医療法人良光会 辻中歯科医院

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根管治療(こんかんちりょう)について

こんにちは!辻中歯科医院のTCです。

肌寒くなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

今回は神経まで虫歯菌が達した際に行う根管治療についてお話しします。

「こんな症状がでた時はこんな治療になるのだな」「根管治療ってしたことあるけど、口を長く開けているだけで見えないし、何をしているかわからない」等、皆様の参考になれば幸いです。

根管治療(こんかんちりょう)とは

根管治療は歯の内部の神経や血管(歯髄)に問題がある場合に行われます。

皆さんも歯が何もしなくてもズキズキと痛んで、どうしようもなくなったことはありませんか?

根管治療になる代表的な症状ですが、そのズキズキは、歯のエナメル質、象牙質を通過し、歯の神経のお部屋の部分まで虫歯菌が到達してしまった時にみられる症状です。

痛みは我慢してもなかなか消失せず、時間が経過し、痛みがなくなったからといってそのままにしておくと、歯を残すのも難しくなってしまいます。

根管治療は歯の寿命を延ばすために大切な治療です。

やむなく虫歯が大きくなり、根管治療が必要になってしまっても、適切な治療をすることで歯を残すことができます。

根管治療の流れと使用する器具

根管治療は小さな虫歯に比べて、何回も通う必要がある治療です。
治療は複雑で、さまざまな器具が使用されます。

1.麻酔

麻酔

治療の最初のステップとして麻酔から行います。まだ神経が生きている状態ですと、そのまま削ると激痛を伴います。痛みを感じず、安全に治療をするために麻酔は欠かせません。

①表面麻酔

歯茎に注射針を刺すときの痛みを軽減するために使います。

②注射針

痛みを軽減するため極細の針を使用します。辻中歯科医院では35Gを使用しています。

③麻酔カートリッジ

麻酔薬です。5分ほどで効いてきます。持続時間は2〜3時間程度です。

④注射器

麻酔カートリッジと注射針を取りつけ使用します。

2.歯を削る

”歯を削る”道具

神経の通っている穴(根管)を探すため、歯を削ります。虫歯の範囲が大きいと、歯は歯茎から出ている上の部分がほとんどなくなることもあります。あまり大きくない虫歯ですと、虫歯の部分を削り、根管を探して削ります。

①ダイヤモンドバー

ダイヤモンド粒子が取り付けられた金属の棒です。
歯は硬いので、ダイヤモンド粒子が硬い歯の組織を削ったり磨いたりする際に役立ちます。
正確に形成、調整することができます。

②5倍速
歯を削る

ダイヤモンドバーを取り付けるハンドピースです。

ダイヤモンドバーを取り付け、高速で回転させることで歯を削ります。

3.歯の神経(歯髄)の除去

”歯の神経(歯髄)を除去”する道具

歯を削って露出した根管から歯髄を取り除きます。特殊なファイルを使用して、歯髄を丁寧に除去します。根管は狭く細く奥深くまで続いており、完全に歯髄を除去しなければお痛みが続く可能性があります。歯髄を完全に殺すお薬(ペリオドン)を入れることもあります。

ここまででいったん仮の蓋をして終了ですが、治療は始まったばかりです。根管治療は途中でやめると歯を残せなくなってしまうこともありますので、痛みがなくなったから大丈夫、ということではありません。

①EMR

歯の根の長さを測る機会です。

ピッピッと音が鳴ります。

②ファイル

EMRに装着して使用します。

単体でも使用します。

根幹の中をキレイにする器具です。

歯の神経を取り除きます。

③ペリオドン

残っている神経を殺すお薬です。

少量をファイルにつけて根幹に入れます。

④キャビドン(仮の蓋)

次回の来院児まで、バイ菌が入らないように仮の蓋をします。

4.根管の洗浄と消毒

”根管の洗浄と消毒”の道具

歯髄を取り除いた後、根管内を洗浄し消毒します。これにより、残存した微生物や細菌が除去され、感染の再発を防ぎます。洗浄には特殊な洗浄液が使用されます。

①EMR

歯の根の長さを測る機械です。

②ファイル

EMRに装着して使用します。根管の中をキレイにする器具です。

③RCプレップ

歯の内部を湿らせてゴミが詰まらないようにする材料です。

④カルシペックス

炎症を抑えて、菌が入らないようにする薬剤です。

⑤NC(次亜塩素酸)

消毒薬です。殺菌効果が高い薬剤です。

⑥メジャー

歯の根の長さを記録するときに使用します。

⑦キャビトン(仮の蓋)

次回までバイ菌の侵入を防ぐ仮の蓋です。

5.根管の充填

”根管の充填”に使用する道具

根管内の洗浄が終わると、根管内に特殊な材料を充填し、根管を密閉します。これにより、再感染や空洞の形成を防ぎます。根管内に十分な根管充填が行われているかX線写真を撮り確認します。歯の根の先までしっかり材料が充填されていれば、根管治療は終了です。

① キャナルシーラー

ガッターパーチャと根管との密着性を補助するための糊のような材料です。

②ガッターパーチャ

根管内を隙間なく埋めていく材料です。

③紙練板

キャナルシーラーをこの上で練ります。

④ピンセット、スプレッダー、プラガー

ガッターパーチャを根管内に埋めていく際に使用します。

⑤バーナー

根管内がガッターパーチャでいっぱいになったら、プラガーを熱し焼き切ります。

⑥Uファイル

ガッターパーチャを埋める前に根管内を洗浄する器具です。

⑦根管内バキューム

根管内に不要な水分が残らないように吸い取る器具です。

⑧ デンタル撮影

最後に部分的なレントゲンを撮影し、根の先までしっかり詰まっているか確認します。

6.歯の再建

歯の再建

根管治療が終了したら、歯を再建していきます。残存している歯質の量にもよりますが、多くの方は歯を補強するため、根管充填をした上に土台(コア)を作り、その上に歯の形をした被せ物(クラウン)を取り付けます。歯をもとの形に戻し、歯の強度と機能を回復します。

