医療法人良光会 辻中歯科医院

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保険の補綴物と自費の補綴物の違い

こんにちは!辻中歯科医院のTC(トリートメントコーディネーター)です。
今回は保険適用の補綴物の種類や自費の補綴物との違い、メリット・デメリットについてご紹介します。

「補綴物」とは?

補綴物とは?

聞きなれない言葉ですが、「補綴物」で代表的なものは「銀歯」です。
少し大きな虫歯を治療する際によく使われる素材なので、皆さんのお口の中にも1つはあるのではないでしょうか。

補綴物には、保険が適用されるものと、保険外・自費のものがあります。当院では、保険適用外の自費の補綴治療も行っています。

自費の補綴を検討する際には、その種類や保険適用の補綴とそうでない補綴の違いについて理解しておくことが大切です。

保険適用の補綴物

保険適用の歯

保険診療の補綴物は、患者さんの保険で賄われるため、自費診療の補綴物よりも費用を抑えることができます。ただし、保険適用の補綴は適用範囲によっては患者さんの自己負担が発生する場合があります。

メタルクラウン(銀歯)

メタルクラウン(銀歯)

歯の治療でよく使われる補綴物ですが、銀歯はどんな素材でできているかご存じでしょうか?
歯科治療で使われる銀歯は、金12%、パラジウム20%、銀50%前後、銅20%前後、亜鉛など、いろいろな素材が混ざってできています。
銀歯は虫歯菌が排泄する酸などの影響で溶かされ、溶けだした成分は体内に吸収されます。
金属アレルギーなど体への悪影響をおよぼす可能性があり、既にドイツでは使用が禁止されています。

さらに歯周病菌も銀歯に対して悪影響を与えます。歯周病菌が出すガスにより「硫化銀」というサビを作ります。銀歯が劣化すると歯と銀歯の境目に隙間ができ、そこから虫歯菌が入り込み虫歯が再発してしまいます。補綴物の中でもっとも虫歯になりやすい素材です。

CAD/CAM(キャドキャム)

保険適用の白い補綴物です。素材はプラスチックとセラミックが混ざった素材です。
適用範囲には条件があり、前から4番目、5番目、6番目の歯が適用範囲になります。しかし、前から6番目の歯にCAD/CAM(読み方)を入れるには、前から7番目の歯が上下左右4本すべて残っていることが条件です。
金属アレルギーなどの問題から適応範囲が拡大しており、金属アレルギーの方は前から7番目の歯もCAD/CAMを使用することができますが、その際は医師の診断書が必要になります。
銀歯より白い被せ物が良い、という患者さまから人気の素材ですが、プラスチックが混ざっているため割れやすく、歯ぎしりをされる方、かみ合わせの強い方にはお勧めしておりません。年数がたつと変色し傷もつく為、プラークが付着しやすい素材です。虫歯になりやすい素材と言えます。

自費の補綴物

フルジルコニアクラウンとインレー

当院で扱っている自費の補綴物はさまざまな種類があります。
自費の補綴物は保険治療に比べて高額になりますが、口腔内の悪影響を受けづらい為、虫歯が再発しにくいといった点や、審美性、使用感など、長い目で見ると歯を長持ちさせることができるというメリットがあります。

【ジルコニアボンド】

作りは天然歯と同様に層になっており、素材は真ん中が酸化セラミック、周りがセラミックでできています。
審美性が高く、人工ダイヤモンドと呼ばれるほど硬く丈夫な素材です。
天然歯と見違えるほど美しい仕上がりです。
セラミックの表面は非常になめらかで、プラークが付きにくく着色もしません。
金属ではなく陶器の部類になりますので、大昔の壺やお皿が今でも綺麗な状態で飾られているのを見たことがあると思いますが、イメージとしてはそれと同じです。
口腔内での悪影響をうけにくく、虫歯になりにくい素材です。

【フルジルコニア・グラデーションタイプ】

素材は酸化セラミックとステインでできており、上下の層になっています。
こちらもジルコニアボンドと同様審美性が高く、硬さも同等であり、虫歯になりにくい素材です。

【フルジルコニア・単色タイプ】

素材は酸化セラミックのみでできています。
単色タイプは決まったお色味の中から、隣の歯に合わせたお色味を選択し作成します。
審美性は他の自費の補綴と比べるとやや劣りますが、虫歯になりにくいといった点や硬さなど、他の自費の素材と変わりません。奥歯など微妙な色調を必要としない歯に向いています。

【オールセラミックe-max】

素材はニチイ酸リチウムガラスセラミックとステインです。
透明感のある仕上がりで、前歯に向いています。
根本的にガラスであることから、他の自費の補綴物よりは強度がやや劣ります。
虫歯になりにくいといった点は同じです。
※ジルコニアボンドや、フルジルコニア、オールセラミック等の素材は、強度は十分にありますが、歯ぎしりや食いしばりなどで稀に欠けたり割れたりすることがあります。
歯ぎしりをされる方にはナイトガード(寝ているときの歯ぎしりから歯を守るマウスピース)をお勧めしています。

【GOLD(金歯)】

自由診療(自費)の歯

素材は金でできています。見た目には少し抵抗がある方もいらっしゃいますが、口腔内の悪影響をうけづらく、大変長持ちする素材です。
GOLDは天然の歯と同じくらいの硬さであるため、噛み合う歯にやさしい素材です。
噛むほどに歯になじんでいき、隙間ができにくく、プラークを寄せ付けません。
セラミック等は稀に割れたりかけたりすることがありますが、GOLDは金属なのでその心配はありません。

今ある歯を長持ちさせるには

歯は無限ではありません。
削ったところが自動的に修復され元に戻る、ということはありません。
歯の神経も、一度とってしまったらもう復活することはありません。
歯の治療は口腔内の環境など個人差もありますが、何度でもできるわけではないのです。
歯を残すために大事なことは、歯の再治療を防ぐことです。
保険と自費との治療費の違いはありますが、虫歯が再発しにくいといった点や、見た目、使用感など長い目で見ると自費の補綴を行うほうが良いということも考えられます。

そして、最も大切なことは、虫歯をつくらないことです。

毎日のブラッシングにフロスや糸ようじをプラスすることや、だらだらとジュースを飲んだり飴などを食べないことなども虫歯予防になります。

虫歯にならなければ、補綴物を使用する必要もありません。
今ある歯を大切にしていきましょう。

2023年05月16日 00:00