医療法人良光会 辻中歯科医院

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辻中歯科医院 歯のコラム

歯周病のメカニズムとは?原因と進行過程、予防法などを紹介!

こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。

「歯茎が赤く腫れている」「歯磨きをすると歯茎から血が出る」「口臭が気になる」などの症状はありませんか。これらの症状は、歯周病が原因で起きているかもしれません。

歯周病は、15歳以上の半数以上に症状が認められるほど、多くの方が罹患している病気です。

しかし、初期段階では自覚症状が少ないため、歯周病にかかっていることに気づきにくく、症状が出るころには病気が進行しているケースも珍しくありません。進行すると歯を失うリスクが高まるだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、歯周病になる原因や症状、進行過程について解説します。セルフチェックの方法や治療方法、予防法もご紹介するので、歯周病について正しく理解して早めのケアを始めましょう。

歯周病のメカニズム

歯周病のメカニズムのイメージ

歯周病は、細菌感染により歯茎や歯を支える骨などの組織が炎症を起こす病気です。

歯をしっかり磨けていないと、歯の表面にはプラーク(歯垢)と呼ばれる白くてねばねばしたものが形成されます。プラークはお口の中の細菌が繁殖して塊になったもので、この中には歯周病の原因菌をはじめとした数多くの細菌が存在し、歯肉に炎症を引き起こすのです。

また、プラークが付着したまま時間が経つと、石灰化して歯石になります。歯石の表面は軽石状でデコボコしているため、プラークが付着しやすい状態です。

プラークは歯磨きで除去できますが、歯石は自力では除去できません。そのため、歯科医院で除去してもらう必要がありますが、放置するとどんどん細菌が繁殖して歯周病が進行します。

歯周病の症状・進行過程

歯周病の症状や進行に悩む女性

歯周病の進行は次の4つの段階に分けられます。ここでは、各段階で生じる症状について解説します。

歯肉炎

歯肉炎とは、プラークの蓄積によって歯茎に炎症が生じている状態です。歯茎が赤く腫れたり、歯磨きの際に歯茎から出血したりします。

歯肉炎で炎症を起こしているのは歯茎のみで、強い痛みを感じることはほとんどないので、気づかない方も多いです。この段階であれば、日々のセルフケアを見直してプラークをしっかり除去することで、症状を改善できる可能性が高いです。

 軽度歯周炎

歯肉炎が進行すると、炎症が歯茎だけでなく歯根膜や歯を支える骨などの歯周組織にまで広がり、歯周炎へと進行します。歯周炎になると、歯茎以外の歯周組織の吸収が始まります。

軽度歯周炎では、歯茎が赤く腫れたり出血したりする症状が悪化します。また、歯周ポケットの深さは4mm程度まで深くなり、さらに細菌がポケット内に侵入しやすくなるでしょう。

痛みは少なく、正しいブラッシングや歯科医院でのクリーニングを行えば、改善できる可能性があります。

中等度歯周炎

中等度歯周炎ではさらに歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨の吸収も進行します。症状としては、歯茎の腫れや出血だけでなく、膿が出たり骨の吸収が進行して歯がぐらつき始めたりすることが挙げられます。

この段階で気づいて歯科医院を受診する方が多いですが、放置するとさらに進行して重度の歯周炎になります。

重度歯周炎

歯周病が重度にまで進行すると、歯周ポケットの深さは5mm以上と非常に深くなります。歯を支える骨が破壊されると歯茎の位置も下がり、歯が長くなったように見えることもあるでしょう。

歯肉の強い炎症や持続的な出血、膿の排出の症状が悪化し、歯槽骨の吸収が大きく進行するため歯の動揺も症状として挙げられます。歯が抜け落ちる可能性も高まるため、早期の治療が必要です。

場合によっては外科的処置を行うこともあるでしょう。

歯周病のセルフチェック法

歯周病のセルフチェックで口臭が気になるイメージ

歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、気づきにくい病気です。以下のセルフチェック方法を参考に、歯周病の兆候を見逃さないようにしましょう。

歯茎の色や形を確認する

健康な歯茎はピンク色ですが、赤く腫れていたり赤紫になっていたりする場合、炎症が進行している可能性があります。

また、歯と歯の間の部分の歯茎の形は通常シャープな三角形でハリがありますが、歯周病になると炎症が起き、三角形の先端が丸くなるでしょう。歯磨きの際などに、鏡で確認してみてください。

出血の有無を確認する

歯周病になると、歯ブラシやフロスを使用した際などに少しの刺激で出血します。歯茎からの出血は、歯周病の典型的な症状の1つです。

口臭の有無を確認する

口臭が発生する原因は、体調の変化や口腔内に残った食べカス、唾液の減少などさまざまですが、歯周病の場合もあります。歯周病で口臭が発生する主な原因は、歯周ポケット内に繁殖した歯周病菌が発生させるガスや、歯茎から出る血や膿などです。

歯のグラつきの有無を確認する

歯周病が進行すると歯周組織が破壊されるため、歯が不安定になります。歯がグラグラしたり、最悪の場合は抜けたりすることもあるでしょう。

また、歯茎の位置が下がり、歯が以前より伸びたように感じることもあります。

歯周病の治療法

歯周病の治療でセルフケアを教わる男性

歯周病の治療は進行度に応じて異なります。以下に、一般的な治療法を紹介します。

歯肉炎の治療方法

歯肉炎の段階では、ご自身で行う毎日のセルフケアで徹底的にプラークを除去することが治療の基本です。加えて、歯科医院で行うスケーリング(歯石の除去)などで、セルフケアでは落としきれない汚れを除去することで、歯茎の健康を取り戻せる可能性が高まります。

歯周炎の治療方法

歯周炎まで進行すると、セルフケアやスケーリングのほかにも、症状や状態に応じて次のような治療が行われます。

ルートプレーニング

歯石は、歯茎の上だけでなく、外からは見えにくい歯周ポケット内にも蓄積されます。ルートプレーニングでは、歯周ポケット内に付着した歯石や歯垢を専用の機械を用いて除去し、歯根の表面を滑らかにします。

ルートプレーニングで歯根の表面が滑らかになることで、細菌の再付着を防いで歯茎の再生を促進できるでしょう。主に、中等度以上の歯周病で行われます。

噛み合わせの調整

歯周病が進行して歯が動き、噛み合わせが変化することがあります。一部の歯が強く噛み合っている場合などは、噛み合わせを調整することで歯にかかる負担を軽減し、歯周病の進行を防ぎます。

歯周外科治療

歯周病が進行し、セルフケアや通常の歯周病の治療だけでは改善しない場合には、外科的な治療が行われることがあります。例えば、歯茎を切開して歯根部に付着した歯石を除去する手術や、骨が破壊された部分に対して新しい組織の再生を促す再生療法などがあります。

治療法は歯周病の進行度に応じて選択されますが、骨が大きく破壊され回復が見込めない場合は、抜歯が行われることもあります。

また、患者様の身体の状態や服用している薬によっては、外科処置ができません。

抗生物質の投与

細菌感染が進行している場合には、抗生物質の投与が行われることがあります。細菌の繁殖を抑えて炎症を軽減する効果が期待できます。

しかし、抗生物質の投与のみでは治療できないので、他の治療方法と併用するのが一般的です。

歯周病の予防法

歯周病予防のために歯磨きを頑張る女性

歯周病を予防するためには、以下の方法が有効とされています。

セルフケアを徹底する

プラークをセルフケアで取り残さないことが、歯周病予防の基本です。歯ブラシだけでは落としきれない歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを使用すると効果的に除去できます。

徹底したセルフケアを毎日の習慣に取り入れることで、プラークの蓄積を防ぎ、歯周病を予防しやすくなります。

生活習慣を改善する

歯周病予防には、生活習慣の見直しも重要です。例えば、喫煙は歯周病のリスクを高め、治療効果を低下させる原因にもなります。そのため、禁煙すれば、歯周病の発症や進行を防ぐことにつながるでしょう。

また、食生活を整えるのも重要です。ビタミンCやカルシウムを豊富に含む食品を摂ることで、歯と歯茎の健康維持に役立ちます。

他にも、ストレスが高まると免疫力が低下し、歯周病のリスクが増加します。適度な運動やリラックス法を取り入れ、ストレスを上手にコントロールすることも大切です。

定期的に歯科検診を受ける

定期的な歯科検診も、歯周病予防には欠かせません。歯科医院でのケアにより、自力では取りきれないプラークや歯石を除去できるだけでなく、歯周病の早期発見と治療が可能です。

また、歯科衛生士によるブラッシング指導でセルフケアの質も向上できるため、より歯周病を予防できるようになるでしょう。

まとめ

歯周病のメカニズムを知り歯科検診を受ける男性

歯周病は、初期段階では自覚症状が少ないため、気付かないうちに進行しやすい病気です。歯周病の原因になる細菌の増殖は、毎日のセルフケアである程度は抑えることができますが、進行するとセルフケアだけでは対応できなくなります。

そのため、この記事で紹介した歯周病のメカニズムや進行過程、セルフチェック法を理解し、早期に歯科医院を受診して適切な処置を受けることが大切です。

歯茎の健康を保つことは、口腔内だけでなく全身の健康にも良い影響を与えます。日々の正しいセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスで、歯周病を予防しましょう。

歯周病の治療を検討されている方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら仮予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。

2024年11月22日 12:00

プレオルソとは?治療できる歯並びとメリット・デメリット、費用と期間

こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。

子どもの矯正治療を検討して歯科医院を受診したときに、プレオルソをすすめられたという保護者の方がいるのではないでしょうか。

しかし、プレオルソとはどのようなものなのかわからないという方もいるでしょう。プレオルソには、ほかの矯正方法にはない特徴があります。よく理解したうえで、プレオルソで治療するべきか検討することが大切です。

今回は、プレオルソのメリット・デメリットや費用、治療期間などについて解説します。お子さんの矯正方法としてプレオルソを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

プレオルソとは

プレオルソと歯列模型

プレオルソとは、小児矯正で用いられる取り外しが可能なマウスピース型の矯正装置のことです。プレオルソは歯を動かすものではありません。プレオルソを装着して口周りの筋肉のバランスを整えることで歯が正しい位置に並ぶように促します。

矯正装置は柔らかくお口にフィットしやすい素材でできているため、小さなお子さんでも痛みを感じにくく、続けやすいでしょう。

プレオルソの適応年齢

プレオルソは、乳歯から永久歯に生え変わる3〜10歳頃のお子さんを対象としています。12歳以降になると顎の成長が止まるため、思うような効果が得られない可能性があります。

