元気に働くことができるようになります。

すると、ブドウ糖を運ぶ作業もスムーズになり、血糖値がスルスルと面白いように下がってしまうのです。

下がる程度は、糖尿病の飲み薬1剤分「1種類」に匹敵すると言われてます。

お薬を使わずに血糖値が良くなるなんて、凄いですよね!

糖尿病と歯磨き

遅い食事や間食は私たちのすい臓を痛めつけ、糖尿病まっしぐらになってしまいます。

ということは、晩ご飯のあとに「お口チャック」を実行できれば、糖尿病という病魔はそうそう私たちによりつけないことになります。

とはいっても、仕事が終わった後のおやつやお酒、スイーツはたまりませんよね。

この誘惑に打ち勝つことは、なかなか難しいものです。

そこで、「歯みがきダイエット」をみなさんにお教えします。

やりかたはとっても簡単。晩ご飯を食べたらしっかり歯みがきし、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってお口のなかをピカピカにするだけです。

おすすめの場所はズバリ「お風呂」湯船に気持ちよく浸かっているときこそ、最高のお口ケアタイムです。歯やからだに感謝しながら、お口をしっかりお掃除してあげましょう。

ひとたびお口がピカピカになれば、お風呂上がりの1杯、スイーツ、ラーメンなどにブレーキがかかります。せっかくきれいにお掃除したお口を汚したくないですからね。

夜食を我慢できると、ひと月に1~2㎏は簡単にやせることができますよ

歯の痛みと血糖値の関係

現代人は日々さまざまなストレスに囲まれて暮らしています。

仕事のストレス、家庭のストレス、近所付き合いのストレス、あげればきりがありませんね

これらの「社会的ストレス」に加え、もう一つ別のストレスが存在します。

それが「身体的ストレス」です。痛みや不眠、体調不良、倦怠感、恐怖など、これらはすべて「からだから生まれるストレス」です。

いわば、からだが私たちに訴える危険信号ですね

じつは、こうした身体的ストレスも、なんと!血糖値をあげる原因になります。

たとえば、おなかが痛い、頭が痛い、膝や腰が痛いなどあらゆる痛みは交感神経を刺激して、血糖値をあげるように働きます。

それは歯の痛みも同じで、むし歯が痛い、親知らずのまわりが腫れてズッキンズッキンするという時も、血糖値が上昇します。

そしてさらに、歯医者さんで緊張や不安を感じると、これまた交感神経が刺激されて、血糖値が上がってしまいます。

お口に痛みがあれば、すぐに歯医者さんで原因を調べてもらい、痛みを取ってもらいましょう。

そしてもっと大切なことは、むし歯や歯周病にならないように、「痛くなる前から定期的に受診しておく」ことです。

痛みのないからだと心の平穏が、血糖値を下げ、糖尿病になりにくい体質を作ったり、糖尿病を改善させる秘訣なのです。

最後に

辻中歯科医院では日本糖尿病協会登録歯科医が在籍しており、他のブログでも書かせて頂いてますように、当院の歯科衛生士たちも非常に熱心に糖尿病の知識見識の習得を講習会の参加やzoom会議を通じて日々おこなっておりますので、歯周病や糖尿病に関してお気軽にお問い合わせください。

糖尿病予防には歯周病予防が意義があり、歯周病予防には歯並びを良くするのが効果的です。

歯並びを誰にも知られずに良くするにはインビザラインが効果的ですので、今後も辻中歯科医院をよろしくお願いいたします。

参考文献:「歯医者さんに行きたくなるお口と糖尿病のお話」西田亙 著

2024年07月21日 00:00

お口が老化する?口腔機能低下症とは?

こんにちは。辻中歯科医院のドクターです。すっかり梅雨の時期になりましたね。

最近高齢化に伴い老化、老化と叫ばれておりますが我々歯科業界も無縁ではありません。

というのも、厚生労働省が発表した日本の死因ランキングではむせに伴う肺炎が上位に入ってきておりガンや心臓疾患、脳血管疾患についで4位になります。

老化に伴い、お口の中も衰えてきます。

老化とは

教科書的には老化とは加齢に伴って生体機能、例えば筋力、神経伝導機能、肺活量、病気に対する抵抗力が低下することとされています。

その中でも我々口腔内の老化に焦点を当ててみましょう。

口が衰えるとは

まず口が衰えるとは、歯など器官の機能低下、飲み込みなどの機能の低下の2つに分けられます。まず器官の機能低下について見てみましょう。

歯の構造

まず、お口を開けると歯が見えます。いわゆる白い歯というのは外側からエナメル質、象牙質、歯の神経の3層構造でできております。

歯の構造

まず、歯の表面はエナメル質という層が覆っており、加齢が進む中で、石灰化が進行することにより、透明性が低下し、色自体が暗くなります。硬く、脆くなり亀裂が生じやすくなります。

また、加齢に伴うすり減りで噛み合わせの高さが変化したり、歯茎との隙間にくさび状の磨耗を伴うこともあります。

次に、象牙質(歯の中、しみる部分)についてですが、加齢により同様に石灰化しやすくなります。また、歯の神経は加齢に伴ってどうなるかと言うと、同じく石灰化し痛みを感じる程度が鈍くなります。歯は全体的に黄色のような色調を帯びてきます

歯茎についてですが、弾力性が下がり、また歯茎が下がってくることで歯の根っこが露出しやすくなり、虫歯になるリスクが高くなります。歯茎が下がることにより歯と歯の間に物が詰まりやすくなります。また入れ歯の安定感にも関わってきます。

唇はどうでしょう。唇も歯茎と同じように加齢に伴い萎縮して弾力性がなくなります。弾力性が低下することにより、口が大きく開けづらくなり入れ歯の出し入れがしにくくなります。口角が割れやすくなります。

唾液について

唾はもともと唾液腺という器官から作られます。加齢に伴い、唾液腺が萎縮して唾液の分泌が低下する。唾液の分泌が低下することにより自浄作用(自然な洗浄作用)が低下するので、口の中が汚れやすくなります。

味覚について

そもそも味覚はどこで感じ取っているのでしょうか。味は塩味、甘味、酸味、苦味、うま味の5味を舌の表面にある味蕾と呼ばれる器官で感じ取っています。

加齢に伴って味を感じる味蕾が萎縮してしまいます。唾液分泌量低下に伴う口腔内の乾燥、薬の副作用に伴う味覚の変化などが考えられます。

感覚については全体的に鈍くなります。自覚症状が乏しいため症状が悪化しやすくなります。

お口は食べ物を捉える捕食、咀嚼、唾液分泌、味覚、嚥下、構音機能など様々な役割を果たします。お口の機能低下とは歯の喪失だけではなく、入れ歯の不具合唾液分泌低下、口唇や舌の不活動(廃用)によって低下をきたします。

オーラルフレイルとは?

オーラルフレイルとは?

オーラルフレイル、横文字で読みにくいですが、オーラルフレイルとはわずかなむせや食べこぼし、滑舌の低下といった口腔機能の低下、食べる機能の低下、さらには心身の機能の低下までつながるということを示した概念です。

つまり、高齢者は口腔機能が徐々に低下し、口のささいなトラブル(滑舌低下、噛めない食品の増加、むせ、など)が生じているにも関わらず放置してしまうと食欲低下、食品多様性の低下が起こる。さらに進行すると、本格的に口腔機能が低下(咬合力低下、舌運動機能低下など)し低栄養やサルコペニア(加齢に伴う筋肉量の減少など)が生じ、最終的に食べる機能の障が生じます。意欲の低下→栄養状態の悪化→筋肉の減少→生活機能障害と進行していく。

後述します口腔機能低下症はオーラルフレイルでいうと第3レベルに属します。

口腔機能低下症とは?

口腔機能低下症とは?

口腔機能低下症は教科書的にはう蝕や歯の喪失など従来の器質的な障害とは異なり、いくつかの口腔機能の低下による複合要因によって現れる病態です。放置していると咀嚼障害、摂食・嚥下障害など口腔機能障害に陥り、機能障害をきたし低栄養やフレイル(加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能)が低下し複数の慢性疾患の併存などの影響もあり生活機能が障害され心身の脆弱性が出現した状態ではあるが適切な介入・支援により生活機能の維持・向上が可能な状態)、サルコペニア(加齢に伴う筋肉量の減少、筋力の低下など)を進展させるなど全身の健康を損なうものと書かれています。

高齢者では虫歯や歯周病、不適切な入れ歯などの要因以外に加齢、基礎疾患によっても口腔機能が低下しやすいです。また、低栄養や廃用、薬剤の副作用も影響し様々な病態を示します

