マウスピース矯正で受け口改善!費用や治療期間、注意点も

こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。
「受け口を透明で目立ちにくいマウスピース矯正で改善できたらいいのに」と考えている方もいらっしゃるでしょう。そもそも、受け口はマウスピースで治療できるのでしょうか。 治療が可能であるなら、費用や治療期間なども気になるのではないでしょうか。
今回は、マウスピース矯正による受け口の改善について詳しく解説します。費用や治療期間、治療を受けるときの注意点などについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
受け口とは

受け口は、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態です。反対咬合や下顎前突ともいいます。見た目に影響を与えるだけでなく、咀嚼や発音などの機能面にも支障をきたすことがあります。
受け口には、歯槽性下顎前突と骨格性下顎前突の2つのタイプがあります。歯槽性の受け口は、歯の位置や傾きによって噛み合わせが逆転している状態です。例えば、下の前歯が前方に傾いて生えている、または上の前歯が内側に傾いて生えている場合などが該当します 。
骨格性の受け口は、下顎の骨が過剰に成長している、または上顎の成長が不足していることにより、上下の顎のバランスが崩れている状態です。歯列矯正だけでは改善が難しいことが多いです 。
受け口を放置するリスク

受け口を放置することには、次に挙げるようなリスクがあります。
見た目の問題
受け口は、顔の輪郭や口元の印象に影響を与えます。鼻先と顎先を結んだEラインが崩れ、しゃくれ顔といわれることもあります。このような見た目は、本人の自己肯定感や自信に影響を及ぼし、特に思春期の子どもや若年層ではコンプレックスになりやすいです。
咀嚼機能の問題
受け口の状態では、上下の前歯が正常に噛み合わないため、食べ物を前歯でうまく噛み切ることが難しくなります。その結果、食事の際に咀嚼が不十分となり、消化器官に負担がかかる可能性があります。
虫歯や歯周病になりやすい
受け口は歯並びが乱れているため、歯磨きがしにくく、歯と歯の間や歯茎周辺に汚れがたまりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、前歯での咀嚼が難しいため、他の歯に負担がかかり、摩耗や損傷につながることがあります。
顎関節への負担
受け口による噛み合わせの異常は、顎関節にも影響を及ぼします。正常な噛み合わせでは、顎関節にかかる負担が均等に分散されますが、受け口の状態ではこうしたバランスが崩れています。
顎関節に過度な負荷がかかった結果、顎関節症を発症することもあります。顎関節症は、口を開ける際の痛みや開口障害、関節音といった症状が特徴で、頭痛や肩こりの原因にもなります。
マウスピース矯正で受け口は改善できる?

受け口はマウスピース矯正で改善できる場合と、改善が難しい場合があります。それぞれについて、どのようなケースが当てはまるのか見てみましょう。
改善できる場合
マウスピース矯正で治せるのは、歯の位置や角度によって受け口になっている場合です。顎の骨自体には大きな問題がなく、歯の傾きや並び方によって前歯が反対にかみ合っているケースであれば改善を期待できます。
歯槽性の受け口は、顎の骨格には大きな異常がないものの、前歯の傾きや歯列の乱れが原因で受け口になっている状態を指します。歯槽性の受け口の場合はマウスピース矯正で歯の向きを整えたり、歯列全体を少しずつ動かしたりすることで、改善できるでしょう。
改善が難しい場合
マウスピース矯正だけでは治療が困難な受け口もあります。それは、顎の骨格そのものに問題がある場合や、必要な歯の移動距離が大きすぎる場合です。
骨格性の受け口は、下顎が過剰に発達していたり、上顎の成長が不十分だったりすることで、骨格自体のバランスが崩れている状態です。横顔を見たときに下あごが大きく前に突き出していたり、上あごが引っ込んで見えたりするのが特徴です。
このような骨格性の受け口は、歯を動かしても根本的な改善にはならないので、マウスピース矯正のみでの治療は困難です。
また、歯槽性の受け口であっても、歯の移動距離が大きすぎる場合や、複数の歯が大きくずれている場合は、マウスピース矯正だけでは改善に限界があります。ワイヤー矯正や外科的な治療との併用が必要になることがあります。
マウスピース矯正で受け口を治すメリット