顎の成長には個人差があるため、適応年齢ではない場合でも治療を受けられるケースもあります。まずは、歯科医院で相談するとよいでしょう。

プレオルソの使用方法

プレオルソは着脱が可能な装置で、装着するのは日中の1時間と就寝中のみです。保育園や幼稚園、小学校などに装着していく必要がないため、矯正装置による見た目のコンプレックスや破損・紛失のリスクも軽減できるでしょう。

また、装置を取り外せるため、ふだんどおりに食事や口腔ケアもできます。

プレオルソで治療できる歯並び

プレオルソで治療できる上顎前突の少女

プレオルソで治療できる歯並びには、以下のようなものがあります。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突とは、下の歯よりも上の歯が大きく前に出ている状態のことで、出っ歯とも呼ばれます。

上顎前突の原因としては遺伝によるものも考えられますが、指しゃぶりや爪を噛む癖、下で上の前歯を押す癖、口呼吸などが影響していることも考えられるでしょう。そのほか、骨格に問題があって引き起こされることもあります。

下顎前突(かがくぜんとつ)

下顎前突とは、上の歯よりも下の歯が前へ突き出した状態のことで、受け口とも呼ばれます。受け口は、上顎が小さすぎたり下顎が成長しすぎていたりすることで引き起こされます。

顎の成長が止まってから治療を行うこともできますが、場合によっては外科手術が必要になることも考えられるでしょう。上顎前突は見た目の問題だけでなく、咀嚼力や発音などに影響を及ぼすこともあります。

叢生(そうせい)

叢生とは、部分的に歯と歯が重なり、凸凹した歯並びのことで、乱ぐい歯とも呼ばれます。

叢生は、顎の大きさと歯の大きさのアンバランスさによって引き起こされることが多いです。幼少期の指しゃぶりや舌を噛む癖、虫歯による乳歯の早期脱落などが原因となることもあります。

噛み合わせが乱れているため咀嚼力が低下し、消化不良を引き起こしやすくなります。また、歯と歯が重なり合っていると歯磨きがしにくいため、虫歯になるリスクも高まります。

開咬(かいこう)

開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに上下の前歯にすき間ができる状態のことを指し、オープンバイトとも呼ばれます。

前歯で食べ物を噛み切りにくくなるため、消化不良を引き起こすことがあります。また、口を閉じにくくなるため、口腔内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなることも考えられるでしょう。その結果、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

過蓋咬合(かがいこうごう)

過蓋咬合とは、奥歯を噛み合わせたときに上の歯が下の歯を過剰に覆う状態のことで、ディープバイトとも呼ばれます。

噛み合わせが深いことで下の歯が上の前歯の根元に当たると、顎の動きが制限されて顎の関節に痛みが生じたり、噛むたびに歯ぐきが傷ついたりすることも考えられるでしょう。また、出っ歯やガミースマイルを引き起こす可能性もあります。

プレオルソのメリット・デメリット

プレオルソのメリット・デメリットイメージ

ここからは、プレオルソのメリット・デメリットについて解説します。

プレオルソのメリット

プレオルソのメリットは、以下の通りです。

痛みが少ない

プレオルソはやわらかいポリウレタン製の素材でできているため、装着時の痛みが少ないです。また、プレオルソは歯を動かすものではありません。口周りの筋肉のバランスを整えて歯が正しい位置に生えてくるように促すので、痛みが少ないのです。

そのため、小さなお子さんでも抵抗なく使用できるでしょう。

取り外しができる

プレオルソは取り外しができる装置です。そのため、ふだんどおりに食事ができます。また、装置を取り外して歯磨きもできるため、虫歯や歯周病になるリスクも軽減できるでしょう。

口周りの筋肉のバランスを整えられる

プレオルソを使用することで、口周りの筋肉のバランスを整えることが可能です。唇や顎周りの筋肉が鍛えられることにより、口呼吸や舌癖なども治りやすくなるというメリットがあります。

早期に口周りの筋肉のバランスを整えることによって、将来的に歯並びや噛み合わせが乱れるリスクを回避することにつながるでしょう。

プレオルソのデメリット

プレオルソにはメリットだけでなくデメリットも存在します。プレオルソを検討している保護者の方は、メリットとデメリットの両方を理解したうえで治療を受けるか検討しましょう。

夜間の装着に慣れるまで時間がかかる

プレオルソは日中1時間と就寝時に装着するマウスピース型の矯正装置です。就寝時は8時間ほど装着しなければならず、慣れるまで時間がかかるでしょう。

特に、装着を始めて間もないうちは装置が気になって寝付けなかったり、無意識のうちに外そうとしたりすることもあるかもしれません。

装着時間が不足すると効果が得られない

自由に着脱できることはプレオルソのメリットでもありますが、装着時間を守らないと効果を得られない可能性があります。子どもの理解と保護者の方の協力が必要不可欠な治療なのです。

お子さんに矯正治療の重要性を説明し、納得してもらうことで、スムーズに治療を進められるでしょう。

プレオルソの費用と期間

プレオルソの費用と期間イメージ

お子さんの矯正方法としてプレオルソを検討している保護者の方のなかには、治療にかかる費用や期間が気になっている方もいるでしょう。ここでは、プレオルソの費用や治療期間について解説します。

プレオルソの費用

プレオルソは特定の症例を除いて保険適用外の治療となるため、歯科医院によって費用は異なります。一般的な目安としては、3万〜20万円ほどです。

プレオルソはオーダーメイドのマウスピースを作製するのではなく、既製品のマウスピースのなかからお子さんのお口の状態に合ったものを選択します。型取りや作製にかかるコストを抑えられるため、低価格で治療を受けることが可能です。

なお、プレオルソのみで治療が終了するケースもあれば、ワイヤー矯正やマウスピース矯正に移行するケースもあります。その場合には、別に費用がかかることを理解しておきましょう。

プレオルソの治療期間

プレオルソの治療期間は患者さんのお口の状態によって異なりますが、一般的には1年〜1年半程度が目安となります。プレオルソの装着を怠ると計画どおりに治療が進まず、治療期間が延びる可能性があるため注意しなければなりません。

まとめ

プレオルソにて歯並びがきれいになった少女

今回は、プレオルソのメリット・デメリットや費用などについて解説しました。

プレオルソとはマウスピース型の矯正装置です。口周りの筋肉のバランスを鍛えることで間接的に歯並びが整うように促します。プレオルソは日中1時間と就寝中に装着します。一般的なマウスピース矯正とは異なり、装着時間が短いのが特徴です。

とはいえ、装着時間を守らないと計画どおりに治療が進まなくなる可能性があります。装置に慣れるまではお子さんが嫌がったり就寝中に無意識に外したりすることも考えられるため、保護者の方のサポートが必要不可欠です。

プレオルソについて詳しく知りたい方や治療を受けるか迷っている方は、一度歯科医院で相談するとよいでしょう。

小児矯正を検討されている方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら仮予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。

2024年11月15日 12:00

インビザライン・ファーストの特徴は?費用と期間、メリットとデメリット

こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。

お子様の歯並びに関して悩まれている方も多いのではないでしょうか。インビザライン・ファーストは、成長期の子ども向けに設計されたマウスピース型矯正装置です。目立たず、取り外しも可能で、食事や歯磨きがしやすいのが特徴です。

この記事では、インビザライン・ファーストの特徴や治療の適応症例、費用、期間、メリットとデメリットについて詳しく解説します。矯正治療の選択肢を広げる上で、ぜひ参考にしてください。

インビザライン・ファーストの特徴

インビザライン・ファーストのマウスピースを持っている子ども

インビザライン・ファーストは、成長期の子ども向けに開発された、透明なマウスピース型の矯正治療です。主に乳歯から永久歯に生え変わる時期に使用し、あごの自然な成長を利用しながら歯並びを整えます。

ワイヤーや金具を使わないため目立ちにくく、取り外しも可能なため食事や歯磨きがしやすいのがメリットです。3Dスキャンを用いて精密に治療計画を立てるため、治療の進行やゴールが視覚的にわかることも特徴でしょう。

他の小児矯正の方法との大きな違いは、顎の拡大と歯の移動を同時に行えることです。小児矯正は、歯を並べるためのスペースを確保するために顎の拡大を行ってから、別の装置で歯を移動させて歯並びを整えるという流れで進むのが一般的です。

しかし、インビザライン・ファーストでは2つの治療を同時に進められるので、治療期間を短縮できたり、費用の負担を抑えられたりするのです。

インビザライン・ファーストで治療できる症例・できない症例

インビザライン・ファーストで治療できる症例・できない症例イメージ

インビザライン・ファーストは、歯並びの問題に対して効果的にアプローチできる一方で、治療が難しいケースもあります。ここでは、治療できる症例とできない症例について詳しく解説します。

治療できる症例

インビザライン・ファーストで治療できるとされている症例は、以下のとおりです。

軽度の叢生(そうせい)

叢生とは、歯が重なり合ってガタガタしている状態です。インビザライン・ファーストで顎を拡大することで、歯がきれいに並ぶスペースを確保できます。

反対咬合(受け口)

反対咬合は、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です。一般的には受け口と呼ばれています。

見た目や発音、噛む力に影響を与えるため、インビザライン・ファーストによって顎の成長を調整正常な咬み合わせを目指します。

すきっ歯

隣り合う歯の間に大きなすき間がある状態です。歯と歯の間に食べかすが詰まりやすく、虫歯や歯周病のリスクを高めます。

インビザライン・ファーストで歯列を整え、すき間を詰めて改善します。

過蓋咬合(ディープバイト)

上の前歯が、下の前歯を覆い隠すほど噛み合わせが深い状態です。このような噛み合わせでは顎の動きが制限され、顎関節に負担がかかりやすくなります。

顎関節症の原因になることも多いため、インビザライン・ファーストにより顎への負担を軽減しながら、正常な咬み合わせを目指します。

開咬(オープンバイト)

奥歯を噛んだ時に、上下の前歯に隙間が生じる状態です。前歯で食べ物を噛み切ることが難しくなるため、奥歯や顎の関節に負担がかかりやすくなります。

治療できない症例

インビザライン・ファーストは、すべての症例に適応できるわけではありません。次のような場合には、他の矯正方法や外科的処置が必要になることがあります。

骨格に原因がある重度の出っ歯や受け口

骨格の成長が関与する重度の歯並びの問題は、インビザライン・ファーストだけで改善するのが難しい場合があります。このようなケースでは、外科的な治療が検討されるケースが多いです。

マウスピースの管理が難しい場合

インビザライン・ファーストでは、食事や歯磨き以外の時間はマウスピースを装着することが求められます。マウスピースの装着が不十分な場合、矯正力が効果的に働かず治療が進みません。