そのため、介入する際は、個々の生活環境、全身状態を踏まえ管理していきます。

口腔機能低下症の症状

口腔機能低下症の症状は口腔内微生物の増加、口腔乾燥、咬合力低下、舌、口唇運動機能低下、舌の筋力低下、咀嚼・嚥下機能低下と様々あります。

診断基準としては7つの下位症状(口腔衛生状態不良、口腔乾燥、咬合力低下)、舌口唇運動機能低下、低舌圧、咀嚼機能低下、嚥下機能低下を検査して評価していきます。

7項目中3つ該当したら口腔機能低下症と評価します。以下検査の詳細です。

①口腔衛生状態不良の検査

舌の色(舌苔の付着)について評価していきます。

50%以上の付着で口腔衛生状態不良とします。

②口腔乾燥の評価

当院では口腔水分計ムーカスを用いて評価します。

舌先から10mmのところで計測します。計測値27.0未満で口腔乾燥とします。

③咬合力検査

当院では残存歯で評価します

根っこだけの歯やグラグラしている歯は除外して20本未満は咬合力低下とします。

④舌口唇運動機能低下

当院ではパタカラを5秒間に発音してもらい1秒間にそれぞれ何回発音できているか機械にて評価します。パタカラ1秒あたりの回数が6回未満で舌口唇運動機能低下とします

入れ歯をつけている方はつけたままで計測します。

⑤低舌圧の検査

当院では舌圧計にて評価します計測器の先端についた風船を下で押しつぶして圧力を測定します。低舌圧は300k pa未満で評価します。

入れ歯をされている患者さまは入れ歯をつけたままで行います

⑥咀嚼機能低下の検査

当院では咀嚼能率スコア法と呼ばれる、グミゼリーを30回噛んでいただいて、そのあとの粉砕度を評価します。粉砕度が低ければ咀嚼機能低下と判定します。

入れ歯をされている患者さまは入れ歯をつけたままで行います

⑦嚥下機能低下の検査

飲み込みについて普段どのように生活されているか問診形式で記入いただきます。

多く当てはまる場合は嚥下機能低下と評価します

口腔機能低下症と診断されたら
口腔機能低下症と診断されたら

診断されたら改善していくため以下のトレーニングを行なっていきます。

1口腔衛生状態不良 ・・ガラガラうがい、舌ブラシ、トレーニング

2口腔乾燥。・・・・・・ガラガラうがい、舌回し、唾液腺マッサージ

3咬合力低下・・・・・・あいうべ体操など

あいうべ体操

4舌口唇運動機能

パタカラ体操

  

ぱの発音が低下している方

・空のペットボトルを吸ってへこまさせます。空になったペットボトルに強く息を吹き込む

・パタカラ体操

  

たの発音が低下している方

・舌回し

・パタカラ体操

かの発音が低下している方

・あいうべ体操

・パタカラ体操

5低舌圧・・・・・・・・・・・舌回し、舌ブラシ清掃

6咀嚼機能低下・・・・・・・・あいうべ体操、ガムトレーニング

7嚥下機能低下・・・・・・・・舌回し、舌ブラシ清掃

上記のような検査を行って定期的にトレーニングを行って改善を図っていきます!

最後に

お口に関してもしむせや飲み込みづらさなど気になることがあればぜひスタッフにお声掛けください。

つきまして、今週のブログは以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。

2024年07月16日 00:00

妊婦歯科健診について(パートⅡ)

皆様、お久しぶりです!辻中歯科医院2階の予防ルームYDH副院長池田です。皆様お元気でいらっしゃいましたでしょうか?私は4月から新たに学校に行っております。何の学校に通っているのかはまた次回にお話させていただきますね(^^)

今回は妊婦歯科健診について歯科衛生士からお話をさせていただきます。

妊婦歯科健診とは

妊婦歯科健診は、妊娠中の患者様が歯科医院で歯の状態を検査していき、虫歯や歯周病と診断した場合には治療をお勧めしていきます。妊娠中の事もあり歯科医師や歯科衛生士に体のことを相談しながら治療を進めていきます。又、妊娠中の歯や歯茎の健康管理やご相談も併せて検査して治療や予防をしております。ではここから妊婦歯科健診って何をしていくのか詳しくご説明させていただきますね。

妊婦健診の順序

①口腔内の歯式を取ります。これは虫歯?歯茎が下がっていない?詰め物は綺麗に合っている?詰め物が黒く色が付いていない?歯がしみない?痛くない?親知らずの状態は大丈夫?等の目で見たり風をかけたりして歯の状態を確認していきます。

②歯周組織検査をします。歯周組織検査ではプラーク(歯垢)歯の表面に細菌の膜が付いていないか?歯茎から出血していないか?歯茎から浸出液や膿はないか?歯が揺れていないか?の状態を検査し確認していきます。こちらの検査は治療によって病気が治っているかを確かめるため、治療の節目でも行います。辻中歯科医院では妊婦歯科健診では基本的にエックス線写真は行ってはいませんが、ケースよりエックス線写真や小さな部分的なエックス線写真を撮影し歯の周りの歯槽骨の状態や虫歯の状態を確認しています。ではここから妊娠するとお口の中はどの様になるのかを説明していきますね。

妊娠中の口の中の変化について

ママのお口の中に虫歯菌が多いと唾液を介して子供の感染率が高くなる事が分かっています。妊婦さんが重症な歯周病にかかると、歯周病ではない妊婦さんと比べると低体重児や早産のリスクが約7倍高まります。妊娠すると、嘔吐を伴うつわりや、嗜好の変化等、口の中が酸性に傾きやすく、体の中で1番硬い組織の歯のエナメル質が弱くなることがあります。また、不規則な食事になったりして歯を磨く事が難しくなる方が多いです。

唾液の変化

妊娠中には唾液の分泌量が減っていくのでお口の中はねばねばしてくる妊婦さんと、逆に唾液の分泌が多過ぎて気持ち悪くなる人もいます。お口の中の環境を整えてくれる唾液の働きが低下するため、口の中の歯垢=プラークが停滞し、虫歯が発症、進行しやすくなります。更に歯茎が腫れたり、出血しやすくなります。妊娠性歯肉炎の方は免疫が低下していくと口内炎も出来やすくなります。

妊婦歯科健診の検査の必要性について

これまでお話させて頂いた通り、妊娠するとホルモンのバランスが崩れてお口の中や体にも様々な症状が出てきます。特にお口の中では口臭を出す歯周病原因菌細菌Fn菌が歯と歯茎の境目の最深部に棲みついてしまうと低体重乳児の出産や流産の影響がある事も言われています。歯周病も虫歯もお腹の中の赤ちゃんにも影響してしまう恐ろしい病気です。

妊婦歯科健診に位相差顕微鏡の検査について

辻中歯科医院2階の予防ルームではお口の中の微生物の活動性を確認を位相差顕微鏡で確認できます。位相差顕微鏡ではお口の中で臭いを放つ菌Fn菌とおもわれる菌が確認することができます。他医院の妊婦歯科健診ではこの様な位相差顕微鏡での検査は限られた歯科医院でしかおこなっておりませんのでよろしければ来院いただけましたらと思います。

位相差顕微鏡検査後の処置について

位相差顕微鏡を見て菌の活動性を確認し患者さんに説明をします。位相差顕微鏡の中で活発に活動しているのであれば歯茎の境目の溝を丁寧に超音波スケーラーで洗浄したり、EMSと言うパウダークリーニングで歯周病菌や虫歯菌を抑制する効果もあります。また辻中歯科医院では薬液の入った洗口液を使っていると濃度が高くなるにつれ有害物質を発生させてしまいますので、体に優しい安心安全の低濃度のオゾン水を辻中歯科医院では水道配管から流れております。

位相差顕微鏡検査後の処置について
妊婦さん位相差顕微鏡検査しましょう

妊婦歯科健診後での歯科衛生士からの歯磨きについてのアドバイス

1,歯磨きは気分が良いときに磨けるように、洗面所だけではなくリビングやキッチンなど目につく場所に置いて磨けるときに磨きましょう。

2,唾液が喉に流れると気持ち悪くなりやすいので、気分が良くないときは下を向いて奥歯から磨きましょう。

3自分で歯磨き出来ない時は、辻中歯科医院2階予防ルームにお越しください。口腔内を清潔に保つ事ができます。

4,歯磨きが出来ない時は食後すぐに水で強めにブクブクうがいをしましょう。

5,つわりでしんどい時は、小さめの歯ブラシでは磨くと気持ち悪さが軽減します。

また、キシリトールガムがリカルデントガム等をオススメしております。次にキシリトールガムやリカルデントガムをオススメする理由をお話しさせていただきます。

妊婦歯科健診後での歯科衛生士からの歯磨きについてのアドバイス

キシリトールやリカルデントガムをおすすめする理由は?

キシリトールやリカルデントガムやタブレット等を食べるタイミングはどのタイミングでも良いので摂取しましょう。歯垢の粘着性を抑えたり、唾液の分泌が増えて歯の石灰化を促進する効果等が期待できます。注意点は一度に沢山取るとキシリトールの場合には下痢を起こす人もいます。

妊娠中の歯ブラシの選択について

1,位相差顕微鏡の検査やオレンジプラークで虫歯になりやすいお口の中の状態であればフッ化物配合歯磨剤を使うと虫歯予防に効果的です。

2,歯ブラシでは50%の歯垢しかお掃除できません。フロスを使って歯と歯の間を清潔に保ちましょう

妊娠中の歯磨き粉について

辻中歯科医院歯科衛生士のオススメペートは刺激が少なく体に優しい安心安全のペーストをお勧めしております。一人一人棲みついている菌や活動性は違うので患者様に合わせたペーストをご提案させていただきます。ヤクルトのペーストや3Mのカルシウムが入ったペースト、知覚過敏症の方には松風のペースト、そして歯にも歯茎にもしっかり塗りこんで抗菌効果栄養補給が期待できるオゾンステーションのHMTをオススメしております(^^)

妊娠中の歯磨き粉について

妊婦歯科健診まとめ

市では1回の妊娠につき1回無料で妊婦歯科健診を受けることができます。妊娠すると体調不良やホルモンバランスが崩れて精神的にもしんどくなったりしますが、些細なことでも構いません、辻中歯科医院2階の予防ルームに遊びに来るつもりで健診を受診しましょう。当医院では若い歯科衛生士からベテランの歯科衛生士と幅広いチームです。不安な気持ちの時はいつでもご相談に来てくださいね。最後に辻中歯科医院2階の予防ルームでは、歯周病、虫歯予防、位相差顕微鏡、歯周病原因細菌検査PCR、口腔機能低下症の予防ガムマッサージ、ナノバブルオゾン水を歯周ポケット最深部に注入処置による口臭予防、歯周内科治療、ホワイトニング等々チームで取り組んでおります。また辻中理事長は咬み合わせを大切にしており咬み合わせから姿勢や全身の健康に力を入れておりますので、インビザライン無料相談も随時承っております。気になる方は是非辻中歯科医院へお越しください。おまちしております。最後までお読みいただきありがとうございました。

