大人の受け口矯正!治療法や費用、放置するリスクも

こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。
「長年見た目にコンプレックスがある」「噛み合わせが悪い」と、大人になってから受け口を矯正したいと考える方は少なくありません。受け口の原因や症状によって治療法は異なるものの、大人になってからでも治療はできます。
この記事では、大人の受け口の治療法や費用、放置するリスクについて解説します。
受け口とは

正常な噛み合わせとは、奥歯を噛み合わせた際に上の前歯が下の前歯に数mm覆う状態です。
しかし、上下の噛み合わせが反対になり、下の前歯が上の前歯よりも前に出る状態を受け口といいます。歯科用語では反対咬合や下顎前突と呼ばれ、下顎が前に出ることでコンプレックスを抱える方も少なくありません。
さらに、受け口は機能的な問題を抱えることも多く、歯の寿命を縮めたり、全身の健康に悪影響を及ぼしたりすることがあります。
受け口の種類
受け口は、原因ごとに以下の2種類に分けられます。
骨格が原因の受け口
受け口の原因の1つが、骨格的な問題です。歯のサイズや顎のバランスは、親や祖父母からの遺伝による影響を受けやすいといわれています。そのため、ご家族に受け口の方がいる場合、自分も受け口になることがあるでしょう。
また、下顎に比べると上顎が小さすぎる、反対に上顎に比べて下顎が大きすぎるなど、上下の顎のバランスが悪いことで受け口を発症するケースもあります。子どもの受け口が骨格的な問題の場合、顎の成長を促すことで治療ができることがほとんどです。
しかし、大人の場合は骨格のコントロールが難しいため、外科治療が必要になることがあります。
歯並びが原因の受け口
受け口の2つ目の原因は、上の前歯が内側に傾斜している、もしくは下の前歯が外側に傾斜しているなどです。歯の向きや生え方によって、噛み合わせが反対になり、受け口に発展することがあります。
歯並びが悪化する主な原因は、口呼吸や指しゃぶり、舌癖、唇を噛む癖など、悪い生活習慣によるものです。これらの癖を放置していると、受け口だけでなく他の不正咬合も併発することがあります。
また、歯並びが悪くなることで、虫歯や歯周病のリスクを高め、歯の寿命を縮めることがあります。そのため、癖を放置せず、矯正治療と並行して生活習慣を改善することが大切です。
受け口を放置するリスク

受け口は、外見や滑舌に悪影響を及ぼし、コンプレックスにつながることがあります。また、口腔トラブルや全身の不調の原因にもなることもあるので注意が必要です。
顔貌に悪影響を及ぼす
受け口は下顎が大きく見えることで、お顔が大きく見えたり、バランスが悪く見えたりと、見た目に悪影響を与えます。人によっては自分の見た目に自信が持てず、引っ込み思案になったり、うつむきがちになったりすることがあるでしょう。
外見のコンプレックスを抱えることは、心身のストレスにつながり、日常生活に支障をきたすかもしれません。さらに、悪い歯並び・噛み合わせのまま放置していると、お顔の変形につながることもあります。
滑舌が悪くなる
上下の前歯の間に不要な隙間ができることで、空気が漏れたような滑舌になることがあります。また、前歯の噛み合わせが悪いことで舌の可動域が狭まり、舌を使って音を出すサ・タ・ラ行などは発音しにくくなることがあります。
滑舌が悪くなると他人と話すことを避け、会話自体に苦手意識を抱えることもあるでしょう。
歯の寿命を縮める
悪い噛み合わせのまま過ごすと、一部の歯にだけ負担がかかり続けます。歯がすり減ると、知覚過敏を起こしたり、歯の変形によりさらに噛み合わせが悪化したりすることがあるので注意が必要です。
また、前歯が噛み合わないことで、奥歯にばかり負担がかかります。これにより、奥歯の寿命を縮め、早い時期に歯を失うことにつながる恐れもあるでしょう。
虫歯・歯周病のリスクを高める
噛み合わせの悪化により、歯の摩耗や破損が起こると、虫歯や歯周病のリスクを高めます。一部の歯にばかり負担がかかると、歯を支える歯茎や顎に炎症を起こし、歯周病の悪化を早めることがあるのです。
また、歯の擦り減りや欠け、割れが起こった場合には、細かな亀裂に汚れが入り込み、虫歯を発症しやすくさせるのです。虫歯や歯周病のリスクが高まると、将来的に歯を失うリスクが高まります。
歯を守るためにも、受け口を放置せず、早期に治療を開始するのがよいでしょう。
顎関節症の発症リスクが高い
他の不正咬合に比べると、受け口は顎関節症の発症リスクが高いといわれています。前歯でうまく噛み合わないことで、顎関節や顎に負担をかけるからです。
顎関節症を発症すると、完全に治すことは難しいといわれています。また、口の開閉時に痛みを伴い、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。重症化すると、外科治療が必要になることもあります。
全身の不調につながる
噛み合わせが悪いまま放置していると、頭部や顎の位置が安定せず、全身のバランスが悪くなることがあります。肩こりや頭痛、めまいなどの全身の不調につながることもあるのです。
大人になってからでも受け口の矯正はできる?

