医療法人良光会 辻中歯科医院

摂津市千里丘でマウスピース矯正・予防歯科ならJR千里丘駅徒歩1分の辻中歯科医院へ

ホームブログページ ≫ 歯周病の外科治療が必要になるケースとは?行う内容や注意点も ≫

歯周病の外科治療が必要になるケースとは?行う内容や注意点も

こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。

歯周病は、日本人が歯を失う原因として最も多い病気のひとつです。初期段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。重度になると歯を支える骨が溶け、最終的には歯が抜け落ちることもあります。

進行した歯周病に対しては、通常のブラッシング指導やスケーリングだけでは不十分であり、専門的な外科治療が必要になることがあります。

この記事では、歯周病の外科治療が必要とされる具体的なケースや治療内容、受ける際の注意点などについて詳しく解説します。歯周病の進行を防ぎ、大切な歯を守るための知識としてぜひ参考にしてください。

歯周病の外科治療が必要になるケース

歯周病の外科治療が必要になるケースを紹介する歯科医師

歯周病が進行すると、歯茎の奥深くにまで細菌感染が及び、通常のクリーニングや薬剤だけでは改善が難しくなることがあります。初期段階では非外科的な治療で対応できますが、一定のラインを超えると外科的な処置が必要となるのです。

ここでは、歯周病の外科治療が検討される具体的なケースについて解説します。

非外科治療では改善が見られないケース

歯周基本治療(非外科治療)を行っても歯茎の炎症が治まらず、歯周ポケットが深く残っている場合は、外科的なアプローチが必要とされます。特に、歯周ポケットが6ミリ以上あると、通常のスケーリングでは奥深くの歯石や感染組織を取り除くのが困難です。

こうしたケースでは、歯茎を切開して目視で感染部分を除去するフラップ手術などが検討されます。

歯槽骨の破壊が進んでいるケース

歯周病が進行すると、歯を支える骨である歯槽骨が吸収され、歯がグラつくようになります。骨の形態が不規則になったり、大きな骨欠損が認められたりする場合には、再生療法などを含む外科的処置が行われることがあります。

これにより、歯を支える環境の再構築が可能となり、将来的な抜歯のリスクを軽減できます。

清掃が困難なケース

歯が極端に傾いていたり歯茎の形態が不自然だったりして歯ブラシが届きにくい部位は、プラークが蓄積しやすく、炎症が慢性化しやすくなります。そうした部位では、外科処置によって歯肉の形を整え、清掃しやすい口腔内環境を整えることが求められます。

歯周病の外科治療で行う内容

歯周病の外科治療の様子

歯周病の外科治療と一口にいっても、実際には複数の治療法が存在し、それぞれ目的や手法が異なります。そのため、患者さまの歯周病の進行状況や口腔内の状態に合った治療法が選ばれます。

ここでは、代表的な歯周外科治療の内容について具体的にご紹介します。

フラップ手術

フラップ手術は、進行した歯周病に対して最も一般的に行われる外科処置のひとつです。歯茎を切開し、歯根に付着した歯石や感染組織を直接目で確認しながら徹底的に除去します。

非外科治療では届かない深部の汚れまで除去できるため、炎症の改善や歯周ポケットの縮小が期待できます。また、手術後は歯茎が引き締まり、プラークがたまりにくい状態になります。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜などの組織を再生させるために行う治療法で、骨や周囲組織の再生を促進します。特に骨の欠損が大きい場合に効果的であり、歯の寿命を延ばすことが可能になります。

ただし、すべての症例に適応できるわけではなく、適切な診断と条件の整備が必要です。

歯肉切除術や歯肉整形術

歯周ポケットの形状が不自然で清掃が困難な場合には、歯肉切除術や整形術が行われます。これらの処置によって歯茎の形を整えることで、患者さま自身が日常的に歯ブラシで汚れを取り除きやすくなり、歯周病の再発を防ぐ環境を作れます。

歯周病の外科治療を受けるメリット

歯周病の外科治療を受けるメリットのイメージ

外科治療というと、大がかりで怖いというイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし、適切なタイミングで歯周病の外科治療を受けることには、多くのメリットがあります。非外科的治療だけでは改善が難しいケースに対して、より確実な効果をもたらすのが外科的アプローチです。

ここでは、歯周病の外科治療を受けるメリットについて見ていきましょう。

炎症の根本原因を除去できる

外科治療では、歯茎を開いて目視のもとで歯石や感染組織を除去できるため、見えない場所に潜む炎症の原因を根本から取り除くことができます。歯茎の腫れや出血といった症状の改善だけではなく、歯周ポケットの深さも縮小され、口腔内の健康状態が大きく向上します。