2024年07月07日 00:00

お口の中の細菌について

こんにちは辻中歯科医院歯科衛生士予防チームYDHです。先日、大阪大学大学院歯学研究科予防歯科学教室教授天野敦雄先生が大変お忙しい中、辻中歯科医院にお越し頂きました。『豹変するバイオフィルム』について講義して頂きました。短時間ではありましたがとてもわかりやすくユーモアがあり笑いもありとても楽しく有意義な時間でした。

今回は天野敦雄教授のお口の中の細菌についての講義のお話をさせていただきたいと思います。

講義中の様子

お口の中の細菌はどの様な菌が虫歯や歯周病になるのか

天野教授のお話しの中でお口の中の菌が『豹変するバイオフィルム』のお話がありました。実は虫歯と歯周病は常在菌による感染がおこることや、常在菌は完全に追い出せない‼️と言う事を教えていただきました。患者様の免疫が下がってきて歯垢も増えてきてくると常在菌がどんどん悪玉菌に変わってきます。この時に虫歯や歯周病がおこります。

細菌のエサ、歯垢とはなんでしょう?

プラーク(細菌の塊)には縁上プラークと縁下プラークがあります。

・縁上プラーク

虫歯に関わり、酸性で糖質を好み、好気性菌(酸素が好きな菌)である。

・縁下プラーク歯周病に関わり、アルカリ性でアミノ酸を好み、嫌気性菌(酸素が嫌いな菌)で炎症を引き起こす。

細菌の膜=バイオフィルムの高病原化“dysbiosis”について

私達は毎日食事をします。食事をすると食後30分の間に脱灰が進むと言われています。なので食後30分以内にブラッシングをおこなう様にしましょう。

特に唾液の少ない方や高齢者は元のpHに戻るのに60分かかると言われています。

昭和の常識と令和の常識について

ではここで昭和の虫歯予防と令和の虫歯予防についてお話しさせていただきます。昭和の虫歯予防の常識には3・3・3の法則があります。どういうことかと言うと・食後3分以内のブラッシング・1日3回ブラッシングを行う・3分間歯磨きをする事です。食後なるべく早く歯磨きをしていくことをお勧めしていますね。では次に令和の常識は、虫歯予防の歯磨き=ブラッシング目的は酸を産生する細菌のエサとなる発酵性糖質を取り除くとともに、歯垢=プラークを取り除いて、酸を出させないようにすることです。令和の虫歯予防の常識を簡単に説明していくとやはり『食後すぐ』が正しい歯磨き=ブラッシングですね。結論を言うと、昭和の常識が正しかったということですね。昔も今も同じですね(^^)本当は甘いものを食べないがベスト、歯磨き=ブラッシングをしっかり行って、フッ化物を取り入れる事をお勧めしております。

辻中歯科医院2階の予防ルームでは虫歯予防として・定期的に、9000ppmのフッ化ナトリウム(フッ素)を塗布すること。・毎日、フッ化ナトリウム(フッ素)含有ペーストを使用すること。穴のあいていない白濁は9000ppmのフッ化ナトリウム(フッ素)で治る‼️と天野教授に教えていただいた通りに患者様へ役立てております。

お口の中の細菌について歯周病原細菌のRed complex(レッドコンプレックス)が棲みついてしまうとどうなるのか?

お口の中の細菌について歯周病原細菌のRed complex(レッドコンプレックス)が棲みついてしまうと歯周病は悪化します(;;)。Red complexは歯周病原因細菌の代表的な菌です。歯周病原因細菌はタンパク質と鉄分やが好きなんです。ここからRed complexの代表的な菌をご説明させていただきます。

歯周病代表的な菌=Red cmplexの一つであるP.g菌は18歳以降に棲みつきます。嫌気性菌と言って酸素の嫌いな菌です。歯と歯茎の境目には溝があり歯周病ポケットと言いこの歯周ポケット4㎜以上の歯周ポケットに棲みついてしまいます。

P.g菌はアルツハイマー型認知症にも関わりが深いと言われています。

歯周病原細菌は誰から感染するのか?

家族、友達、パートナーからの唾液感染と言われています。また食器についた唾液、ペットからの感染もあるので皆さん注意しましょうね。

歯茎から出血ある時と出血が無い時について

歯茎から出血がある時は病原細菌に栄養があると言うことです。また歯茎から出血がない時は病原細菌に栄養がないと言うことになります。歯周病治療では先ず・病原性を少なくする。・出血を止める。・出血を減らす様に私達は歯周病治療や予防をおこなっています。

なので、出血を見逃さずに、口臭を見逃すな‼️と言う天野教授の学びを辻中歯科医院では取り入れています。出血のある方はすぐに歯科医院に行きましょう‼️

歯科医院の保険治療は時代で変わっていきます

歯科医院の保険での治療や予防でもお口の中の状態を管理しておりましたが、近年では様々な病気の原因は歯周病との関わりが深いと注目されていますね。地域の各病院や施設との連携も辻中歯科医院では積極的に行っております。

管理内容は・歯のエナメル質の管理・歯茎を取り巻く歯周組織の管理・お口の全体の筋肉口腔機能管理そして治療時の医療管理です。

医療管理とは

高血圧症、糖尿病、心臓疾患等々血液に関わる病気の患者様へ歯周病の治療や予防時に時には血圧測定や酸素飽和度を計測し地域との連携を取り入れて治療時へと役立てています。

天野教授の講義の時間

天野教授は大変ご多忙でなかなかお会いするのが難しいと聞いておりました。ご多忙の中、辻中歯科医院に来て頂きとても感謝しております。天野教授が来ていただいたのも1ヶ月に1度私達歯科衛生士達の研修講師のHM‘scollectionの濵田真理子先生、そして辻中歯科医院理事長辻中光治理事長のお陰だと感謝しています。“豹変するバイオフィルム”についてのお話を分かりやすく説明いただき楽しい学びの時間になりました。

新たに勉強になったこと、今までの知識の再確認ができてとても良かったです。

天野教授の講義の時間
天野教授と当院のスタッフ

天野教授の講義後すぐに辻中院長が買ってくださいました。ありがとうございました。

新人さんからベテランさんまでわかりやすく書かれていてとても勉強になります。

天野教授の本

天野教授の本のご紹介

天野教授の歯科衛生士お勧めの本になります。

①【著】天野教授カリオロジーダイジェストの中より

本の内容説明

歯面の臨界pHについて歯冠う蝕臨界pH5.5 (エナメル質の脱灰が始まる)根面う蝕臨界pH6.0〜6.5(象牙質の脱灰が始まる)う蝕(虫歯)常在菌よる感染症‼️う蝕原因菌の母子伝播は絶対に避けるべき❓答え→それほど神経質にならなくてもよい。

昭和の常識→う蝕原因菌は『感染の窓』と呼ばれる生後19ヶ月〜

31ヶ月の期間に両親(主にお母さん)から伝播すると言われていました。

う蝕予防には、まず母子伝播をさけることと考えられていて母子が食器を共有しないことなどにより、大人の唾液が幼児の口腔内にはいらないようにすることがもっとも大事でした。また、両親のう蝕治療と口腔清掃により、う蝕原因菌の量を減らしておくことも大切です。

(令和でも大事なことです)令和の常識→母親からの伝播がもっとも頻度が高いものの、両親だけではなく祖父母、兄弟そして友人からの伝播もあることがわかりました。一方、う蝕原因菌の伝播はないほうがいいけれど、ミュータンス連鎖球菌だけがう蝕を起こすわけではないことがわかったため、う蝕を発症させるすべての細菌種の伝播を防ぐのは難しいこと、そして、伝播しても食事指導やフッ化物の使用、適切なブラッシングで発症が予防できるため、それほど神経質になる必要はないという考えが広がっています。過度なう蝕原因菌の伝播予防は親子関係を損なう可能性があることも理由の一つです。

①【著】天野教授カリオロジーダイジェストの中より

天野教授本のご紹介パート2

②【著】天野教授ペリオドントロジーダイジェストの中より

本の内容説明

歯周病菌はレッドコンプレックス(Red complex)は歯周病患者の歯周ポケットから高い頻度で一緒に検出されることがわかりました。レッドコンプレックスは3菌種あります。

P.g菌、T.f菌、T.d菌の3菌種の中でP.g菌が最強です。

この3菌種を同時に感染させると互いの病原性を高め合うことも発表されました。そのためこの3菌種はもっとも高い病原性をもつ歯周病菌団と考えられ、レッドコンプレックスと名付けられました。唾液感染は家族からの感染、だけではない‼️

歯周病原因菌に限らず、口腔細菌は唾液感染により定着し常在菌となります。他人の唾液でうつるのです。では、誰の唾液か。

虫歯菌は『1歳半頃から母親からの唾液感染により定着する頻度がもっとも高い』ことが知られています。

それと同じように、大多数の常在菌は母親あるいは家族の唾液から感染しています。ところが、レッドコンプレックスだけはそうではないのです。T.f菌とT.d菌の検出頻度は中学生になってから急に高まります。この年齢になると日常の活動範囲が広がり、家族以外の唾液感染の機会が増えると考えられます。そのため、唾液感染は家族由来だけではなく、友達などからの感染も報告されています。P.g菌の感染は18歳以降に本格的になります。歯周病原因菌ピラミッドの完成を防ぐには、P.g菌の感染を避けなければなりません。18歳頃からは他人の唾液に気を付けた方がいいでしょう。