治療には子ども自身の協力が必要であり、管理が難しい場合には適応が難しいといえます。

保護者のサポートが難しい場合

インビザライン・ファーストによる矯正は、装着時間の管理や適切なケアが不可欠です。保護者のサポートが得られない場合、装置の装着時間が足りずに治療効果が得られない可能性が高いでしょう。

適切にサポートできないと判断された場合、別の矯正方法を勧められることがあります。

インビザライン・ファーストの費用

インビザライン・ファーストの費用イメージ

インビザライン・ファーストの治療費用は、一般的に45万円から80万円程度とされています。実際の金額は、歯並びの状態や治療を行う歯科医院によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

複雑な症例の場合は、追加費用がかかることもあるため、治療費が気になる場合は相談してみてください。カウンセリングの際に、具体的な金額やオプションを確認するとよいでしょう。

また、治療開始時に予定される期間や費用が設定されますが、予定よりも治療が長引いた場合には追加で費用がかかる可能性があります。こうしたケースでは、新しいマウスピース作成の費用が発生することもあるため、事前に追加費用の条件についても確認しておきましょう。

インビザライン・ファーストの期間

インビザライン・ファーストの期間イメージ

インビザライン・ファーストの治療期間は、一般的に約1年半が目安とされています。治療中は、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら、定期的に歯科医師のチェックを受けます。

毎日20時間以上の装着が推奨されており、装着時間が短いと治療効果が得られにくくなるため、指示を守ることが大切です。約1年半の治療が完了すると、保定期間に入ります。

保定期間では永久歯がすべて生え揃うのを待ち、その後の歯並びを見て必要であれば成人矯正へ移行します。

インビザライン・ファーストのメリットとデメリット

インビザライン・ファーストのメリットとデメリットイメージ

インビザライン・ファーストは優れた矯正方法ですが、治療にはメリット・デメリットの両方があります。インビザライン・ファーストを検討する上で、しっかりと理解を深めておきましょう。

メリット

まずは、インビザライン・ファーストの具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。

治療中であることが目立たない

インビザライン・ファーストは、透明なマウスピースを使用します。そのため、矯正装置が目立ちにくく、見た目によるストレスが少ないことから治療に対する抵抗感も軽減されます。

痛みが少ない

インビザライン・ファーストは、歯を少しずつ動かしながら治療を進めていくため、一般的なワイヤー矯正に比べて痛みが軽減される傾向があります。お子様も負担を感じにくく、スムーズに治療を進めやすいです。

お手入れしやすい

マウスピースは取り外しが可能なので、食事や歯磨き時に外せます。装置に食べ物が詰まることもなく、通常のケアが可能で虫歯予防にも効果的です。

食事の制限が少ない

食事時にマウスピースを取り外せるため、ワイヤー矯正のように特定の食材を避ける必要がありません。普段通りの食事を楽しめるため、お子様のストレスを軽減できます。

スポーツや楽器の演奏も可能

マウスピースを取り外すことで、スポーツや楽器の演奏も問題ありません。習い事や趣味と両立できるので、多感な時期の生活に支障が出にくいこともメリットです。

デメリット

長期的なメリットが多い一方で、装着時間の長さなどがデメリットになります。治療が計画通りに進まないことも考えられます。

ここでは、インビザライン・ファーストのデメリットについて解説します。

適応条件がある

インビザライン・ファーストには年齢や成長段階に応じた適応条件があります。希望するすべての方が受けられる治療ではありません。

歯科知識のない方が判断するのは難しいので、検討している方は早めに相談してみるとよいでしょう。

装着時間が長い

インビザライン・ファーストで使用するマウスピースは、1日20~22時間の装着が推奨されています。食事や歯磨き以外の時間は、基本的に装着し続ける必要があります。

規定の装着時間を守らないと歯の移動が進まないため、治療が長引く可能性があります。

紛失のリスク

外食時などにマウスピースは取り外した際、紛失するリスクもあります。ケースでの保管を習慣化する必要があります。

まとめ

インビザライン・ファーストで綺麗な歯並びになった子ども

インビザライン・ファーストは、成長期の子どもに行う透明マウスピース型の矯正治療です。目立たず快適な装着感が魅力です。軽度の叢生や反対咬合、すきっ歯などの改善に効果的ですが、治療には適応条件があります。

治療費は一般的に45万円から80万円程度で、約1年半の期間が目安です。特に、食事の制限が少なく、日常生活に支障をきたさない点から選ばれています。

子どもの歯並びを整えたいと考える方は、ぜひインビザライン・ファーストの詳細をチェックしてみてください。

インビザライン・ファーストを検討されている方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら仮予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。

2024年11月08日 12:00

虫歯のメカニズムとは?原因と進行過程、予防方法、痛む理由を紹介!

こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。

どうして虫歯になるのか、そのメカニズムが気になっている方がいるのではないでしょうか。また、虫歯はどのように進行するのかも気になるところです。

この記事では、虫歯のメカニズムについて解説します。虫歯の原因や進行過程、予防方法についても解説しますので、虫歯になりやすい方や虫歯にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

虫歯のメカニズムとは?

虫歯になった歯

お口の中にいる虫歯の原因菌は、歯に付着した食べかすに含まれる糖分をエサにして増殖し、歯垢(プラーク)を作ります。細菌の塊である歯垢が糖分を分解して酸を作り出し、歯の表面にあるエナメル質を溶かしていきます。

この現象が脱灰です。脱灰が進むと、歯に穴があいて虫歯となります。虫歯によって歯に穴があくと元に戻らないため、治療が必要です。

虫歯の代表的な原因

複数のお菓子

虫歯は、以下の3つの要因が重なり合って発生します。どれか一つだけで虫歯ができるわけではありません。

細菌

お口の中には、虫歯の原因となるミュータンス菌をはじめ、多くの種類の細菌がすみついています。このミュータンス菌は、食べかすに含まれる糖分をエサにして歯垢を作り、糖分を分解して酸を出します。この酸が歯の表面を溶かすことで虫歯が進んでいきます。

糖分

甘いものと虫歯は密接に関わり合っています。ミュータンス菌は糖分を分解して酸を作り出し、歯の表面を溶かしていきます。ミュータンス菌のエサとなる糖分が多く含まれる甘いものを頻繁に食べる方や間食が多い方は、虫歯になるリスクが高いと覚えておきましょう。

歯質

歯質は、生まれつきの体質や成長環境によって一人ひとり異なります。エナメル質や象牙質の硬さにも個人差があり、歯が丈夫な方は虫歯になりにくく、歯質が弱い方は虫歯になりやすいのです。

特に、乳歯や生えて間もない永久歯は、歯質がまだ柔らかいので虫歯になりやすい傾向があります。

虫歯の進行過程

虫歯になった歯

では、虫歯はどのように進行するのでしょうか。ここでは、虫歯の進行過程について解説します。

C0(初期虫歯)

C0は、歯の表面がわずかに溶けた初期虫歯で、まだ穴はあいていません。歯の表面のカルシウムが溶け出すことで、ツヤが失われ、濁った白色や薄い茶色に見えます。初期虫歯をそのまま放置すると進行するため、定期的に歯科検診を受ける必要があります。

初期虫歯の場合は、しっかりと歯磨きをしたり、フッ素を塗布して再石灰化を促したりして、虫歯の進行を防ぎます。

C1(エナメル質の虫歯)

C1は、エナメル質が溶かされ、小さな穴があいている状態です。虫歯部分が黒っぽく見えることもあります。痛みやしみるといった自覚症状はほとんどありません。C1の虫歯の場合は、虫歯部分を削って、歯科用プラスチックを詰める治療が行われることが一般的です。

C2(象牙質の虫歯)

C2は、虫歯が象牙質にまで進んだ状態です。冷たいものや熱いもの、甘いものを口にしたときに歯がしみることがあります。噛んだときに痛みを感じることもあるため、この状態になって虫歯に気づく方も多いでしょう。

C2の虫歯の場合は、虫歯部分を削って詰め物を詰める治療を行います。

C3(神経にまで進行した虫歯)

C3は、虫歯が歯の神経にまで進行した状態です。ズキズキとした強い痛みを感じるため、日常生活にも大きな影響が出る場合があります。この状態を放置すると、歯の根の先まで感染が広がり、最終的に神経が死ぬこともあります。

虫歯が歯の神経にまで達した場合は、根管治療を行います。根管治療とは、歯の神経や血管が含まれる歯髄を除去し、根管内を洗浄・消毒する治療です。根管内の細菌を取り除いたら、土台を立て、被せ物を装着して歯の機能を回復させます。

C4(歯根にまで進行した虫歯)

C4は、歯の大部分が溶けてなくなり、歯根だけが残っている状態です。神経はすでに死んでいるため痛みはありませんが、歯の根の先には膿が溜まっている状態なので治療が必要です。

しかし、歯の状態によっては、抜歯が必要になるケースもあります。抜歯したあとは、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで失った歯を補う治療を行います。

虫歯が痛む理由

虫歯で歯が痛い女性

虫歯が進行すると、歯の表面を覆っているエナメル質が溶け出し、象牙質がむき出しになります。象牙質は外部からの刺激に非常に敏感です。そのため、熱いものや冷たいもの、甘いものなどを口にすると刺激が歯の神経に伝わって痛みを感じることがあります。

健康な歯は、エナメル質が象牙質を覆って保護しているため痛みを感じません。

虫歯の予防方法

歯磨きをしている女性

虫歯を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、虫歯を予防する方法について解説します。

こまめに水分補給をする

口の中が乾燥すると、細菌が増えやすい状態になるため、虫歯になるリスクが高まります。水分をこまめに摂取することで、口の中が乾燥しにくくなり、虫歯になるリスクを軽減できるのです。

また、水分補給をすることで唾液の分泌が促されます。唾液には、食べかすなどの汚れを洗い流す効果や歯の再石灰化を促す作用、細菌の増殖を防ぐ効果があるため、唾液が増えると虫歯の予防につながるのです。

甘いものを控える

虫歯を予防するためには、甘いものを控えることも大切です。虫歯菌は、甘い食べ物や飲み物に含まれる糖分を分解して歯を溶かす酸を作り、歯の表面を溶かします。虫歯菌の栄養源になる糖分を含む飲食物を控えれば、虫歯予防に繋がるのです。

砂糖が入ったジュースやスポーツドリンクも虫歯の原因のひとつです。水分補給をするときは、砂糖が入っていない水やお茶がよいでしょう。

歯磨きを丁寧に行う

歯磨きは虫歯予防の基本です。細菌の塊であるプラークはネバネバしているため、しっかり歯磨きをしないと落とせません。プラークが残った状態が続くと細菌が繁殖して虫歯が進行します。