マウスピース矯正で受け口を治すメリットを見てみましょう。
見た目が改善する
受け口を治療することで噛み合わせのバランスに整うため、顔貌が大きく改善されます。下顎の突出感が緩和され、横顔のラインがより自然で美しいシルエットに変わります。こうした見た目の変化は、日常生活における自信にもつながります。
バランスよく噛めるようになる
受け口を改善することで、食べ物をしっかり噛み切ったり、細かく噛み砕いたりできるようになります。また、噛み合わせが改善されることで、顎関節への負担も軽減され、顎関節症のリスクが低下します。
歯磨きがしやすくなる
歯並びが乱れていると、食べかすや歯垢が残りやすくなります。矯正治療によって歯並びが整うと効果的な歯磨きが可能になります。これにより、磨き残しによる虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。
また、歯並びが整い、効果的な歯磨きができるようになると、口の中の細菌の数が減って口臭の抑制につながります。
発音が改善する
受け口の状態では、上下の前歯の間に隙間ができることが多く、隙間から空気が漏れやすいです。これにより、正確な発音が妨げられることがあります。
歯並びが整うと、これまで苦手だった音もはっきりと発音できるようになり、滑舌が向上します。
マウスピース矯正で受け口を治す場合の注意点

マウスピース矯正は、歯の傾きや位置の問題による軽度から中等度の受け口に対して効果的です。
一方、骨格に起因する重度の受け口には適していません。そのような場合、外科的な治療やワイヤー矯正との併用が必要です。マウスピース矯正の適応にならない受け口があることを知っておきましょう。
マウスピース矯正で治療できる場合でも、装着時間が不足するとよい結果は得られません。マウスピース矯正では、1日20時間以上の装置の装着が求められ、食事や歯磨きのとき以外は、基本的に装着しておく必要があります。
装着時間が不足すると、計画通りに歯が移動せず、治療期間が長くなります。
また、マウスピース矯正中は、口の中を清潔に保つことが大切です。食事後は必ず歯磨きを行い、マウスピースを清潔な状態で装着しましょう。
マウスピース矯正は保険適用外の自費診療となるため、高額になりやすい点にも注意が必要です。治療前に複数の歯科医院でカウンセリングを受けたり、見積もりを比較したりするとよいでしょう。
マウスピース矯正で受け口を治す場合にかかる費用

マウスピース矯正による受け口治療の費用は、60万〜100万円が目安になります。
ただし、受け口の程度によって治療方法や費用は変わります。特に、骨格の問題が原因の場合はマウスピース矯正だけでは改善が難しく、外科手術を併用する必要があるケースもあります。このような場合は、治療費が高額になります。
また、治療中にマウスピースの再作製が必要になったり、追加の調整が必要になったりする場合などは、当初の予定よりも多くの費用がかかります。
マウスピース矯正で受け口を治す場合にかかる期間

マウスピース矯正による受け口の治療にかかる期間は、一般的に1年〜3年程度が目安とされています。
ただし、マウスピースの装着が短いと期待していた治療効果が得られず、治療期間が延びる可能性があります。また、治療中に計画の変更や追加の調整が生じた場合なども治療期間が長くなります。
まとめ

受け口は外見の悩みにつながるだけでなく、虫歯や歯周病になりやすかったり、顎の骨に負担をかけて顎関節症を発症したりといったリスクがあります。
受け口はマウスピース矯正によって改善が期待できますが、症例によってはマウスピース矯正のみでは治療できないことがあります。受け口には歯槽性の受け口と骨格性の受け口があり、マウスピース矯正は前者の改善は可能ですが、後者の改善は難しいと考えられています。
マウスピース矯正によって治療ができるかどうかを判断するには、歯科医院での検査と診断が必要です。マウスピース矯正を扱っている歯科医院でカウンセリングを受け、相談してみましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら、仮予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。