②【著】天野教授ペリオドントロジーダイジェストの中より

お口の中から常在菌をゼロにすることはできませんが、

虫歯も歯周病も感染が原因です。上手くコントロールすることで予防できる病気です。

ホームケアも大切ですが定期的に虫歯のチェックやクリーニングをオススメします。

まとめ

最後に私達辻中歯科医院2階の予防ルーム歯科衛生士YDHは最新の技術と知識を常にアップデートして日々の診療に役立てております。また辻中理事長は咬み合わせから健康へと様々な知識があり些細なことでも構いません、インビザラインの無料診断も承っております。どうぞお気軽に来院頂けましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

2024年06月30日 00:00

口腔内環境と腸内環境そして妊婦健診について

皆さんこんにちは。辻中歯科医院のアシスタントです。

今回は腸活と口腔内環境、また妊婦歯科健診についてお話しさせていただきます。

腸活について

最近、“腸活”というワードをよく耳にします。

腸活とは、普段の食事や生活習慣を気をつけることで腸内環境をより良くする為の働きです。

より良い腸内環境とは、腸内に存在する40〜100兆個の腸内細菌のバランスがとれている状態です。

具体的にいうと善玉菌40%悪玉菌10%日和見菌50%が理想とされています。(⚠︎諸説あり)

腸内環境が良くなることで私たち人間にとって様々なメリットがあることも分かっていますね。例えば、多くの女性が悩む便秘。

腸内環境を改善すると便秘が改善されます。その他にも、ニキビや吹出物などの肌荒れの改善、アトピーなどのアレルギー症状の緩和、免疫力の向上、睡眠の質の向上、ダイエット効果や老化予防、精神の安定、さらには、腸内環境が自律神経にも深く関わっているということからうつ病などの精神疾患にも良いとされています。こんなにたくさんのメリットがあって、やらないなんてもったいないですよね。

日頃から健康意識の高い方などは現在進行形で腸活を意識していますという方も多いのではないでしょうか。

では、具体的にどのようにして腸活をしたら良いのでしょうか。

腸活のやり方

【食事】

・キムチや納豆などの発酵食品を摂る

・ひじきやわかめなど海藻類を摂る

・ごぼうや大根などの食物繊維を摂る

・温かい飲み物を飲む

・うどんやパンなどを避けグルテンフリーを心がける

【運動】

・ウォーキング

・体操

・ストレッチ

・ヨガ

普段のエレベーターを階段にするなどの日常的な行動もよい

運動が苦手な方、面倒くさがりな方には【ながらやり】がおすすめです。

例えばドライヤーをし“ながら”ストレッチ

動画を観ながら”腹筋” “背筋”など何かをやりながらの運動が続けやすくておすすめです。

【マッサージ】

・腹部を時計回りにさする

・腹部を温める

【生活習慣】

・適度な睡眠

・適度な休息

近年の研究で、発酵食品を摂ることで腸内環境を整えるだけでなく口腔内の歯周病予防にも効果的なことがわかってきました。

腸活に有効な菌について

①乳酸菌

乳酸菌とは、主にヨーグルト、チーズ、漬物など発酵食品に多く含まれている菌です。

糖を消費して乳酸を作り出す働きを持ち、腸内で悪玉菌の繁殖を抑えることで腸内環境を整えます。身体に有益な菌のため「善玉菌」とも呼ばれます。

また、乳酸菌には腸内を酸性に傾けることで腐敗を抑えたり、腸の蠕動運動を助けて便秘を改善したりする効果があります。

さらに免疫機能の向上や中性脂肪、血中コレステロール値の低下といった効果もあります。

【販売中の乳製品ドリンクミルミル】

販売中の乳製品ドリンクミルミル

【乳酸菌たっぷりのソフールヨーグルト】

乳酸菌たっぷりのソフールヨーグルト

【ショーケース】

ショーケース

②ビフィズス菌

ビフィズス菌とは、人の腸内(大腸)に最も多く住んでいる善玉菌です。

乳酸に加えて短鎖脂肪酸(酢酸)を作り出します。

短鎖脂肪酸は、腸内で乳酸菌が発酵する際に生成される物質です。

腸内の割合としては乳酸菌が0.1%に対しビフィズス菌の割合は99.9%にもなります。

整腸作用だけでなくアレルギー症状の緩和や認知機能の維持など全身の健康に携わっています

口腔内環境について

口腔内環境とは、口の中に存在する善玉菌、悪玉菌、日和見菌などの細菌バランスが良い状態で保たれていることを指します。歯磨きが十分でなかったり、砂糖を過剰に摂りすぎたりする生活が続いていると「プラーク」と呼ばれる歯垢が作られ、口内フローラのバランスを乱してしまいます。

口というのは食べ物を1番最初に体に取り入れる場所であるため、健康に生活していくうえでとても重要な役割を担っています。

口内環境を良くする方法

毎日のセルフケアや定期的な歯科検診が重要です。

セルフケア

・毎日の歯磨きや舌磨きで歯周病菌の塊であるプラークが口内に残らないようにする

・デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯との間の汚れを落とす

・就寝前に殺菌効果のあるデンタルリンスを使用する

・こまめなうがい

・よく噛んで食べる

・こまめな水分補給

・お口の運動をして唾液の分泌を促す

・乳酸菌を積極的にとる

辻中歯科では乳酸菌のたくさん入ったヨーグルトの販売も行っております。

普段の食事に乳酸菌を取り入れることで、口内環境や腸内環境へアプローチしていきます。

【善玉菌と悪玉菌と日和見菌のバランス】

善玉菌と悪玉菌と日和見菌のバランス

妊婦歯科健診について

歯科検診では歯科医師であるドクターにお口の中を確認してもらい、虫歯や歯肉炎、歯石の有無をチェックし、口内の健康状態に問題がなさそうか確認します。

妊娠中の歯科検診の頻度は通常、妊娠中に1回〜2回受けることが推奨されており、つわりが比較的落ち着いた妊娠5ヶ月〜8ヶ月の安定期に検診に来られる方が1番多いです。

妊婦歯科健診の重要性

妊娠中は免疫力が低下し、ホルモンバランスの変化により歯茎が腫れやすくなったり、虫歯のリスクが高まったりすることがあり、口内のトラブルが起きやすい状態です。それが早産など思わぬリスクにつながることもあるということをママにお伝えしたいと思います。

また、赤ちゃんの虫歯はママの影響が大きいため赤ちゃんの健康を守るためにも早めの受診をお勧めします。

起こりうるリスク

【歯肉炎について】

歯肉炎の症状

・歯肉が赤くなっている

・歯肉がぶよぶよと腫れている

・歯を磨いた時などに出血しやすい

・歯と歯の間にある歯肉が丸く厚みを持って膨らんでいる

などが挙げられます。

【歯周炎について】

歯周炎の症状

歯周炎は歯周病の一種で歯肉炎が進行すると歯周炎になります。

歯肉炎の症状に加え、

・歯茎から膿が出る

・口臭がキツくなる

・歯がグラグラする

・噛むと痛みが出る 

などの症状が出ます。

最悪の場合、歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病菌の毒素や歯茎の炎症によって「サイトカイン」や「プロスタグランジン」などの炎症を起こす物質が多く出ることで、歯茎の毛細血管から血流に乗って体内を移動し子宮に到達してしまうことがあります。その結果、まだお腹の赤ちゃんが生まれる状態ではなくても、子宮を収縮させて勝手に出産の合図を出してしまい早産につながる可能性があると言われています。

今まで早産の多くの原因は喫煙だと言われていましたが、ここ数年では歯周炎の方がリスクが高いとも言われるようになりました。

妊娠中は女性ホルモンの一部である「エストロゲン」と「プロゲステロン」が妊娠前の10〜100倍に増加すると言われています。

これらのホルモンは歯周病菌の一部が栄養源にしているため、菌が増殖して口の中で活発に活動します。その結果多くの妊婦さんが歯肉炎にかかっているとされています。

元々、歯肉炎だった方が妊娠してさらに悪化して歯周炎になることもよくあります。

妊娠中に急速に症状が進むことがありますので、歯茎の腫れや出血を感じた場合は早めの受診をお勧めします。

妊娠中の歯磨きのポイント

つわりの時期は歯磨きが困難になる妊婦さんが多くみられます。

つわりの関係で吐き気を催すからです。 

つわりがひどい時の歯磨きのポイントは

①香料や味の強い歯磨き粉は避ける

②下を向き、前屈みの体勢になる

③ポイントは奥まで入れすぎない

④舌に触れないようにする

この4つのポイントを押さえると比較的嘔吐感なく歯磨きができることが多くなります。

それでも難しい方もいらっしゃると思います。

その場合は無理せずに、水を含んでぶくぶくと強めに口をゆすいだり、水を飲む習慣を増やすなどして出来るだけ菌を増やさないように心がけましょう。

最後に

辻中歯科では、妊婦さんや小さなお子様にも気持ちよく来院していただくために、医院内は全てバリアフリーでエレベーターも設置しております。

お子様には治療を頑張ったご褒美として治療後にコインをプレゼントして受付横でガチャガチャを楽しみます。

毎回今日は何が出るかなー?と楽しみにしてくれているのが私たちも嬉しいです。

これからも来院いただく患者様に喜んでいただけるよう努めてまいりますのでよろしくお願いします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

2024年06月22日 00:00

子どもの歯並びはなぜ悪くなるの?