虫歯を予防するためには、毎日しっかりと歯磨きを行うことが大切です。歯ブラシだけですべての汚れを落とし切ることは難しいです。デンタルフロスや歯間ブラシを使用して細かい部分に付着した汚れもしっかり落としましょう。

規則正しい生活を送る

不規則な生活で体の免疫力が低下すると、虫歯菌に感染する可能性があります。睡眠不足は体の免疫力の低下を招き、唾液の分泌量も減少します。その結果、お口の中の衛生状態が悪化し、虫歯菌がどんどん増えていくのです。

これを防ぐには、しっかり睡眠をとって体の免疫力を高めることが大切です。規則正しい生活を送ることで、虫歯になるリスクを軽減できるでしょう。

定期的に歯科検診を受ける

虫歯を予防するためには、定期的に歯科検診を受けることも非常に大切です。ふだんの歯磨きですべての汚れを落とすことは困難です。また、プラークが石灰化して硬くなった歯石は歯磨きでは落とせません。

歯科検診では歯のクリーニングを行い、専用の器具を使用してセルフケアでは落とせないプラークや歯石を除去します。

また、歯科検診では磨き残しが多い部分を確認し、一人ひとりに合った歯磨きの仕方を指導します。正しい歯磨きの仕方を習得し、自宅で実践することで、虫歯の予防につながります。

さらに、定期的に歯科検診を受けていれば、万が一虫歯になっていても早期に発見でき、進行する前に対処できます。

まとめ

虫歯で歯が痛い女性

虫歯は、細菌・糖分・歯質という3つの原因が重なり合って起こります。虫歯の原因となる細菌が食べかすに含まれる糖分をエサにしてプラークを形成し、糖分を分解することで歯を溶かします。これが、虫歯になるメカニズムです。

歯のエナメル質が溶かされ、虫歯が象牙質にまで進行すると、冷たいものや熱いものを口にしたときに痛むことがあります。虫歯を治療せずに放置すると、歯の神経が死んだり、抜歯が必要になったりする場合もあります。

そのため、ふだんから虫歯を予防することが大切なのです。虫歯を予防するためには、毎日しっかりと歯磨きをすることと、定期的に歯科検診を受けることが大切です。虫歯予防の重要性を理解し、お口の健康を守りましょう。

虫歯にお悩みの方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。

2024年10月25日 12:00

子どもの矯正の種類や費用とは?メリット・デメリットも紹介

こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。

「子どもの歯列矯正にはどのような種類があるの?」「子どものうちに歯列矯正をするメリットとデメリットは?」といった疑問をおもちの保護者の方もいるでしょう。

子どもの矯正方法にはいくつか種類があり、それぞれ異なる特徴があります。また、子どものうちに矯正治療をするのにはメリットだけでなくデメリットもあるため、事前によく理解しておくことが大切です。

今回は、子どもの歯列矯正の種類や子どものうちに矯正をするメリット・デメリットについて詳しく解説します。子どもの歯列矯正を始める年齢や費用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

子どもの矯正の種類

子どもの歯の矯正に使われる器具

子どもの矯正には大きく分けて以下の3つの種類があります。

可撤式矯正装置

可撤式矯正装置は、取り外し可能な矯正器具で、主に歯列の調整や顎の成長促進に用いられます。この装置は、食事や歯磨きの際に取り外せるため、常に清潔な状態に保てます。

ただし、装置を毎日決められた時間装着しなければなりません。歯科医師の指示に従って装置を装着しなければ矯正の効果が得られない可能性があるのです。

可撤式矯正装置には、拡大床やムーシールド、プレオルソ、インビザライン・ファーストなどがあります。

固定式矯正装置

固定式矯正装置は、歯に固定して矯正を行う装置です。固定式のため、可撤式矯正装置のように装着時間などを管理する必要がありません。また、持続的に歯に力を加えることができるため、矯正の効果を得られやすい点もメリットです。

ただし、患者さま自身で装置を取り外すことができないため、歯磨きしにくいと感じることがあります。矯正器具の周りには汚れが付着しやすく、しっかり歯磨きをして汚れを除去しないと虫歯や歯周病になるリスクが高まるため注意が必要です。

固定式矯正装置には、急速拡大装置やリンガルアーチ、タングガードなどがあります。

顎外固定装置

顎外固定装置は、顔の外に固定して矯正する装置です。顎の成長がアンバランスな場合や顎の位置を矯正する必要がある場合に、顎外固定装置を使用することで顎の成長をコントロールします。

自宅にいるときにのみ装着すればよいものがほとんどですが、顔の外に装置を装着するため、見た目が気になることがあるかもしれません。また、治療中は歯科医師に指示された時間、装置を装着する必要があります。

顎外固定装置には、ヘッドギアやフェイスマスク、チンキャップなどがあります。

子どもの矯正は何歳から?

歯の矯正は何歳からが良いか考えている女の子

子どもの矯正治療を始めるタイミングは、その子の歯並びや顎の成長具合によって異なりますが、5歳〜6歳ごろに開始するのがよいといわれています。この時期は歯が生え変わる時期であり、顎の成長をコントロールして永久歯が並ぶスペースを確保することができます。

顎の骨格に問題がある受け口の場合は、3〜4歳ごろに治療を開始することがありますが、一般的には5〜6歳ごろに歯科医院で相談すれば問題ないでしょう。

子どものうちに矯正するメリット

「子どものうちに矯正するメリット」のイメージ

子どものうちに矯正するメリットは、以下のとおりです。

抜歯を回避できる場合がある

矯正治療では、歯を並べるスペースを確保するために抜歯をすることがあります。

しかし、子どものうちに顎の成長を利用しながら歯を並べるスペースを確保できれば抜歯を回避できる可能性があります。子どもの健康な歯を抜かずに歯並びを整えることができる点は大きなメリットといえるでしょう。

顎の骨の成長をコントロールできる

子どものうちであれば、顎の骨の成長をコントロールしながら矯正治療を進めることができます。成長期の骨は柔軟性があり、この時期に矯正治療を行うことで、より効果的に治療を進めることができるでしょう。

虫歯や歯周病のリスク軽減できる

歯並びが悪く、歯と歯が重なっている部分があると磨き残しが生じやすくなります。特に子どもの場合は、自分でうまく歯磨きができないことが多く、虫歯や歯周病になるリスクが高まるのです。

しかし、矯正治療によって歯並びが整うとブラッシングがしやすくなるため、虫歯や歯周病になるリスクを軽減できます。ブラッシングの効率が上がり、お口の中を健康な状態に保ちやすくなる点は大きなメリットといえます。

見た目の改善につながる

矯正治療により顎の成長をコントロールすることで、顔全体のバランスが整います。顎のゆがみを整えて、歯並びを改善することで外見に対するコンプレックスを解消できるでしょう。美しい歯並びや噛み合わせは、心理的な安心感や自信につながります。

将来的な治療期間を短縮できる場合がある

子どものうちに矯正治療を開始すると、大人になってから矯正治療が必要になった場合でも治療期間が短く済む可能性があります。

子どものうちに矯正治療をすれば、顎の成長をコントロールしながら歯を並べるスペースを確保できます。そのため、永久歯が生えそろってから矯正が必要になった場合でもスムーズに治療が進む可能性があるのです。

口腔悪習癖を改善できる

子どものうちに矯正治療をすることで、口腔悪習癖の改善が期待できます。歯科医院では、歯並びに影響を与える口周りの癖がある子どもに対して、口腔筋機能療法(MFT)を行うことがあります。

この治療は、口周りや舌の筋肉のバランスを整えることを目的としています。例えば、舌の位置や口の閉じ方、咀嚼の方法などを見直すことができるでしょう。歯並びに影響を与える口周りの悪い癖が改善されると、矯正治療後の歯が安定しやすく、後戻りしにくくなります。

子どものうちに矯正するデメリット

「子供のうちに矯正するデメリット」のイメージ

子どものうちに矯正するデメリットは、以下のとおりです。

使用する装置によっては目立つことがある

上述のとおり、子どもの矯正治療で使用する装置にはいくつか種類があり、使用する装置によっては目立つことがあります。特に外見に敏感な年齢の子どもにとって、見た目の変化は心理的な負担になることがあるでしょう。

目立ちにくいタイプの矯正装置を選ぶことで目立ちにくくすることができますが、選択する装置によっては費用が高額になることもあるので注意してください。

しっかりと歯磨きをする必要がある

固定式の矯正装置の場合、装置の周辺に食べかすなどの汚れが溜まりやすいです。装置を取り外せないため歯磨きが難しくなりますが、しっかり歯磨きをして汚れを落とさないと虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

そのため、しっかり歯磨きをして矯正装置の周辺に付着した汚れもしっかり落とすことが大切です。子どもの場合は、自分でうまく磨けないケースも多いため、保護者の方が仕上げ磨きをしてあげましょう。

本人や保護者の方のサポートが必要

矯正治療中は、装置の装着時間や取り扱い、口腔ケアなど保護者の方のサポートが必要不可欠です。

取り外しができる装置の場合は、装着時間を守る必要がありますが、子どもが時間を管理することは難しいでしょう。また、しっかり歯磨きができているか保護者の方が確認してあげる必要もあります。

さらに、子ども自身が前向きに治療に向き合うためにも保護者の方のサポートが必要になるのです。

2期治療が必要になる可能性がある

顎の成長時期に行う子どもの矯正治療を1期治療、永久歯が生え揃ってから行う矯正治療を2期治療といいます。1期治療を行ったからといって必ずしも2期治療を行わなくてよいわけではありません。

1期治療で歯並びが整わなかった場合には、2期治療が必要になるケースもあります。治療期間が長くなると治療に対するモチベーションを保つのが難しくなることがあるでしょう。

治療計画の段階で予測される期間をしっかりと確認し、長期的な視点で治療に臨むことが大切です。

子どもの矯正にかかる費用

「子どもの矯正にかかる費用」のイメージ

子どもの矯正治療にかかる費用は、1期治療で20万円〜50万円ほどが相場です。

費用は、使用する矯正装置の種類や症状の程度などによって変動します。また、子どもの矯正治療は基本的に保険適用の対象になりません。自費診療となるため、歯科医院によって費用が大きく異なるのです。

さらに、矯正治療中は定期的に歯科医院に通院して検診を受ける必要があります。この検診にかかる費用は3,000円〜5,000円ほどが相場です。

1期治療のあとに2期治療を受ける場合には費用が割引されることもありますので、事前に確認するようにしてください。

まとめ

矯正治療を受けて笑顔の男の子

子どものうちに矯正治療を受けることで、顎の成長をコントロールしながら歯を並べるスペースを確保でき、抜歯を回避できる可能性が高まります。また、歯並びが整うことで虫歯や歯周病になるリスクを軽減できる点もメリットといえるでしょう。