結論から申し上げると、大人になってからでも受け口の治療は可能です。受け口には2種類あり、それぞれに治療法が異なります。
歯並びが原因の受け口は、矯正治療により治療ができることがほとんどです。上の歯を前に出す、もしくは下の歯を後方に引っ込めることで、受け口を改善できるでしょう。骨格が原因の受け口の場合、矯正治療と並行して外科治療が必要になることがあります。
子どもの受け口の場合、顎の拡大が可能なため、抜歯やIPR、外科治療の必要なく、矯正治療のみで治療できることが多いです。
しかし、大人の場合は顎の成長が止まっているケースが多いです。顎の拡大が難しいため、スペースが足りなければ抜歯やIPRが必要になることがあります。そのため、大人の受け口の場合、大がかりな治療が必要になったり、治療が長期化したりすることも珍しくありません。
お口の状態によって、適切な治療法は異なります。受け口の治療法について詳しく知り、歯科医師とよく話し合って治療法を検討することが大切です。
受け口を矯正する方法

受け口の治療法は、以下の3つです。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、歯の表面に固定式の装置を取り付け、歯並びを整える方法です。歯1本1本に強い力がかかるため、どんな歯並びにも対応できます。また、大学病院でも取り扱われる治療法のため、抜歯や外科治療が必要な難しい症例できるのがメリットです。
ただし、装置による違和感や痛みが出やすいといわれています。装置の取り外しができないため、ケアができなければ虫歯・歯周病のリスクを高めることがあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、マウスピースを交換しながら徐々に歯並びを整える方法です。マウスピースの形に合わせてゆっくり歯を動かすため、違和感や痛みが出にくいのがメリットです。
ただし、歯を大きく動かすことは不向きのため、軽度の受け口にしか対応できません。骨格的な問題はないケースや前歯の歯並びが原因で受け口になっているケースには、対応できる可能性が高いでしょう。
歯を並べるスペースが足りない場合には、抜歯やIPRが必要になることがあります。お口の状態によっては治療できないこともあるため、歯科医師とよく相談することが大切です。
外科治療
骨格的な問題で受け口になっている場合は、矯正治療と併せて外科治療が必要です。外科治療では、顎の一部を切除したり、顎の位置を調整したりする治療を行います。
外科治療で顎のバランスを整え、その後に矯正治療で歯並びを整えるのが一般的です。お口の状態によっては、外科治療の前にも矯正治療を行う場合があるでしょう。
受け口を矯正する場合にかかる費用

受け口を矯正する場合にかかる費用は、以下の通りです。
- ワイヤー矯正:約30万円~170万円
- マウスピース矯正:約40万円~100万円
- 外科治療:約140万円~400万円
矯正治療の費用は、受け口の症状や治療の範囲によって異なります。軽度の受け口の場合、約30万円~60万円で治せることがあります。
しかし、全体矯正が必要な場合は、約80万円~170万円かかるのが一般的です。軽度の受け口であればマウスピース矯正も可能ですが、重度の受け口の場合にはワイヤー矯正しか選択できないケースもあることを理解しておきましょう。
また、外科治療が必要になると、約140万円~400万円と高額になるのが一般的です。保険が適用される場合、費用を抑えられるでしょう。例えば、噛み合わせの異常がある場合や顎変形症、外科手術を必要とする噛み合わせの異常が認められた場合です。
お口の状態によって費用は異なりますので、詳しい費用については歯科医師にご相談ください。
まとめ

大人になってからでも、受け口の治療は可能です。受け口を放置し続けていると、歯の寿命を縮め、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。そのため、受け口が気になった時点で、歯科医院を受診するのがよいでしょう。
受け口の治療法には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正、外科手術の3つがあります。受け口の原因や症状によって、適切な治療法は異なります。大人になってからの受け口の矯正治療を検討されている方は、一度歯科医院に相談してはいかがでしょうか。
受け口の矯正を検討されている方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら、仮予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。