こんにちは!辻中歯科医院のアシスタントです。

今回は現在、辻中歯科で力をいれております小児矯正と歯並びについてお話しさせていただきます。

歯並びはなぜ悪くなる?

歯並びはなぜ悪くなる?

歯並びの種類はイラストのように沢山あります。

遺伝によるもの

歯並びは遺伝的要因により影響が出ることがあります。

例えば親から受け継いだ顎の発育や歯の形が影響してきます。

日常生活での悪い癖

●寝る時いつも同じ方向の横向きやうつ伏せで寝ている。

●食事姿勢が猫背だったり、背もたれにもたれかかったり、肘をついて食べたりしている。

●口が開いている。

●口で呼吸している。

●指しゃぶりなど

虫歯や歯周病の治療をしないままそのままにしている

例えば虫歯や歯周病が原因で歯を失った場合、そのまま放っておくと隣り合わせになっている歯が動きます。歯を失ったことでスペースができてしまった為、隣り合わせになる歯が動いてしまいます。動くことにより歯並びが変化するので悪くなってしまいます。

また、虫歯により歯の形が変わることで噛み合わせも悪くなるので元々歯並びがキレイな方でも虫歯になると歯並びが悪くなることがあります。

歯が出てくる時期

歯が出てくる際に他の歯に引っかかたりして、本来の出てくるタイミングより遅れてしまった場合、歯が並ぶスペースが無くなり歯並びが悪くなる時があります

うつ伏せ寝

うつ伏せ寝は歯並びに悪影響を与えます。

うつ伏せで寝る理由はいくつかあります。考えられるのは

●どこかの筋肉が緊張していて、リラックスできていない

●仰向けで力を抜くのが苦手

●舌が下に落ちている(低位舌)

●口で呼吸している などが考えられています。

うつ伏せ寝の対策方法はある?

対策方法としては

●背中が緊張していることが多いので寝る前に10分程背中のマッサージをしてあげる

●日中よく体を動かすこと

●寝る前のテレビやスマートフォンでの画面を観ることは控えること(画面からでるブルーライトが睡眠の質に影響を与える為)

●舌が喉元に落ちている(低位舌)のを改善し、鼻呼吸をできるようにすること などが対策方法です。

食事姿勢を正しくするには?

食事姿勢を正しくするには?

机の高さや椅子の高さ、机と椅子の距離を調節することが重要になってきます。

正しい姿勢とは?

正しい姿勢とは?

①机と座る面の高さを合わせること

まず背筋を正してもらった状態で座ってもらいます。この時に膝と腰の角度が90度の直角になっていることがとても重要です。次に肘を90度に曲げた時に肘はテーブルと同じ高さになるように、座る面の高さを合わせていきます。       高さがどうしても合わない場合はお尻の下にタオルをひいて調整してみてください!

②足はそのまま垂直に真っ直ぐおろしてもらい、足の裏がしっかり地面についている

足がぶらぶら浮いている場合は足を置ける台を用意していただき足の裏が台の上にのせれる状態にします。      ここでのポイントは足の裏全体がしっかりと台についていて90度の直角になることです!

安定した姿勢になるだけではなく、噛む力もついてくると言われているそうです!

③お子様と机の隙間の距離

悪い例として、机と椅子の距離が近すぎて背もたれにもたれかかりおしりが前にズレやすくなり正しい姿勢を保てない状態と逆に机と椅子の距離が離れすぎて前かがみになり正しい姿勢を保てない状態が例として挙げられます。

姿勢はどのように改善していくか    

正しく座る距離は机と椅子の隙間を子どもの握りこぶし1個分になるように距離を合わせることです!  

食事が終わると1人で降りることができる隙間は机との距離が空きすぎな状態なので注意が必要です。          悪い(食べにくい)姿勢で食事することは子どもにとっては大きな負担になってしまい、集中力が低下し食べる意欲がなくなってしまう原因にもなるので、できるだけテレビもつけず家族と食事をとることが大切だと私は感じました!

なぜ口呼吸は良くないの?

なぜ口呼吸は良くないの?

口呼吸は鼻呼吸に比べて健康上デメリットがたくさんあります。

①虫歯や歯周病になりやすい           

人は本来鼻で呼吸するのですが、口で呼吸していると口の中は乾燥した状態になります。乾燥した状態が続くと虫歯や歯周病になるリスクが高まります。唾液には口の中の汚れを洗い流したり抗菌作用の役割があるため口臭予防にもなります。唾液の主な働きは6つあり「抗菌作用」「味覚作用」「歯の再石灰化作用」「潤滑作用」「浄化作用」「消化作用」などの働きがあります。このことから常に唾液が少ないよりかは唾液多い方がメリットはたくさんあります。

②歯並びが悪くなるリスクが高くなる          

口が常に開いていると顎の成長もうまくいかず、歯がキレイに並ぶためのスペース確保が難しい状態になります。歯並びを整えるためにはポイントがあり「頬の力」「唇の力」「舌の力」による力がかかるバランスも大切になってきます。

力のバランス

口呼吸だと舌が下に下がり、口まわりの筋肉も弱くなり、力がかかるバランスが取れず歯並びが悪くなってしまうリスクがあります。

③免疫力の低下  

免疫力の低下

   

本来鼻呼吸だと、鼻毛や鼻の中の粘膜がフィルターの役割をしてくれるので直接ウイルスが体の中に入ってくるのを防いでくれます。ですが口呼吸だと何のフィルターもなく直接病気の原因となるウイルスが口の中に入ってきます。つまり、ウイルスにとって自由に口の中に入れるので風邪やウイルス感染を引き起こす原因になります。

口呼吸は睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性

口呼吸は睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性

口を開けて寝ていると、寝ている時に喉の奥に舌が流れ落ち、気道を狭くしたり塞いだりしてしまうことがあります。気道が狭くなると、「いびき」「呼吸障害」「睡眠時無呼吸症候群」などを引き起こす可能性があります。その場合、身体に充分な酸素を送れなくなり、正しい睡眠を取れていない状態になります。

睡眠時無呼吸症候群の要因

①鼻詰まり                    

②顎が小さい                   

③扁桃肥大(口蓋扁桃が肥大している状態のこと)

④舌骨低位

⑤睡眠時の姿勢                 

⑥肥満 などがあげられます。            

睡眠の役割                 

●寝ている間に神経細胞に溜まった老廃物を排出する  

●成長ホルモンの分泌

●体や脳の疲れを取り除く       

●ケガや病気からの回復

●起きている時に得た情報の整理や記憶の定着  など。正しい睡眠が取れなければ、本来睡眠時に分泌されるはずのホルモンの分泌が弱くなるため成長に影響が出たり夜尿症(おねしょ)を引き起こしてしまうこともあります。またたくさん睡眠時間をとっているが睡眠の質が悪い状態が続いてしまうと、日中ぼーっとしたり、ADHD(注意欠如多動性障害)と似たような症状もみられたりするそうです。               

最後に

辻中歯科医院では現在小児矯正に力を入れており、歯並びが後戻りしないよう全力でサポートしております。口腔内だけでなく足指から舌までの体全体からアプローチをしております。ぜひ小児矯正するなら辻中歯科医院へお越し下さい!

2024年06月15日 00:00

辻中歯科医院にドクターとして入社して

今年も6月に入り初夏を迎える季節となりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

私はこの度、4月より辻中歯科医院にドクターとして入社し2ヶ月が経ち、改めて気づいた、医院の素晴らしいところ、そして現在私が奮闘しておりますことにつきまして筆を執らせていただきます。

辻中歯科医院に入社して得た(気づいた)素晴らしいところ

ここでは辻中歯科医院で入社して得れた素晴らしいことについて述べさせていただきます。辻中歯科医院では入社してまず、技術の前に患者様への接遇を大切に教えていただきました。私自身、医療接遇に関しては不勉強な点も多く、入職当初より学ぶ事ができました。

患者様への接遇についての学び

接遇についてですが、患者様の声に耳を傾けること、また姿勢なども改めて学びました。

また、当院でよくご指導いただく事ですが、腕、知識があっても患者様に好かれるようにならないと結果的にはいけないという事です。というのも、地域の歯科医院として患者様を診察させて頂いている、日々感謝の気持ちを持つことが大切であるということです。

患者様への洞察についての学び

他にもご指導いただく事ですが、「患者様が何の目的でおっしゃているかを考えなさい」と指導いただきます。というのも、自分の目的と患者様の治療に対する目的がたまにすれ違っていることがあるからです。

入社して特に衝撃的だったのが、緊張、不安など患者様の状態をいち早く掴むために、診療中は、口の中だけを見ず、足の先まで全身を見るようにしなさい、とご指導いただいたことです。口の中しか見ていなかった、視野が狭い自分を改めて痛感させられました。

インビザライン矯正の知見を深められる

また、技術的な面に関しては当院はインビザラインを重点的に行なっており、入職当初からそういった患者様と関われる点、また、他にも処置や診療に対してその日にフィードバックいただき、いい点、悪い点を客観的に見ることができることが素晴らしい点であると思います。

現在私が歯科医師として奮闘していること

現在私が歯科医師として奮闘していること

現在私は少しづつですが色々な処置をさせていただいておりますが、その中でも奮闘しております、インビザライン、補綴物の調整についてお話しします。

インビザラインで奮闘していること

インビザラインとはマウスピース矯正のことで薄い板状の熱可塑性樹脂を歯列模型に圧雪したアライナーと呼ばれる装置を用いて歯を動かす方法です。

子供から大人まで治療ができ歯並び、噛み合わせの状態を改善します。通常のワイヤーでの矯正との最大の違いは他人に気付かれにくく審美性に優れる点、食事時など装置は自身で取り外し可能であるため口腔清掃が容易になるということです。他にも数多くあるインビザラインの診療のステップのなかで私が経験させていただいたものは問診とアタッチメント(外側についているボタン)の取り付けです。