子どもの矯正で使用する装置には、可撤式矯正装置・固定式矯正装置・顎外固定装置の3つの種類があります。お子さんの歯並びの状態や顎の成長具合によって使用する装置は異なるため、歯科医師に相談のうえ、お子さんに合った矯正装置を選択しましょう。

小児矯正を検討されている方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら仮予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。

2024年10月18日 12:00

インビザライン矯正にかかる費用はどのくらい?メリットや内訳も解説

こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。

インビザライン矯正を検討しており、費用が気になっている方も多いのではないでしょうか。インビザラインは、症状によって費用が異なります。また、保険適用外の自由診療なので、歯科医院によっても費用は異なるでしょう。

今回は、インビザラインのメリット・デメリットや費用の相場、内訳などについて解説します。インビザラインを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

インビザラインとは

マウスピースと専用ケース

インビザラインとは、1997年にアメリカのアライン・テクノロジー社によって開発されたマウスピース型の矯正装置のことです。日本では2006年ごろに販売を開始し、現在ではよく知られた矯正方法のひとつになっています。

患者さまの歯並びに合わせて作製されたマウスピースを段階的に交換していくことで、少しずつ歯を動かして理想的な位置に整えていきます。マウスピースは、1日に20〜22時間以上装着する必要があります。

使用するマウスピースは、透明で目立ちにくく取り外しが可能です。

インビザラインのメリット

インビザラインのメリットイメージ

インビザライン矯正には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、インビザラインのメリットについて解説します。

矯正装置が目立ちにくい

インビザライン矯正では透明のマウスピースを使用するため、矯正装置が目立ちにくいというメリットがあります。矯正装置が目立つことを理由に歯列矯正を諦めていた方でも、インビザラインなら安心して受けられるでしょう。

特に、営業や接客業など人と接する機会が多い職業の方にとって、インビザラインは良い選択肢と言えます。

痛みが少ない

インビザライン矯正では、1〜2週間に1回の頻度でマウスピースを交換しながら少しずつ歯並びを整えていきます。ワイヤー矯正に比べて歯にかかる力が弱いため、痛みが少ないという点は大きなメリットでしょう。

取り外せる

矯正装置が自由に取り外しできるのも、インビザライン矯正のメリットの一つです。

インビザラインは、歯に矯正装置を固定するワイヤー矯正とは異なり、マウスピース型の矯正装置を使用します。そのため、食事や口腔ケアの際には取り外すことが可能です。

食べ物が矯正装置に挟まることがなく、歯磨きも通常通り行えます。口腔内の清潔を保ちやすいため、虫歯や歯周病のリスクを低減できる点は大きなメリットでしょう。

また、写真撮影などの際にも短時間であれば外すことができます。装着時間が短くなると治療に影響を及ぼすので、用事が終わったらすぐに再装着してください。

3Dシミュレーションで確認できる

インビザライン矯正では、治療開始前に3Dシミュレーションによって歯が実際にどのように動くのかを確認できます。このシミュレーションにより、治療にかかる費用や期間、マウスピースの数などを把握することも可能です。

治療完了までのイメージがしやすい点はメリットといえるでしょう。治療後のイメージをしやすいため、モチベーションの維持にもつながります。

通院の回数が少ない

インビザライン矯正では、治療計画に基づいてマウスピースが作成され、患者さまご自身で段階ごとに交換しながら治療を進めます。そのため、頻繁に歯科医院へ通う必要はありません。

患者さまによって頻度は異なりますが、一般的には2~3か月に1回程度の通院でよいため、忙しい方でも続けやすい矯正方法といえます。

金属アレルギーの方でも使用できる

インビザラインのマウスピースはプラスチック製なので、金属アレルギーの方でも使用できます。金属アレルギーが原因でワイヤー矯正ができない方は、インビザライン矯正を検討してみましょう。

インビザラインのデメリット

インビザラインのデメリットイメージ

インビザラインにはデメリットも存在します。

自己管理が不可欠

矯正装置が自由に取り外しできるのは、インビザライン矯正のメリットです。

しかし、マウスピースの自己管理が不十分であれば、治療効果が期待できなくなる点はデメリットといえるでしょう。ワイヤー矯正の場合は歯に矯正装置が固定されますが、インビザラインの場合は自分で決められた時間を守って装着しなければなりません。

装着し忘れたり面倒に感じて装着を怠ったりすれば、計画通りに歯が動かず理想の歯並びにならない可能性があります。また、装着を怠って後戻りして、マウスピースが装着できなくなった場合には作り直しが必要になることもあるでしょう。

治療期間が延びたり追加で費用がかかったりすることがあるため注意が必要です。

対応できないケースもある

歯並びが大きく乱れた重度のケースや骨格に異常があるケースなどは、インビザラインのみで治療を行うのが難しいです。その場合、ワイヤー矯正を併用することで治療可能になるケースもあります。

インビザライン矯正ができるかどうかを判断するためには、詳しい検査が必要です。ご自身がインビザラインで治療できるケースか、一度歯科医院で確認してもらいましょう。

インビザラインの費用相場

インビザラインの費用相場イメージ

インビザライン矯正の費用は、重症度によって異なります。インビザラインにはいくつかのパッケージが存在し、重症度に合わせて選択されます。

また、自費診療のため歯科医院によっても異なるので、ご紹介する費用はあくまで目安として参考にしてください。ご自身の場合の費用は、カウンセリングを受けて詳しく確認することが大切です。

歯並びの乱れが軽度の場合

歯並びの乱れが軽度の場合には、インビザライン・エクスプレスやインビザライン・ライトで治療するのが一般的です。

インビザライン・エクスプレスは使用できるマウスピースの上限が片顎7枚で、治療にかかる費用は30~50万円程度が目安とされています。インビザライン・ライトでは片顎14枚までマウスピースを使用でき、45~60万円ほどが費用の目安です。

歯並びの乱れが中等度の場合

抜歯の必要がない場合や奥歯の大きな移動が不要な場合など、中等度の症状の場合はインビザライン・モデレートで改善が見込めます。インビザライン・モデレートは片顎26枚までマウスピースを使用でき、費用の目安は70〜90万円程度です。

歯並びの乱れが重度の場合

奥歯の噛み合わせから大きく動かす必要があるケースや、ズレの大きな重度の歯並びでは、インビザライン・コンプリヘンシブが用いられます。費用の目安は80~120万円ほどで、マウスピースの枚数は無制限です。

複雑な歯並びを改善したい方でも、柔軟に計画を変更しながら追加費用なしで治療できるでしょう。

インビザラインの費用の内訳

インビザラインの費用の内訳イメージ

インビザラインの費用の内訳は、以下の通りです。

  • カウンセリング費:無料〜約1万円
  • 検査費:約1万円〜6万円
  • マウスピースの費用:約30万〜120万円
  • 保定装置の費用:約1万円〜6万円
  • メンテナンス費:数千円〜1万円

保定装置とは、インビザライン矯正が終了した後に、歯が後戻りしないように装着する装置のことです。上記の他にも、抜歯が必要なケースやインビザライン矯正と併用してワイヤー矯正を行うケースでは、それらの費用が追加でかかることになるでしょう。

なお、内訳については矯正治療を受ける歯科医院によって異なりますので、カウンセリングの際に費用の内訳もしっかり確認しておきましょう。

インビザラインは医療費控除の対象になる?

インビザラインは医療費控除の対象になるかイメージ

インビザライン矯正は保険適用外の治療ですが、医療費控除の対象になります。医療費控除とは、1年間に支払った医療費の総額が一定額を超えた場合に、医療費の一部が所得税として還付される制度のことです。

還付を受けるためには確定申告が必要ですが、矯正治療にかかった費用以外にも、通院に使用した公共交通機関の費用なども医療費控除の対象になります。申請には領収書が必要なため、しっかりと手元に残しておくようにしましょう。

まとめ

マウスピースを持っている女性

インビザライン矯正は、取り外し可能なマウスピース型の矯正装置を使用して行う矯正方法です。ワイヤー矯正に比べて目立ちにくく、痛みが少ないというメリットがあります。

しかし、インビザライン矯正も他の矯正方法と同様に、保険適用外の自由診療となりますので費用が高額です。大きく歯を動かす必要があるケースでは、100万円以上かかるケースもあるでしょう。

ご自身が実際にどの程度の期間と費用を要するかは、詳しい検査をしないと分かりません。まずは、カウンセリングにて歯科医師にご相談ください。

インビザライン矯正を検討されている方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら仮予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。

2024年10月11日 12:00

予防歯科とは?行う内容や重要性、メリットを徹底解説!

こんにちは。大阪府摂津市、「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。

歯科治療は、虫歯や歯周病などの問題が発生してから受けるものだと考えている方が多いです。

しかし、最近では予防歯科への取り組みが広がってきています。予防歯科について、まだ詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

「なぜ何も異常がないのに定期的に歯科医院に行く必要があるの?」「予防歯科って本当に効果があるの?」「そもそも何をするの?」などの疑問をお持ちの方もいるでしょう。

この記事では、予防歯科とは何か、重要性やメリット、そして具体的な予防歯科の方法について詳しく解説します。

予防歯科を受けるべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

予防歯科とは

診察を行う女性歯科医

予防歯科とは、虫歯や歯周病などの病気になってから治療するのではなく、それらの病気にかからないよう未然に防いでいくことを目的とした取り組みです。これまでの歯科医療では、虫歯になったら虫歯部分を削って修復するなど、起きた問題に対処するのが一般的でした。

一方、予防歯科ではその名の通り、虫歯や歯周病などのお口のトラブルが起きないように、予防に力を入れて歯の健康を守っていきます。 具体的な内容には後述しますが、歯科医院のプロフェッショナルケアとご自身で行うセルフケアを実施し、健康的なお口の維持を目指します。

予防歯科が重要な理由

予防歯科が重要な理由を説明する女性

お口のトラブルが起きてから歯科医院に行っていた方からすれば、何も症状がないのに受診するのは違和感があるかもしれません。

しかし、予防歯科の取り組みは、以下の理由から重要だと考えられます。

自分の歯に勝るものはない

虫歯も歯周病も、症状が進行すれば最終的には歯を失う原因となり得る病気ですが、どちらも初期段階ではほとんど症状が現れず、自覚症状もあまりありません。

しかし、自覚症状が出ていなくても病気は徐々に進行していきます。症状が出るころにはすでに虫歯菌によって歯が溶かされていたり、歯周病の炎症によって歯を支える骨が溶けていたりするのです。

身体の一部である歯や歯を支える骨は、一度失えば二度と元通りにはなりません。詰め物や被せ物などを用いて失った歯の機能を回復させることは可能ですが、自分の天然の歯に勝るものはないでしょう。