歯の保存につながる

外科的に感染源を除去し、歯周組織の再生を促すことで抜歯のリスクを軽減できます。これにより、歯を残すことが可能になります。特に、重度の歯周病においては、外科治療による対応が歯を残すための最後の手段となることもあります。

自分の歯をできるだけ長く維持することは、将来的な咀嚼能力や生活の質にも大きな影響を与えます。

再発予防につながる

外科処置によって歯茎の形が整えられ、ブラッシングがしやすくなると、プラークの蓄積が防げるようになります。結果として、歯周病の再発リスクが下がり、長期的に健康な歯茎を維持しやすくなるのです。

定期的なメインテナンスと組み合わせることで、治療効果の持続も期待できます。

歯周病の外科治療を受ける際の注意点

歯周病の外科治療を受ける際の注意点のイメージ

歯周病の外科治療には多くのメリットがありますが、手術である以上、リスクや制限事項も存在します。治療の効果を最大限に引き出すためには、術前・術後の過ごし方や生活習慣への配慮が必要です。

ここでは、歯周外科治療を受ける際に患者さまが知っておくべきポイントをご紹介します。

術後一時的に腫れや出血などが現れる

外科治療においては、治療後、一時的に腫れや出血、違和感などが生じることがあります。これらの症状は通常数日以内に治まりますが、収まらない場合や痛みがひどい場合などは、担当の歯科医師に相談しましょう。

また、冷やしたり安静にしたりすることで症状が軽減できる場合もあります。

治療後はセルフケアが必要

手術によって一時的に状態が改善しても、その後のセルフケアを怠れば再発する可能性があります。特に、術後は丁寧なブラッシングやフロスの使用が求められ、必要に応じてプロフェッショナルケアも継続的に受けることが推奨されます。

また、定期検診の重要性も忘れてはなりません。

禁煙・生活習慣の見直しが必要

喫煙は歯茎の血流を悪化させ、治癒を遅らせる要因となるため、治療前後には禁煙が強く勧められます。また、糖尿病などの全身疾患を持つ方は治療の成功率が低下する可能性があるため、全身の健康管理も重要です。

生活習慣全体を見直し、口腔だけではなく、体全体の健康維持を意識することが歯周病治療の成功につながります。

歯周病の外科治療を受けられない人

歯周病の外科治療を受けられない人について説明する歯科医師

歯周病が進行している場合でも、すべての人が外科治療を受けられるわけではありません。身体の状態や服用している薬、生活習慣などによって、手術が受けられないケースもあります。

安全かつ効果的な治療を行うためには、事前にこうした制限やリスク要因を正しく理解しておくことが大切です。

全身疾患が管理されていない人

糖尿病、高血圧、心疾患などの全身疾患がある場合、歯周病治療の成功率が低下するだけでなく、術中・術後に合併症が起こるリスクも高まります。特に、血糖コントロールが不十分な糖尿病患者は、感染や治癒遅延の可能性があるため注意が必要です。

主治医と連携し、全身状態の安定が確認できるまで治療を延期する場合もあります。

抗凝固薬を服用している人

心臓疾患や脳梗塞の予防のために抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)を服用している方は、出血のリスクが高く外科的処置が難しくなることがあります。近年では、休薬せずに手術を行うケースもありますが、内科の医師と相談のうえ慎重に判断しなければなりません。

喫煙習慣のある人や口腔ケアが不十分な人

喫煙は歯周病のリスクを高めるだけではなく、外科治療後の治癒を妨げる要因にもなります。また、日頃のブラッシングが不十分な方や、自己管理が難しいと判断された方は、外科治療によって一時的に改善しても再発するリスクが高いです。

そのため、まずは生活習慣やセルフケアの改善から始める必要があります。

まとめ

歯周病の外科治療を終えて食事を楽しめるようになった女性

歯周病は、放置すると歯を失う原因となる深刻な疾患ですが、早期に適切な対応を行えば進行を食い止めることができます。外科治療は、通常の処置では改善が難しい、進行した歯周病に対して有効な手段であり、歯の保存や口腔内環境の改善に大きく貢献します。

ただし、すべての人が受けられるわけではなく、全身の健康状態や生活習慣によっては受けられない場合もあります。

歯を守るためには、外科治療だけでなく日常のセルフケアや定期的なメインテナンスも欠かせません。長く健康な歯を維持するために、今一度ご自身の口腔ケアを見直してみてはいかがでしょうか。

歯周病の外科治療を検討されている方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。

当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら仮予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。

2025年06月20日 12:00