インビザラインは順調に動いている患者様もいれば、予測より動かない歯がある患者様もいたりして様々です。それを最初に発見する窓口として問診していくわけですが、インビザラインのアタッチメント(ボタン)は外側についており慣れるまで外すのに苦労しました。

インビザラインの問診

問診の際に当院で確認させていただいていることについて以下の通りです。

①現在何ステージか 最終装着から何日目か 

②1日マウスピースは何時間装着しているか

③アンフィットがないか  

④以降マウスピース外して)アタッチメント(ボタン)の脱離がないか

⑤動揺歯の確認

⑥歯肉退縮の有無

アタッチメントについて

次に、アタッチメント(ボタン)の取り付けについてですが、そもそもアタッチメント(ボタン)とは何のためにつけているのでしょうか。

アタッチメントの種類と目的

アタッチメント(ボタン)は通常アタッチメントと最適アタッチメントとよばれる2種類に分けられます。

通常アタッチメントは、アライナー(インビザライン)が歯から浮きにくくするための維持装置、歯をつかみやすくするための把持装置の機能があります。

最適アタッチメントは特定の目的・動きのために計画されたアタッチメントでアライナーが歯全体を押すだけでなく、アタッチメントを一定方向に押すことによって意図する方向に歯が動くように設計されています。

このような、2種類のアタッチメントを組み合わせて目的の歯の移動を行なっております。アタッチメント(ボタン)ごとの役割としては

①長方形アタッチメント・・近心・遠心の傾きを改善や近心(前歯側)・遠心(奥歯側)に傾斜移動させるもの、アライナー保持

②傾斜つき長方形アタッチメント・・トルク(歯の回転)付与、挺出(歯を浮き上がらせること)移動

③楕円アタッチメント・・歯の短い歯のアライナー保持など

④回転用アタッチメント・・回転量5°以上の場合に使用

⑤挺出用アタッチメント・・挺出(浮き上がり)量0.5mm以上の場合に使用

⑥ルート(歯の根っこ)コントロール用アタッチメント・・中切歯、犬歯、小臼歯に設置

長方形、傾斜つき長方形、楕円のアタッチメント(ボタン)は通常アタッチメント、挺出用、ルートコントロール用、回転用アタッチメント(ボタン)は最適アタッチメントに分類されます。

ステージの合間など個人によってアタッチメント(ボタン)をつけるタイミングは様々です。装着する際は、テンプレートと呼ばれる型を使います。付け方ですが、まず、つける前に一度装着する部位のお口の中を清掃してから行います。

前処理してから光照射で硬化する樹脂をつけていきますが、つける際に、防湿が甘い、照射が甘いとポロっと取れてしまいます。そのため、注意しながらつけていきます。

アタッチメントはなぜ取れやすいのか

それでは、そもそもなぜアタッチメントは照射直後にすぐ外れるのでしょうか。

原因は、お口の乾燥のさせ方が不足していた、前処理不足していた、光の照射が不足していた、樹脂の量の不足していたと様々考えられます。

処置は以下の手順でつけていきます。

①テンプレート試適

②アタッチメント装着部位のみポリッシング(歯の清掃)→水洗

③エッチング→水洗

④テンプレートの中にレジンを流す

⑤ガーゼにて防湿→ボンディング→光照射

⑥テンプレートをはめて固定し照射機をアタッチメントに押し付けて光照射

⑦形態修正

私は、アタッチメント装着直後の脱離や装着自体に時間がかかることもあり、そういった面で1日でも患者様に喜んでいただけるよう日々奮闘しております。

被せ物や詰め物の装着

被せ物や詰め物の装着

被せ物、詰め物の装着も少しづつ経験させていただいておりますが、反対側の咬合が下がった症例や隣の歯が倒れてくることにより調整に時間がかかる物については時間的にも短時間での処置を心がけておりますがなかなか間に合わず日々奮闘している毎日です。

被せ物、詰め物を装着する際には隣の歯との隙間の調整、反対の歯と当たる面の調整、研磨など様々な手順があります。

反対の歯と当たる面については念入りな調整を行わないと装着後の不快感、違和感、脱離につながってくるため、特に重要になってきます。私は上記のような症例に対しても少しでも早く調整できるよう削り方など日々奮闘しております。

今後のどのようにしていきたいか

上記のように様々なことを経験させていただき奮闘している毎日です。私は歯科医師としてまだまだ未熟であり、至らぬところもありますが患者様を第一に考えた治療を行わせていただこうと考えております。

患者様を第一に考える、ということについて、まさに患者様の気持ちに配慮した診療、環境作りです。物音など立てず、時間はなるべく短時間で、そしてお口の中の痛み違和感に配慮した診療をさせていただこうと考えております。

今後辻中歯科医院にて頑張りたいこととしては、医療人である前に人であれといった字のごとくまず第一に患者様への対応、気持ちに寄り添ったコミュニケーション、そして、時間に配慮しなるべく負担をかけない診療を心がけて頑張っていきたいと考えております。日々研鑽し患者様に提供してまいります。診療中、前後、わからないこと、疑問点あればいつでもご質問ください。

この度はお忙しい中、お読みいただきありがとうございました。

2024年06月08日 00:00

第21回 国際歯周内科学研究会東京学術大会の感想

 こんにちは辻中歯科のYDHです。私はYDHのチームに入って1年目の新人歯科衛生士です。4月21日に東京で開催された国際歯周内科学研究会第21回東京学術大会に院長、副院長とそして私達歯科衛生士の3人合計5人で参加させていただきました。今回はその学術大会についてお話させていただきます。

国際歯周内科学研究会とは

国際歯周内科学研究会とは一般社団法人で2001年より歯周内科治療だけではなく、その他の歯科治療分野についても研究、情報交換できる場としてできた研究会です。

国際歯周内科研究会の理念と使命

理念:歯周内科治療を世界に広め、ペリオ(歯周病)のない社会を実現する

使命:1.歯周病治療に科学的な検査・診断を導入し、歯周内科治療の世界標準化を目指す

2.口腔内微生物叢のコントロールを適正に行い、歯周病の改善と全身の健康増進に寄与する

3.抗生剤使用の正しい知識について研究・普及を行う

4.安心・安全な歯科医療のために院内感染防止対策の普及につとめる 

参照 国際歯周内科学研究会ホームページ

国際歯周内科学研究会学術大会に行くまでのスケジュール

国際歯周内科研究会東京学術大会は21日に行われましたが、前日に東京に入り、参加しました。20日の辻中歯科医院の診療終了後、直ぐに歯科医院を出発し新大阪駅へ移動しました。新大阪駅から新幹線に乗ってお弁当を食べ東京まで移動しました。お弁当は院長が新大阪駅でローストビーフ弁当やステーキ弁当をご馳走してくださいました。デザートにはゴディバのアイスもいただきました。仕事を終わったご褒美の高級お弁当、とてもとてもおいしかったです。

国際歯周内科学研究会学術大会に行くまでのスケジュール国際歯周内科学研究会学術大会に行くまでのスケジュール

学術大会前日の夕食と当日の朝食

東京駅からは両国駅まで電車で移動しました。翌日の学術大会の近くのホテルに泊まりました。ホテルもとてもきれいで両国にあるため内装もお相撲に関係のある装飾がされており感動しました。また階が上の方でしたので夜景もとても綺麗でした。前日はゆっくり睡眠を取ることができたので当日もしっかりと話を聞くことができました。翌朝の、朝食はホテルのバイキングを食べたのですが、そこにあったうどんがとても美味しく、2回もおかわりをしてしまいました(笑)。

学術大会前日の夕食と当日の朝食

いよいよ学術大会へ

学術大会の会場は東京両国KTCホールにて開催されました。東京両国KTCホールはホテルから徒歩10分の所にあります。向かう途中でこのような石碑を院長が見つけました。両国は相撲で有名な土地ですが、歯科にもゆかりがあるのかなと感じなんだか嬉しく思いました。

いよいよ学術大会へ

様々な歯科関連商品の展示

会場に入るとたくさんの企業のブースがありました。そこでは新しい商品や企画等を展示してあり実際に購入することも可能でした。私たちは歯ブラシをサンプルでいただいたり、気になる歯磨剤を購入し使ってみました。とても良い商品でしたので、辻中歯科医院に置いて患者さんへお勧めしていきたいと思っています。

講習の内容

学術大会の講義は3人の先生によって行われました。

1人目はにしだわたる糖尿病内科の西田亙先生による「歯周病を全身疾患と捉え始めた医学会」というテーマでお話しをしてくださいました。歯周病と全身、糖尿病の繋がりについて医師の西田亙先生にお話ししていただき、歯周病による糖尿病の悪化や、口腔内をきれいに保つ事により全身にどのようなメリットがあるかを詳しくお話しして下さいました。

先生はとても面白い方で、話し方もすごく上手なため頭にとても残る印象深い講習でした。

西田亙先生は歯周病と糖尿病の関わりについての本も出版されており、その本も院長に買って頂いたので今回の学術大会に参加できなかったスタッフも勉強する事も出来ますし、参加したスタッフも振り返りしてしっかりとアウトプットできるように勉強しております。

また、このようなポスターを紹介していただきました。可愛いハムスターをメインで入れる事によって人の目を惹きつけやすいことであったり、詳しい医療用語を入れない事により医療従事者以外もイメージしやすいようなポスターです。当院でも受付、各チェアーに貼り出しています。