そのため、歯を削ったり抜いたりする原因となる病気を未然に防ぐ予防歯科が重要なのです。

お口の問題は全身の健康にも影響する

虫歯や歯周病は、お口の中だけでなく全身の健康にも影響を与えることが明らかになっています。例えば、歯周病と糖尿病は互いに影響し合うことがわかっています。

歯周病菌が出す毒素が血管を通じて全身にまわることで動脈硬化が引き起こされ、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まることもあります。歯周病菌が肺に侵入すれば、誤嚥性肺炎につながるリスクがあるでしょう。

また、虫歯で歯に痛みが出れば、しっかり噛むことができなくなります。食事を楽しむことができなかったり、消化器官への負担が大きくなったりするでしょう。

予防歯科の取り組みでお口の中の健康を維持することは、全身の健康維持にも関係するのです。

予防歯科のメリット

予防歯科のメリットイメージ

歯を削ったり抜いたりする原因となる、虫歯や歯周病を未然に防ぐのが予防歯科の目的です。予防歯科には、以下のメリットもあります。

トラブルに早く気付ける

定期的に歯科医院を訪れてお口の中のチェックを受けることで、自覚症状が出ていない初期段階の虫歯や歯周病を早期に発見できる可能性が高まります。

通常、歯も身体の病気と同じように重症になればなるほど治療が大変になることが多いです。治療時間が長くなったり、患者様自身も痛みを感じたりするでしょう。

初期段階で異常に気付き対処できれば、痛みや治療時間など患者様の負担を軽減できるのです。

経済的な負担を減らすことができる

「何も症状がないのに歯科医院を受診すると費用が無駄なのでは」と思われるかもしれません。

しかし、お口のトラブルが起き症状が進んだ状態で受診した場合、一度の診察で完了することは少ないです。何度も歯科医院を訪れて治療を受ける必要があるでしょう。通院回数が増えれば、その分費用がかかる可能性が高いです。

そのため、結果的には予防歯科による定期的な受診のほうがコストを削減できることがあるのです。また、予防歯科は歯の健康を保つだけでなく、全身の健康維持にも寄与するため将来的な医療費の節約にもつながります。

生活の質の向上

予防歯科を受けて健康な歯や歯ぐきを保てば、自分の歯でしっかり噛むことができます。異物感や違和感なく食事や会話を楽しめるでしょう。

定期的に歯科医院を訪れて検診を受けている人は、そうでない人に比べてより多くの歯を残せることがわかっています。健康な歯が多く残っていれば、毎日おいしく食事でき、生涯を通じて楽しく過ごせるでしょう。

予防歯科で行うこと

歯の検査

予防歯科で行う内容は、大きく分けて歯科医院で行うプロフェッショナルケアと、ご自身で毎日行うセルフケアの2つがあります。

歯科医院で行うプロフェッショナルケア

歯科医院で行う予防歯科では、お口の状況を把握するための検査や、国家資格を持った歯科医師や歯科衛生士が専用の器具や薬品を用いた歯のクリーニングを行います。

検査や処置は、一度実施して終了というわけではありません。定期検診やメンテナンスとして、数か月間隔で繰り返し受けるのが一般的です。

検査・診断

お口の中の状況を視診し、レントゲンを撮って直接見ることができない歯の内部や歯の根の炎症、歯を支える骨の状態を確認します。歯科医院によっては、カメラを用いてお口の中の写真を定期的にとり、歯ぐきの色合いなどお口の状況を記録することもあります。

また、歯周病の進行具合を確認するために、専用の器具を使用して歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットの深さを測定することもあります。炎症による出血の有無や、歯がグラグラ動いていないか動揺の確認も行います。

スケーリング

スケーリングとは、歯の表面についたプラークや歯石を除去する治療のことです。プラークは虫歯菌や歯周病菌などの細菌が集まった塊で、除去せず放置しておくと虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。

歯石は、プラークが唾液の成分により石のように固まったものです。歯ブラシでは取り除くことが難しく、ザラザラした表面にはさらにプラークが付着しやすくなるため、歯科医院の専用の器具を用いて取り除く必要があります。

PMTC

PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略称です。ご自宅での歯磨きでは落としきれない頑固な汚れを、特殊な器具や薬剤を使用して完全に取り除き、歯の表面を滑らかに磨き上げます。

PMTCを受けた後の歯はツルツルになるため、着色汚れやプラークが付着しにくくなります。

ブラッシング指導や食生活指導

歯科医院でのクリーニングを徹底していたとしても、毎日のご自宅での歯磨きができていなければ意味がありません。お口の大きさや歯の生え方などは一人ひとり違い、ブラッシング方法や効率よく磨ける歯ブラシの大きさなども異なります。

そのため、ブラッシング指導では歯の磨き方だけでなく、道具選びのアドバイスなども合わせて行われます。また、食生活習慣の乱れも虫歯の間接的な原因となるため、生活習慣の指導が行われることもあります。

フッ素塗布

虫歯予防のために歯の表面にフッ素を塗布します。フッ素には、歯の表面のエナメル質を強化して虫歯になりにくくする、初期の虫歯を修復する、虫歯菌の活動を抑制するなどの働きがあります。虫歯予防に有効な成分として知られています。

生えたての若い歯だけでなく大人の歯にも有効で、歯ぐきが下がって露出してきた歯根部が虫歯になる根面う蝕の予防にも効果的です。歯の表面に付着した汚れをクリーニングでしっかり除去してからフッ素塗布を行うことで、効果的にフッ素を取り込むことができます。

ご自宅で行うセルフケア

自分で行う予防歯科は、歯科医院でレクチャーを受けた歯磨き方法をご自宅でも継続していくことです。

ブラッシングに加えてフロスや歯間ブラシの使用は、習慣になるまでは面倒に感じるかもしれません。

しかし、歯ブラシのみの清掃ではどれだけ丁寧に磨いても歯と歯の間には毛先が入り込めず、プラークをすべて除去することは困難です。汚れがたまりやすく落としにくい歯間部の清掃は、虫歯や歯周病を予防するためにも大切なので忘れないように使用しましょう。

プラークは歯ブラシなどを使って物理的に落としていくことが基本ですが、虫歯予防の働きをするフッ素配合の歯磨き粉や、抗菌作用のある洗口剤なども販売されています。「虫歯予防、歯周病予防の歯磨き粉を使用しているから大丈夫」と思わず、上手に取り入れましょう。

まとめ

歯科医師の道具

予防歯科は、健康的な歯を長く保つためには欠かせない取り組みです。歯科医院で受けるプロフェッショナルケアでは、異常の早期発見や早期治療、自分では取り除くことが難しい汚れの除去を行います。自宅での日々のセルフケアでは、汚れが蓄積するのを防ぎます。

どちらか一方だけでなく、これら両方を行うことで、歯の健康を長期にわたって維持することができるのです。

予防歯科は早めに取り組みを始めることが大切です。早期に歯の健康を意識した生活や適切な歯磨きができるようになれば、その分虫歯や歯周病の発生リスクが下がり、将来歯を失う可能性を減らせます。

歯科医院を定期的に受診されていない方は、大切な歯や全身の健康を守るためにも、歯科医院を受診しましょう。異常が出ていないか確認してもらい、予防歯科に取り組んでみてはいかがでしょうか。

予防歯科を検討されている方は、大阪府摂津市、「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。 当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら仮予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。

2024年10月04日 12:00

補綴治療の種類と素材について

補綴治療の種類と素材について

みなさんこんにちは。

辻中歯科医院のアシスタントです。

今回は補綴(ほてつ)治療とは何か、またその種類と素材についてご紹介させていただきたいと思います。

補綴治療とは

補綴治療とは、虫歯や歯周病、外傷などで失われた歯を被せ物や入れ歯などの人工の歯で見た目や噛み合わせを補うためのものです。

歯を一本失なった場合、歯全体のバランスが崩れ噛み合わせの歯(対合歯)が出てきてしまったり、歯が寄ってきたりと歯並び全体に影響が及びます。

特に奥歯の場合は目立たないので反対側で噛めば特に不便を感じないかもしれませんが、食べものが詰まりやすくなったり、歯が部分的に強く当たるようになったり(早期接触・咬合干渉)などの噛み合わせに異常が生じます。

また、噛みにくくなることで胃腸に負担がかかり、便秘やその他の病気の原因になる事もあります。

さらにお顔の輪郭が変わってしまったり、シワが生じたりなど審美性(見た目の美しさ)が損なわれるだけでなく、発音にも影響が出てしまいます。

治療法について

歯がある場合の治療

【詰め物】

小さな虫歯には『コンポレットレジン』と言われる樹脂とプラスチックでできた素材を使い虫歯などで穴が開いたところの歯を補います。

保険適用が可能で、白い素材のためほとんどの方はこの治療を1回は受けたことがあるのではないでしょうか。

ただし、摩耗しやすく着色しやすいという特徴があり、むし歯で大きく穴が開いてしまった所には使用できません。

『インレー』虫歯などで削った歯を埋める詰め物で虫歯の範囲が比較的小さく内部が健康的でクラウンを必要とするほど大きな損傷がない場合に使用されます。

『アンレー』インレーと同じく歯を埋める詰め物ですが、歯冠の大部分を占める広範囲の詰め物になります。

どちらも型をとって専門の技工師さんが作成してくれます。

【かぶせ物】

『クラウン』歯全体を覆う場合に使用されます。虫歯が大きく歯の神経を抜いた場合や、虫歯が広範囲に広がり歯の強度が落ちてしまった場合に適応されます。

歯が失くなった場合の治療

【ブリッジ】

先ほどご紹介した被せ物の一種ですが、一般的な被せ物とは少し違い”連結した被せ物”になります。

欠損した歯の両隣を支台にして人口の歯を被せる治療法で橋をかけるように人工の歯を被せることからこの名前がつけられています。

入れ歯のように取り外しの必要がなく、違和感が少ないのがメリットになります。後程ご紹介するインプラントと比べると治療期間も短く費用も抑えられることから歯科医院の中でもとてもポピュラーな治療法になります。

ただし支台として使用する両隣の歯は健康であっても被せが入る分は削る必要があり、食事で噛み込む際は支台の歯に負担が生じてしまうというデメリットもあります。

【入れ歯】(部分入れ歯/総入れ歯)