※土台や被せ物の種類を詳しくご紹介している記事がありますので、そちらを参考にしていただけますと幸いです。

一度根管治療を終了した歯でも、再治療が必要になることもある

一度根管治療を終了した歯は、かぶせ物をし、目で見る限り作られた歯で覆われており、もう虫歯にはならないのでは?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

なんとTCである私がそのように考えていました。。。

 「神経がないんだからもう痛みは出ないだろう。」

「虫歯は天然の歯がなるものだから、かぶせ物をしたら虫歯になるスペースがない。」

「だから神経を取った歯は、実は無敵なんじゃないか?」と。

辻中歯科医院に入社して約4年の月日が経とうとしておりますが、無知って恐ろしいなと痛感した4年でもありました。

被せ物で見えていないだけで、根っこは自分の歯なんですよね。

ということは虫歯になる可能性はあるのです。

盲点でした。

歯医者で働くようになって、いろんな患者さんの歯をみて、レントゲンを見て…

毎日が刺激でいっぱいでした。

その中でも、根管治療の難しさを肌で感じてまいりました。

歯の根は奥歯ですと3~4つあります

奥歯で3~4の歯の根があります

その一つ一つをしっかりと洗浄しなければなりません。

歯の根は複雑でまっすぐではありません。

曲がっている人もいらっしゃいます。

小さな、狭くて細い穴を特殊な器具で洗浄していくのはとても大変な治療です。

その洗浄した穴を材料で密閉する根管充填はさらに高い技術を必要とする治療です。

根管充填は、根管治療の際に丁寧に微生物や細菌を除去していきますが、0にできるわけではありません。

微生物や細菌の大きさはミクロ単位ですので、どこからか入り込んで歯の根に感染し、膿をつくることがあります。

歯の根に膿がたまると、噛んだ時痛みを感じたり、たまった膿が出口を求めて歯茎にニキビのようなものを作ることがあります。

そうなると必要になるのが再根管治療です。

このようなことは、かぶせ物と歯の間に虫歯ができて徐々に再感染したり、根管治療でしっかりと微生物が取り除けていなかった場合や、根管充填が不十分だった場合に起こります。

歯科医師の技術に左右される面も多少ありますが、ご自身の免疫力が弱くなっていたりする場合でも再感染を起こすことがあります。

歯の根に膿ができてしまうと、再根管治療もしくは、歯の根の先端を切って膿ごと取り除く根尖手術を行わない限り、治ることはありません。

一時的な症状の緩和剤として抗生物質を処方しますが、抗生物質では膿はなくなりません。

風邪のように自然に治ることはありませんので、一度治療した歯に違和感を覚えたら、歯医者を受診してください。

再根管治療

再根管治療が必要な状態

画像は再根管治療が必要な状態の歯のレントゲン写真です。

歯の根元部分が黒っぽくなっているのは、膿が溜まっている箇所です。

一度根管治療を終了した歯に行う再根管治療は、かぶせ物を取り除き、さらに根管に充填された材料を取り除き、洗浄と消毒を繰り返し行う根気のいる治療です。

膿が消失するまで、根管内が綺麗になるまで何度も洗浄と消毒を行いますので、一回目の治療よりも回数がかかります。

「途中で通うのがめんどくさくなった」などの理由で放置すると、歯を残すことが難しくなりますので、頑張って通うようにしましょう。

定期的に歯医者に通うメリット

根管治療は、歯を失うことなく歯の機能を回復するために非常に有効な治療法であり、適切なケアを受ければ歯の寿命を延ばすことができます。治療後、患者様は定期的なメンテナンスを受けることで、虫歯リスク、歯周病のリスクを下げることができます。

被せ物をした歯が、歯茎が下がることにより、境目が露出するようになると、そこから虫歯が進んでまた治療のやり直しの必要性がでてくることもあります。

そういった「やりなおし」などの必要性を、定期的に通っていれば衛生士が見つけてくれます。その他にも、「おかしいな」と感じる歯の違和感なども伝えやすいので、歯科医師の治療を早く受けることができます。適切な口腔衛生ケアを続けることが再治療を防ぐためにもとても大切です。

衛生士による定期的な口腔衛生ケア

自分の歯でいつまでも噛めるように

虫歯になってしまった歯でも、歯の寿命を延ばすことができます。

それには、患者さん自身が歯について意識を高めることが大切です。

何も症状がないと、つい定期的なメンテナンスを怠ってしまう場合もあるかと思いますが、虫歯は知らない間に進行しています。

あなたはいつ、歯のお掃除をしましたか?

虫歯のチェックを最後にしたのはいつですか?

そういえば最後に歯医者に行ったのっていつだっただろう…?

そんな方は是非歯医者の予約を取ってください。

何も症状がなくても、虫歯はなくても歯石はたまっているかもしれません。

辻中歯科医院は皆様のお口に最適な治療、メンテナンスを行っています。

心配事がおありでしたら、小さなことでも構いませんので何でもご相談ください。

辻中歯科医院はインターネットの予約も受け付けております。

お急ぎの方は是非、お電話で!

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2023年11月04日 00:00