講習の間に休憩がありお昼ごはんはお弁当がでました。しっかり食べて午後に備えました。とても美味しかったです。

講習で出たお弁当

2人目はかすもり・おしむら歯科・矯正歯科・口腔機能クリニック院長の押村憲昭先生による「歯周病と全身の関連これからの医科歯科連携」のテーマでお話しして下さいました。

押村先生は地域の医科に歯周病と全身疾患についての本を配り、医科と歯科の連携を広めた先生です。医科と歯科の連携について具体的にどの様に行うと良いのか、連携することによる保険点数についてお話ししてくださいました。

先生のお話は、歯周病と糖尿病の繋がりだけではなく、できるだけ改善していく為に実際にどの様な活動をされていたのかを話を聞いてそのような活動が今の医科歯科連携に繋がるのだと感じました。

3人目は国際歯周内科学研究会常任理事生田図南先生による「訪問診療における位相差顕微鏡とリアルタイムPCRの活用」のテーマでお話してくださいました。

口腔衛生等管理の義務化について具体的にどの様にしていけばよいのか、実際に位相差顕微鏡・リアルタイムPCRを活用した歯周病治療について症例を出して説明してくださいました。

先生のお話を聞いて感じた事は、これから高齢者が増えていく少子高齢化社会でどの様に歯周病や糖尿病を改善していくと良いのか分かりやすい症例を用いて説明してくださり非常に分かりやすくアウトプットしやすいと感じました。

学術大会終了後は東京駅に向かい皆で早めの夜ご飯でお蕎麦を院長にご馳走していただきました。下のお写真のお蕎麦とてもとても美味しくて院長と副院長と私達大変幸せな気持ちになりました(^^)。食事後に皆で学術大会を振り返ってどの様に感じたかを意見交換をしました。辻中歯科医院では患者さんにどの様にご提供ご提案をしていくのか等を、話し合いました。その後、お土産を買い新幹線に乗り大阪まで帰ってきました。行きも帰りも長時間の移動で皆、新幹線でスヤスヤ寝ていました。疲れて帰宅しましたが大変自分自身成長した一日になりました。。

院長にお蕎麦をご馳走になりました

国際歯周内科学研究会東京学術大会を振り返って

私は辻中歯科に入社して4月で2年目になりますが、大阪を出て泊まって講演を聞くのは初めてでした。初めはどの様な講演か分からず少し緊張もしましたが、この学術大会で講演してくださった先生皆さまとても分かりやすい講演内容で聞いていて大阪に帰ったら患者様に伝えて私も頑張りたいなという気持ちになりました。私が講演を聞いて一番印象に残ったことは、「歯周病を治療することにより糖尿病の薬が1種類減る」ということです。歯科衛生士の専門学校では歯周病と糖尿病に繋がりがある事は学んでいたのですが、実際にどの様に関わっていて歯周病を治療することによるメリットを患者様に具体的にお話することはできませんでした。しかし、今回の講演を聞き患者様にも分かりやすくインパクトに残る説明の仕方やポスターなどを紹介していただきとても勉強になりました。専門学校を卒業してもその様な学ぶ機会を与えて頂いた辻中歯科の環境はとても凄いなと思いました。辻中院長いつもありがとうございますという感謝の気持ちです。今回の学術大会で学んだことを患者様にお伝えできるように今後も頑張ってまいりますので、皆様何か気になっていることや不安な事があれば歯科衛生士にお尋ねください。私達2階の予防ルームは副院長はじめ素晴らしいチームだと誇りを持っております。辻中歯科医院2階の予防ルームでお会いできるのを楽しみにしております。

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2024年06月02日 00:00

私が歯科助手として入社して

はじめまして!

3月後半から辻中歯科医院にアシスタント(歯科助手)として入社致しました。歯医者での経験がない私が辻中歯科医院で頑張りたいことなどをお話させていただきたいと思います。

歯科助手としての役割

歯科助手としてのお仕事の内容はいくつかあります。これからいくつかご説明させて頂きます。

歯科助手としての役割

歯科医師(ドクター)の治療の補助や準備

歯科助手は、歯科医師の補助を行います。患者様の診察の準備や治療時のサポート、レントゲン撮影の補助、診察室の消毒や清掃です。歯科助手は患者様の快適さと安全性を確保し、歯科医師が効果的に診療や治療を行うための環境を整える重要な役割を果たしています。また、感染症予防のため衛生管理にも、とても気をつけています。

患者様のサポート

歯医者に来てくださる患者様は不安に思われる方がほとんどだと思います。

そんな患者様の快適な治療環境を整え、不安や疑問に対応し、患者様をサポートしなるべく不安を取り除いて差しあげます。

また小さなお子様には、「頑張ったね」や「大丈夫だよ」などと声をかけ、歯医者は怖いというイメージを持たないように心掛けています。

治療後のアフターケア

治療後のケアについて、患者に丁寧に説明します。食事や飲み物の注意点、痛みや腫れの対処方法、歯磨きの方法などを伝えます。そして、治療を終えても定期的な診断やクリーニングを受けていただくことにより、虫歯などの早期発見に繋がります。

辻中歯科医院に入社して良かったところ

研修制度が整っている

私が辻中歯科医院に入社して良かったことは学べる環境を沢山作っていただけるところです。

専門知識はもちろん、コミニュケーション力や接遇など、様々な講習会や研修会を積極的に開いてもらえます。

普段の業務中には学ぶことのできないような知識を学べる機会をたくさん用意してもらえます。そういった機会で学んだことを生かし、歯科助手としてのスキルを向上させるためにこれからも最新の知識や技術を取り入れる努力をしていきます。

チームワークの強化

私は前職は、美容関係の仕事に就いていました。スタッフ同士で協力して仕事をするというよりは、個人の成績を大事にしているスタッフが多かったです。ですが、辻中歯科医院ではチームワークを大切にしていると感じました。治療中においては、私たち歯科助手が器具や材料をすばやく提供し、歯科医師に必要なサポートを行うことで、歯科医師の負担を軽減します。

歯科医師はもちろん、他のスタッフとも協力することにより丁寧で効率的な治療ができていると思います。

知識を得られる

歯科医院未経験の私は、全く歯科知識について知らないまま入社しました。ですが院長や先輩方、研修などでたくさん歯の知識を得られました。これまで知識がなかったのですが、歯科診療を身近に感じ、もっと歯を大切にしようと思いました。そしてその知識を患者様にも伝え、患者様の口腔健康をサポートし、笑顔で健やかな生活を送れるよう、患者様に寄り添えるような歯科助手になりたいと思います。

辻中歯科医院で私が頑張りたいこと

患者様に寄り添える歯科助手になる

患者様に寄り添える歯科助手になるためには、コミュニケーション能力が重要です。患者様の不安や疑問を理解し、丁寧に対応することが大切です。また、技術的なスキルも磨いて、安心して治療を受けられる環境を整えることも大切です。患者様がリラックスして治療を受けられるよう、心掛けていきたいと思います。

治療内容をしっかりと理解し、歯科医師(ドクター)のサポートをする

辻中歯科医院で勤務をはじめてから、最初は治療に使う器具や道具の多さ、治療の種類の多さ、アシスタント業務の難しさに大変驚きました。特に口腔内の唾液や治療中に発生する水を吸引するバキュームの操作は思ってる以上に難しく、なかなか上手く行きませんでした。練習やアシストする回数を重ねていく度に上達はしてきましたが、まだ難しく思うこともあります。また、治療器具の多さにも驚きました。耳にした事の無い器具がたくさんあり、覚えることに苦戦しました。これから、一つ一つの治療の工程や順番を理解し歯科医師(ドクター)がより治療がしやすいようにサポートしていきたいと思います。

入社して得た歯科の知識

歯医者未経験の私が初めて覚えた器具や、その使い方などお話していきます。

歯式

歯式について

歯科では、歯式やカルテを書く時左右が逆になります。

最初は分かっていてもどっちだろうとなったり、書くのに戸惑いました。
患者さんを正面から見た状態になります。

歯式とは

歯式は、上下左右の顎の歯をそれぞれ8つの区画に分けて、区画ごとに1から7までの数字を割り当てることで、どの歯について話しているのかを明確にするためのものです。例えば、「1番」は上の前歯の真ん中、「16番」は下の奥歯の1番目になります。

従来の「右上中切歯」「左下第一大臼歯」のような呼び方では、歯医者さん同士の会話では問題なくても、患者さんにとっては分かりにくい場合があります。そこで、歯式を用いることで、患者さんも自分の歯の状態をより理解しやすくなります。

歯式は、歯科治療だけでなく、歯磨き指導や歯列矯正など、様々な場面で活用されています。自分の歯の場所を把握することで、より効果的なセルフケアが可能になります。

バキューム操作や禁忌部

バキューム操作や禁忌部

バキュームの役割は唾液や水を吸うためだけだと思っていました。ですが、歯の治療時に歯を削った際に出る細かなものや金属破片、唾液や血液などを吸引する。歯を削る時に出る匂いを吸引する。歯科医師(ドクター)が治療しやすいように視野やスペースの確保をする。そして1番の役割としては、治療で使用する高速回転するバーから患者様の唇、ほほ、舌などを傷つけないように圧排するということです。治療で使用するバーが少し当たっただけでも粘膜がスパッときれてしまったり刺さってしまいます。また治療中に患者様が痛みを感じ、少しでも動いてしまうとバキュームが無ければ怪我をしてしまう可能性があります。

患者様の完全を守ることも私たちアシスタントの役割です。

バキュームについて

バキューム操作を行う際に、患者さんが不快になる部位は、軟口蓋・咽頭部・舌根部の禁忌部位と言われる領域です。 バキュームをセットする時は、必ずこの場所を避けなければなりません。

咽頭部に水が溜まると患者様は苦痛を覚えます。

バキューム操作を行う際の注意点

主な虫歯治療

主な虫歯治療

歯医者の治療にはたくさんの種類がありますが、その中でも私が1番初めに覚えた治療がCR処置です。

①まず虫歯の部分を削ります。

その際必要に応じて表面麻酔+浸潤麻酔を用意します。

②歯面処理

②歯面処理

必要に応じてエッチングの処置を行います。歯がツルツルのままだとCRがうまく接着しないので歯の表面をギザギザにし接着力を高めます。

③ボンディング

接着剤であるボンディング材が表面に塗られ、照射器(青い光)で硬化させます。そのあとコンポジットレジンを詰めていきます。

③ボンディング

④コンポットレジン

④コンポットレジン

コンポットレジンは白いプラスチック素材の詰め物です。

歯に直接盛りつけ、専用のLED照射器で強固に固めて詰めます。

CRやレジンとも呼ばれます。白い素材なので自然な仕上がりにできます。

⑤噛み合わせ確認

⑤噛み合わせ確認

咬合紙という赤い紙をカチカチと噛んでもらうと、上下の歯が強く当たっているところに濃い色が付くので、その部分を少しずつ削って噛み合わせを調整していきます。

CR処置は1回の治療でおわる?!