こちらも欠損した歯や歯茎などを補う為の人工の装置です。

義歯とも呼ばれ部分入れ歯と総入れ歯の2種類に分られます。

ブリッジと違い歯を削る等の周りの歯への負担が少ないことや、取り外しが可能な為メンテナンスしやすく丁寧にお手入れをすることで清潔に保てるというメリットがあります。

一方で使い熟すまでは違和感を感じやすく、特に保険の入れ歯の場合食事の際の食べものや飲み物の熱さや冷たさが感じにくくなる場合があります。

【インプラント】

歯を失なった顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯をつける治療です。

見た目が美しく審美性に優れていて、異物感もなく自身の歯と同じように噛むことが出来るという点が最大の特徴といえるでしょう。さらにブリッジや入れ歯と比べても他の歯への負担が少ないのも魅力のひとつです。

とはいえ、自費治療となることから費用がかなりかかる事や顎の骨の骨密度が低い方には適応が難しい場合があります。

このように同じ補綴治療にもメリット・デメリット様々な種類があります。

では続いて保検適応と保検適応外の素材についてご紹介していきます。

インプラントは保険適応外のみとなりますが、

その他の補綴に関してはそれぞれ保険適用の物と保険適応外(自費治療)の物とあり、辻中歯科では現在下記の様な素材でお選び頂けます。

素材について

【保険適応】

メタル(銀歯)

パラジウム合金が使われており強度が高く、割れにくいことが特徴です。

一方で酸化しやすく、溶け出した金属は体内に蓄積される為金属アレルギーになる可能性があります。身体にはあまり良くないとされていること、審美的観点から見ても流行りの素材ではないと言えます。ドイツやスウェーデンなどのヨーロッパではすでに使用が禁止されていますが、以前は当たり前のように使用されていたので使われている方も非常に多い素材です。

CAD /CAM

プラスチックにセラミックの粉末を混ぜて作られた素材です。

銀歯と違い酸化しない為金属アレルギーの心配がなく、見た目も白いので選ばれることが多くなりましたが、割れやすく着色しやすいというデメリットがあります。また、着色やプラークが付きやすく二次虫歯(虫歯治療が完治した後に再び同じところの虫歯になること)の恐れがあります。

PEEK冠

最近歯科で適応される様になった白っぽい見た目(アイボリー色)のプラスチック素材になります。金属アレルギーの心配がなく、CAD/CAMと比べると強度もあります。一方で、プラークが付きやすく、年数とともに着色されやすいという特徴があります。白っぽいとはいえ、アイボリーに近い色味のためCAD/CAMと比べると見た目は劣ります。

【保険適応外】

ジルコニア単色

ジルコニアをそのまま削り出したもので、強度、生体親和性共に高いものです。

変色もしにくいので長くもつというのも特徴です。ただし、一色ベタ塗りになるので前歯に使用するには色味的に少し不自然になりますので奥歯向きの素材になります。

ジルコニアグラデーション

ジルコニア単色タイプに濃淡のグラデーションカラーをつけたものです。天然歯は根本の方が色味が濃くくすんでおり、先にいくにつれて白っぽくなりますのでそれに合わせてグラデーションされています。前歯に使用しても殆ど違和感のない美しさになります。

ジルコニアボンドクラウン

セラミックの美しさとジルコニアの強度が組み合わさった良いとこどりの素材です。非常に強度があり、十分な美しさも兼ね備わっているため前歯から奥歯まで幅広く使用できます。

E-max

ニケイ酸リチウムガラスを使用したセラミックです。セラミックの中でも非常に美しく、自然な透明感があり天然歯と区別がつかない程です。保険の素材と比べると耐久性も十分にあり10〜15年ほど持ちますが、ジルコニアと比べると強度は少し落ちます。美しい見た目から前歯に使用することが多い素材です。

Gold

その名の通り金で作られています。最大の特徴は、強く硬くさらに程よく“しなる”というところです。薄くても十分な強度がある為削る歯の量が少なくて済みます。強度な素材の物は対合歯(噛み合わせの歯)に負担がかかることがありますが、goldであればしなりがありますし、金属アレルギーの心配も極めて低いと言えるので身体にとても優しい素材になります。一方で、色味としては他の歯と比べると目立つので奥歯や見えにくい上の歯に使用するのが良いかと思います。

まとめ

この様に治療法や、治療に使う素材は様々あります。

・たくさんあって迷ってしまう。

・何があるのか、また何がいいのか分からない。

・金額は少ない方が良いけど、自分に合った素材が知りたい。

・気になるけど支払い方法で悩んでいる

そんな方に辻中歯科ではコンサルテーションを行なっております。

知識豊富なスタッフがドクターと患者様の間に立って、患者様に満足して喜んでいただだけるようにご案内させていただきます。

あくまで私たちの役目はご紹介までとなりますので、当然無理におすすめもしないのでご安心くださいね。

お支払い方法などについても丁寧にご案内させていただいております。

いつでもご相談お待ちしております。

2024年09月24日 17:03

歯の痛みについて

About toothache

歯の痛みについて

みなさん、こんにちは。辻中歯科医院のドクターです。8月も終わり夏も終わりましたが

まだまだ暑いですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今回、ご紹介致しますのは、いわゆる、歯の痛みについてです。

そもそも痛みとは?

types of tooth pain

痛みとは教科書的には、実際に何らかの組織損傷が起きた時、あるいは組織損傷が起こりそうな時、あるいはそのような損傷の際に表現されるような不快な感覚体験および情動体験とされており、大きく分けて3つの種類があります。

いわゆる怪我などで損傷することによる侵害受容性疼痛、神経自体が損傷することによって直接痛みが起こる神経障害性疼痛、社会的要因などで脳自体に痛みを感じる心因性疼痛の3つです。

歯による痛み、すなわち歯痛は教科書的には歯科疾患によって起こされる、歯または歯の支持構造(歯ぐき)の痛み(歯原性歯痛)、または、非歯科疾患によって引き起こされる歯の痛み(非歯原性歯痛)があるとされています。では、なぜ硬組織である歯が痛くなるのでしょうか。

歯が痛くなるとは

歯が痛い。と言っても冷たいものでしみるだけ。であったり、何もしてなくても歯がズキズキ痛むことがあることや甘いものを食べるとしみる。など症状は様々あります。

歯痛の原因はいわゆる虫歯や歯周病が一般的に多いですが、噛み合わせや他に歯以外の全身疾患も関係していることもあり、痛みと言っても原因は多々あります。

歯の構造についてご説明しておきます。歯は外側からエナメル質、象牙質、セメント質と3層構造になっております。

tooth structure

エナメル質・・歯茎から上の部分。神経がないため痛みは感じない

       表層にあるため我々が一番目にしている

象牙質・・・・象牙質はエナメル質より軟らかい

       いわゆる、「浸みる虫歯」とはこの象牙質まで進行している虫歯のこと

       内側には歯髄と呼ばれる神経が通っており、虫歯が進行するとこの神経ま

で波及し歯髄に炎症反応が起き痛みが出てくる。

セメント質・・歯の根っこの表面にあり歯を支えている。基本的に歯茎が下がらない限り見

えない

歯髄(歯の神経)・・・・歯の痛覚を司る組織。虫歯が歯髄まで進行した場合歯、神経治療が       必要になる

歯由来の痛みについて

1:虫歯

虫歯とは教科書的に口腔内の菌(ミュータンス菌)が産生する酸で、歯が溶かされた状態

のこととされています。いわゆる、「熱いものや冷たいものを口に含むと歯が浸みる」や「痛みが持続する」「叩くと響くような鋭い痛み」などが一般的な特徴です。

いわゆる、ミュータンス菌は、お口の中に残った砂糖をはじめとする糖分を栄養分として、歯の表面にくっつき、増殖して歯垢(プラーク)を形成します。またミュータンス菌は糖分から同時に乳酸を作るため、歯垢(プラーク)内部は徐々に酸性になっていき歯の表面のエナメル質を溶かしていきます。そうして、穴が空いてしまうと虫歯となります。

虫歯になったエナメル質をそのまま放置したらどうなるでしょうか。

象牙質に進行していき歯髄の神経や血液にまで虫歯の細菌が達します。(歯髄炎)

歯髄炎になった場合は、ズキズキしたい痛みやさらに悪化した場合などは根っこが化膿して悪影響が出ることもあります。

初期の虫歯は再石灰化によって自然修復可能ですが、歯髄まで進行した場合は、歯の神経を抜く必要があります。

また、子供ではえたばかりの永久歯はエナメル質が未成熟なため生えてから2〜4年は最も虫歯になりやすいとされております。

2:知覚過敏

知覚過敏とは教科書的に様々な要因によってエナメル質が損傷して象牙質が露出してしまい、外部からの刺激が内部の神経に伝わりやすくなって痛みを感じる疾患とされています。

熱いものや冷たいもので浸みるのは虫歯と症状が似ています。

加齢や強めのブラッシング、歯ぎしりなどで歯茎が後退することにより象牙質がむき出しになることにより知覚過敏は起こります。

3歯の破折

転倒などによる外傷、歯ぎしりによる破折によって破折部から細菌感染を起こし痛み、炎症を引き起こすことがあります。歯の根っこが割れた場合は抜歯が必要になることがあります。

h3歯ぐき由来の痛み

歯ぐき由来の痛み

1歯周病

歯周病とは、一般的に歯を支える歯ぐきや骨(歯槽骨)などの組織が破壊される炎症性疾患の総称とされており、40歳以上の日本人は8割が罹患しているとされております。

歯周病は歯茎のみに限局した歯肉炎と歯槽骨まで波及した歯周炎と2つに大別されます。

歯周病の原因は主に歯に付着したプラーク中の細菌とされており、プラークを放置しておくと、隣接した歯茎に炎症が起き歯と歯茎の間に数m mの隙間ができます。

歯肉炎なら自然治癒も可能ですが歯周ポケットから進行した細菌が歯周組織を破壊することにより最終的に歯が自然に抜けてしまう病気です。

2親知らず

親知らずは部分的に歯ぐきに埋伏しているため食渣がたまり。不潔になりやすい状態となっています。親知らずが原因となって、周辺の歯茎に細菌性の炎症が起こる病気を一般に智歯周囲炎と呼びます。智歯周囲炎は炎症がひどくなると口が開けづらくなったりすることもあります。

(当院では火曜と金曜で口腔外科Drに来ていただいているので抜歯に関してお悩みの方がいらっしゃれば是非ご相談ください。)

歯以外に原因があるもの(非歯原性歯痛)

歯や歯ぐきに原因がないが歯に痛みを感じるものを一般的に非歯原性疾患と分類します。

割合としては歯痛で訪れる患者さんの約1割を占めると言われています。

非歯原性歯痛の分類について

虫歯や歯周病とは痛みのメカニズムが異なってくるため治療法もそれぞぞれ異なってきます。抜歯しても改善しないことが多いです。非歯原性歯痛の分類を以下に示します

1 筋・筋膜性歯痛

顎の筋肉痛に由来する痛み。顎の筋肉のある1点(トリガーポイントと呼ばれるしこりのようなもの)を強く押すと、トリガーポイントから関連痛が発生し歯痛が再現されるもの。非歯原性歯痛のなかで最も多く、関連痛の発現部位は多くは上下臼歯部に多く見られる。症状としては、患歯の特定が困難・自発性の鈍痛、持続性の痛み。