CRを使うメリットは見た目だけではありません。通常、つめものを使った治療では、治療箇所の型を取りその型を使って、つめものを製作するという工程があるため、製作に必要な時間もかかります。ですがCRの場合はこれらの治療を1日で済ませることができます。CRは粘土状の柔らかい素材のため『型取り』の必要がなく、「特殊な光を当てるとその場ですぐに固まる」という性質があるからです。この性質のおかげで治療が短時間でできることもCRの大きなメリットのひとつです。

まとめ

私は視野を広げ、周りをよく見れるような歯科助手を目指していきたいと思っています。その為に日々勉強をし、色々なことに気付けるようになり、より歯科医師(ドクター)が仕事をしやすいようなサポートをしていきます。

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2024年05月25日 00:00

歯周病と全身疾患の関係性について

こんにちは。辻中歯科医院のアシスタントです。

さっそくですが、皆さんは歯周病と全身疾患に関係性があることをご存知でしょうか?

私自身、歯科医院で働き始めるまで考えたこともありませんでした。実は歯周病と全身疾患は大きな関係性があります。今回は歯周病と全身疾患の関係性について調べてきましたので、この場をお借りしてお話させて頂きます。

そもそも歯周病とは?

歯周病とは、歯周組織に起こる疾患の総称になります。

一般的に歯肉炎と歯周炎という2つの病気のことを指します。健康な歯茎には深さ2~3㎜程度の歯肉溝というポケットが空いています。これを歯周ポケットといいます。この部分にプラーク(歯の表面の細菌)が溜まるなどし、細菌感染によって歯肉だけが炎症を起こした状態を歯肉炎といいます。

歯肉炎

さらに炎症が拡大し、歯槽骨にまで患部が達した状態を歯周炎といいます。

歯周病

歯周病は歯を支える組織が破壊されることで、歯を失う原因にもなります。また歯周病は全身疾患との関係性もあるため、適切な治療が必要です。歯周病の予防には定期的な歯科検診や適切な歯のケアが必要になります。

歯周病のメカニズム

細菌は歯周ポケットから歯肉の内部に侵入しようとし、それを免疫系の細胞や物質が迎え撃ちます。歯周組織が炎症を起こすのは、免疫系のうち炎症を誘発する「炎症サイトカイン」による防御反応によって引き起こされます。

歯周病のメカニズム

炎症サイトカイン

免疫反応として細胞の炎症を誘発する物質になります。健康にとって味方になる物質ですが、過剰に分泌されると病気の原因になります。

全身疾患について

歯周病と全身疾患がどうつながってくるのかという関係性については、研究が進んでいる分野です。歯周病は炎症性疾患であり、炎症が全身に及ぶことで、他の疾患との関係性が指摘されています。

2型糖尿病

膵臓からのインスリン分泌が低下する1型に対し、2型糖尿病はインスリンの効きが悪くなり、血糖値を下げる作用が低下して高血糖状態になります。

2型糖尿病と全身疾患の関係性

2型糖尿病と歯周病の関係は、炎症性サイトカインや細胞質の酸化ストレスなどのメカニズムを介して相互に影響し合うことが知られています。糖尿病患者は一般の人よりも歯周病にかかりやすいとされ、重症度も高くなる傾向があります。逆に、歯周病が進行することで糖尿病の管理が難しくなる可能性もあります。

歯周病における炎症反応が全身に及ぼす影響はさまざまですが、特に血糖値コントロールに悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。炎症性反応が増加すると、インスリンの作用が減少し、血糖値が上昇しやすくなるとされています。

認知症

認知症

認知症は、脳の機能が進行的に低下し、日常生活に支障をきたす症状の総称です。主な症状には記憶障害、思考能力の低下、判断力の欠如、言語障害、空間認識能力の障害などが挙げられます。これらの症状が進行することで、認知機能の低下や行動の変化が現れることが特徴です。

認知症の中でもっとも種類が多い認知症は「アルツハイマー型認知症」です。アルツハイマー型認知症は脳にアミロイドβというたんぱく質が蓄積されることによって発症します。

通常、アミロイドβは分解されて排出されますが、何らかの理由で排出されずに蓄積すると脳の機能が低下してしまいます。進行するとタウという異常たんぱく質がたまって神経細胞を死滅させます。

アミロイドβとは

脳内で作られるたんぱく質のひとつです。健康な人にも存在する物質です。通常は脳内のゴミとして分解され排出されます。

認知症と全歯周病の関係性

歯周病の炎症が全身に及ぼす影響や、口腔内の有害なバクテリアが脳に影響を及ぼすことが考えられています。

特に、歯周病による炎症が身体全体に及ぼす影響が認知症の進行に関連している可能性が指摘されています。炎症反応が脳に影響を及ぼし、認知症の原因となる神経細胞の損傷や炎症を悪化させる可能性があります。歯周病による炎症性サイトカインやバクテリアの産生物質が血流中を経由して脳に到達し、脳内の炎症反応を引き起こす可能性があるとされています。この炎症反応が神経細胞の損傷や認知機能の低下につながる可能性があります。

また、歯周病による慢性的な炎症が全身の炎症反応を増加させ、全身の炎症が認知機能の低下や認知症の進行に寄与する可能性も指摘されています。同時に、歯周病のバクテリアが脳に直接影響を与え、神経変性を引き起こす可能性も考えられます。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎

唾液や食べ物を誤って吸い込んでしまい、肺の感染を引き起こす状態のことを誤嚥性肺炎といいます。嚥下に関する筋力の低下、口腔環境の不衛生などを理由に特に高齢の方に多くみられます。

誤嚥性肺炎と歯周病の関係性

誤嚥性肺炎と歯周病の関係性は、口腔内の細菌が触れ合うことで肺炎リスクが高まる点にあります。歯周病は歯茎や歯の周囲の組織に炎症を引き起こす疾患で、口腔内の細菌が増殖しやすくなります。これらの細菌が誤って呼吸器に入ると、誤嚥性肺炎のリスクが高まる可能性があります。歯周病と誤嚥性肺炎の関係は、口腔内の状態が呼吸器系統に影響を及ぼすという点で深く関連しています。歯周病によって引き起こされる炎症が口腔内の微生物のバランスを崩し、細菌が増殖しやすくなります。これにより、口腔内の病原菌や炎症が肺に到達するリスクが増加します。

誤嚥性肺炎は、生活環境や健康状態に応じてリスクが異なりますが、特に高齢者や免疫力が低下している人、誤嚥や嚥下障害のある方にとって重要なリスク要因と言えます。歯周病が進行すると、口腔内の環境が細菌の繁殖を促進し、それが誤嚥性肺炎の原因となる可能性があります。

誤嚥性肺炎の予防

予防的には、歯周病の予防と治療が重要です。定期的な歯科検診や歯磨き、歯間清掃、口腔ケアの習慣化が重要です。また、水分補給や食事の際には姿勢や飲食方法にも注意を払うことで、誤嚥を防ぐことができます。

慢性腎臓病

腎臓の機能低下に関連する病気の総称です。腎臓内部の糸球体という組織が壊れて、血液のろ過機能が低下し、炎症を起こしたりする病気です。糖尿病や高血圧と関係が深く、動脈硬化などの生活習慣とリンクします。

慢性腎臓病と歯周病の関係性

炎症性サイトカインによる血管障害が起こり、動脈硬化や高血圧症状を招くことで腎機能が低下します。歯周病は口腔内の細菌感染症であり、炎症が全身に影響を及ぼす可能性があります。特に、研究によると歯周病が慢性腎臓病の進行を加速させるという報告もあります。

逆に、慢性腎臓病を患っている人は、免疫力が低下する傾向があるため、歯周病にかかりやすくなる場合があります。そのため、口腔衛生に注意を払い、歯周病を予防したり早期に治療することが重要とされています。

まとめ

歯周病と全身疾患のつながりは、口腔内の炎症が全身に影響を及ぼす可能性があります。歯周病の進行により口腔内の細菌が体内に侵入し、全身に炎症反応を引き起こすことが考えられます。定期的な歯科検診や適切な歯磨き、歯周病の早期発見が重要になります。

辻中歯科医院では2階で歯のクリーニングを行っておりますので、皆様ご来院頂ければと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

2024年05月19日 00:00