2 発作性神経障害性歯痛

何らかの理由で神経の周りのカバーが剥がれ、小さな刺激であっても強い歯痛をを発生する症状。歯を刺激しなくても、顔面や口腔の一部を刺激することで歯痛が発生することがある 神経痛の特徴として、数秒から数分の歯痛が生じ電撃痛と表現される痛みを生じます。顔を動かしたり触らなければ痛みは生じないが食事、飲水、会話などで痛みが生じます。

3 持続性神経障害性疼痛

歯科治療後に長引く痛み(外傷性神経障害性疼痛)と帯状疱疹による歯痛の2つに大別されます。外傷性神経障害性疼痛は親知らずの抜歯やインプラント手術で顎や歯に走っている血管を損傷した時に生じることがあります。

4 神経血管性歯痛

偏頭痛や群発性頭痛の症状の一つに歯痛を生じる場合があります。この場合、歯ではなく頭痛の治療が必要となります。脳の血管に分布する神経は顔面の痛みの神経と合流するため頭痛と同時に歯痛が生じることがあります。

5 心臓性歯痛

心筋梗塞などの心疾患に関連した歯痛で、運動により痛みが生じることが報告されている。この場合は早急に心臓の専門医を受診することが必要になります。痛みのメカニズムとして迷走神経を通じた関連痛として考えられています。

6 上顎洞性歯痛

上顎の奥の空間に炎症が生じる疾患。風邪などに伴う、鼻の影響による副鼻腔炎の場合は耳鼻科での治療が必要になります。歯痛は上顎臼歯に生じやすいです。

7 精神疾患による歯痛

身体表現性障害や統合失調症、うつ病によって歯痛が出現することがあります。この場合は精神科で専門的治療が必要になります。

8 特発性歯痛

どの分類にも当てはまらない、原因不明の歯痛。時間の経過によって判明することもあリます。

上記8つに分類されます。

最後に

今回、歯の痛みについてご紹介させていただきましたが、痛みといっても原因ありました。

現在、お口のことでお困りのことがあれば、是非スタッフまでお声かけ下さいね。

この度はお忙しい中、お読みくださりありがとうございました。

2024年09月15日 15:54

唾液はなぜ出てくるの?

(h1)唾液はなぜ出てくるの?

みなさんこんにちは!辻中歯科医院のアシスタントです!本日はいくつか私自身も気になっていたのですが意外と知らない事についてお話ししようと思います!

(h2)唾液とは?

唾液とはお口の中にある唾液腺(耳の下・顎の下・舌の下)から分泌される液体のことです。唾液は1日におよそ1〜1.5L分泌されるといわれており、特に食べ物をよく噛む時に沢山分泌されます。1日の中で唾液の分泌量は変動があり、特に寝ている間は唾液が減少するのが特徴です。また、お口周りの筋肉や歯の衰えなどから噛む力が低下する為、唾液の量が減ったり、年齢を重ねるごとに服用している薬の影響、ストレスの影響などで唾液の分泌量が減るともわかっているそうです。

The role of saliva

(h3)唾液はどんな役割をしているの?

What is the role of saliva?

1つ目の役割は「お口の中を保護してくれる」

唾液にはお口の中を保護してくれる役割があり、虫歯になりにくくしたり、歯がすり減るのを防いでくれたり、お口の中の粘膜に傷がつかないように防いでくれたりします。

2つ目の役割は「虫歯を予防してくれる」

ご飯を食べるとお口の中は酸性に傾き、脱灰(歯の表面のエナメル質からカルシウムやリン酸が溶けること)がおこります。唾液はこの酸性に傾いたお口の中を中性に戻して、再石灰化を促すことができます。

3つ目の役割は「お口の中を清潔に保ってくれる」

お口の中に残った食べカスや細菌を流してくれます。また唾液がたくさん分泌されていると歯にプラーク(細菌のかたまり)がつきにくいともされています。

4つ目の役割は「食べ物を噛み砕いたり飲み込みやすくしてくれる」

かたくてパサパサした物やパンなどでも唾液と混ざることで、まとまって噛みやすくなり飲み込みやすくもなります。

5つ目の役割は「細菌やウイルスから守ってくれる」

唾液には抗菌成分が含まれている為、風邪やインフルエンザなどウイルスの予防にもなります。

(h3)ドライマウス(口腔乾燥症)とはなに?

唾液の分泌量が減り、お口の中が常に乾燥している状態のことを言います。ドライマウスの人は以下のような特徴があります。

●口が乾く、ねばねばする

●口臭が気になる

●虫歯や歯周病になることがある

●話しづらい、食べ物が飲み込みにくいなどがあります。

(h4)ドライマウスの原因はなに?

●生活習慣

●ストレスや緊張

●薬の副作用

●年齢を重ねるごとに

●お口で呼吸するなどが原因とされています。

(h3)唾液を出やすくするためにはどうしたらいい?

まずは、こまめに水分補給を心がけることが大切です。唾液は運動や刺激によっても分泌量が増えるので、笑ったり、お話ししたり、歌ったりなど日常的に口を動かすことがいちばん手軽なトレーニングと言えます。また、噛む回数が多いするめ、ガムなどの食べ物、刺激がある梅干しやレモンなどの食べ物を食べると唾液が増えます。他にも意識的に唾液を増やす方法もいくつかあり、唾液腺のマッサージや舌のトレーニングも有効的なので紹介させていただきます。

(h4)どのようなマッサージ方法がある?

Salivary glands

以下の唾液腺マッサージ方法は力を入れずに指で軽く圧迫するようにしてみてください!

●舌下腺(ぜっかせん)マッサージ

顎の真下から両手の親指で舌を押し上げるように10回ほど押します。

●顎下腺(がくかせん)マッサージ

親指を顎下の骨の内側の柔らかい部分を当て耳の下から顎の下まで5箇所ほどを、1箇所につき5回ずつ押します。

●耳下腺(じかせん)マッサージ

指数本を耳の前(上の奥歯あたり)に当て、指全体で10回ほどくるくると優しくマッサージします。

他には舌トレーニングがあります。

誰でも簡単にトレーニングができる「あいうべ体操」です。お口周りの筋肉と舌の筋肉も鍛えることができます!

Aiube Exercise

やり方は簡単で声を出さなくても効果はあります。

1「あ」

「あ」と大きな声をだすときのように、お口を大きく開けます。

2「い」

口を横に大きく広げます。口角や首にある頬骨筋、笑筋、広脛筋、胸鎖乳突筋も鍛えることができます。

3「う」

口を「う」の形にすぼめ前にだします。(タコのようなお口をイメージ!)

4「べー」

最後に思い切り舌が下顎につくイメージで出します。

あいうべ体操のポイントとしては大きく大げさに動かすことです!あいうべ体操を1セット10回とし、1日3セット(30回)おこなってみて下さい!

(h5)噛むことのメリット

皆さんは小さい頃に一度でも「よく噛んでご飯食べてね」と言われたことがあるのではないでしょうか?噛むことでどのようなメリットがあるのかお話していきますね。

1つ目は胃腸の働きを助けてくれる。

先ほどの唾液の話と重なる内容もあるのですが、消化酵素が含まれた唾液と食べ物を混ぜ合わせて食べることで胃腸への負担を和らげて、消化を助けてくれる効果があります。

2つ目は脳の機能を高めてくれる。

よく噛むことで脳が刺激され、血行がよくなり、栄養と酸素が供給されて脳の機能が活発になる効果が期待できます。よく噛んで食べている人は脳が活発に働くため、よく噛まない人に比べ集中力や注意力が高く保たれる可能性があります。他にも肥満防止や味覚の発達、歯の病気予防になるのでメリットがたくさんあります!

(h2)歯ブラシはいつ交換するのがいい?

toothbrush

歯ブラシの正しい交換時期は1ヶ月に1本が目安です。わかりやすい基準としては歯ブラシの毛先が広がっていれば替え時です。長い間使用していた歯ブラシは毛先が劣化してプラーク(歯垢)の除去率が60%位まで落ちます。ですので「毛先が広がっている・毛にコシがなくなっている」このような歯ブラシを使っていると頑張って綺麗に歯を磨いたとしても新しい歯ブラシと比べ約半分しか磨けていないのです。また細菌が繁殖する為、衛生面からみても1ヶ月交換が必要です。

清潔に保管するポイント3つ

①使った後はしっかり水で洗う

②良く水を切って乾燥させる

③植毛部を上にして乾燥させることが重要です。

(h3)歯ブラシの毛の硬さはどれを選んだらいい?

歯ブラシを選ぶ時、毛の硬さは「やわらかめ」「ふつう」「かため」色々あるけど結局どれを選んだらいいの?と思ったことはありませんか?毛の硬さ別でメリット・デメリットをお伝えしていくので、自分の歯に合った歯ブラシはどれか選んでみてください!

まず歯ブラシ「やわらかめ」のメリット

●歯肉が腫れている時でも刺激が少なく痛みが出ずに磨くことができる

●力を入れすぎてしまう方は歯肉を傷つけずに磨くことができる

●細かいところまで磨くことができる

デメリット

●プラーク(歯垢)を落とすのに時間がかかりやすい

●歯ブラシの毛先が広がりやすい

→汚れを落とす効果は低くなるので時間をかけて磨く必要がある

次に歯ブラシ「ふつう」のメリット

●プラーク(歯垢)除去率が良い

●販売しているラインナップが多い為、選択肢が多い

デメリット

●歯肉が腫れていると痛みが出る時がある

→痛みがある時はブラッシング圧優しくするか一時的にやわらかめのブラシを使う

最後に歯ブラシ「かため」のメリット

●歯の表面のプラーク(歯垢)除去率が高い

●プラークが硬めの方や、量が多い方におすすめ

デメリット

●歯肉を傷つけて歯肉が下がってしまいやすい

→ブラッシングする時の圧に要注意

歯ブラシの持ち方はペングリップ(鉛筆持ち)で、優しく細かく動かしてみて下さい!

(h2)最後に

いかがでしたでしょうか?皆さんも自分の歯茎や汚れの状態に合わせて歯ブラシを選んでみてください!辻中歯科医院では歯ブラシの指導も行っているので是非気になった方はお声掛け下さい!最後までお読みいただきありがとうございました。

2024年09月07日 01:00