乳歯と永久歯について
こんにちは。辻中歯科医院歯科衛生士予防チーム(YDH)です。
今回は、乳歯と永久歯について、違いや生え変わりの時期などについてお話をさせていただきます。
目次
乳歯について
乳歯の特徴
乳歯は上下各10本の合計20本あります。
乳歯の色は青白色している乳白色の色になります。乳歯は永久歯(大人の歯)と比べて硬度が低いためむし歯になりやすく、むし歯になると進行も速いと言われています。
乳歯は、咀嚼(お口の中で食べ物を良く嚙み砕き味わうこと)をするための歯の機能だけでなく、後から生えてくる永久歯のためのスペースの確保や、咀嚼による筋肉や顎骨の成長・発育のための重要な機能を担っています。
乳歯の形成時期
乳歯の形成は、母親のお腹の中にいる時から既に始まっています。
基本的には1番早くて胎生7週(妊娠9週)頃から形成し始め、1本の乳歯は萌出後、だいたい約1〜2年ほどで完成してきます。
乳歯は大部分が母親のお腹の中にいる時期から始まっており、妊娠中の栄養不良や薬の服用などは乳歯の形成に影響を及ぼす可能性が高いため、健康状態の注意が必要となります。
生まれてくる赤ちゃんの歯のことを考えると、妊娠中は特に歯の組織を強くするようなリン(タンパク質の多い食べ物)肉(特にレバー)や魚、卵、乳製品(牛乳やチーズ等)やカルシウム牛乳やチーズ、ヨーグルト、小魚、豆腐、納豆等を積極的に摂るようにしましょう。
乳歯の萌出時期(歯が生え始める事)
最も早い時期に萌出する歯で、生後6〜7ヶ月頃に下の中央前歯(下顎乳中切歯)が萌出してきます。
萌出は、下の前歯から始まり、7ヶ月頃に上の前歯が生え始めます。その後、第一乳臼歯と言われる奥から2本目の乳歯、その1本手前の乳犬歯と言われる歯が1歳〜1歳半頃に生えてきます。
最後に、第二乳臼歯と言われる1番奥の大きな乳歯が2歳頃に萌出してきて、約3歳頃には乳歯が全て生え揃い乳歯列が完成します。
ただし、歯の萌出時期は多少の個人差がありますので、すでに3歳になっているのに乳歯20本全て生え揃っていないということもありますので、だいたい前後半年程度は誤差の範囲です。
永久歯について
永久歯の特徴
永久歯は上下各14本の合計28本あります。親知らずも含めると最大で32本あります。
永久歯は2種類あり、乳歯が脱落して乳歯の後に生え代わる永久歯のことを代生歯といい、乳歯の後方に生える永久歯を加生歯ともいいます。
永久歯の色は乳歯と違い、黄白色(栄養が沢山詰まっている)をしています。歯の表面の組織が乳歯よりも厚く、大きさも乳歯よりひとまわり大きいです。
永久歯は、乳歯より歯の表層の厚さが約2倍程になりますが、萌出したての約2年間程は歯の石灰化が不完全で、むし歯に対する抵抗性は低いと言われています。この萌出したての歯の根がまだ未完成な永久歯を幼若永久歯と言います。永久歯は萌出後、唾液の中のカルシウムやリンなどの成分を歯に取り込んで成熟していきます。
特に永久歯の萌出したてのこの時期のフッ化物の応用は、歯の石灰化を促進し、耐酸性が増強することにより、むし歯の予防効果を発揮しますので、定期的な歯科医院での検診とフッ化物の塗布は非常に大切です。是非歯科医院でフッ素塗布をおすすめいたします。
永久歯の形成時期
永久歯の形成は、胎生4ヶ月(妊娠4ヶ月半)頃からつくられ始めます。
1本の永久歯はだいたい萌出後、約3年ほどで完成してきます。
永久歯の萌出時期
6歳前後になるとまず最初の永久歯、第一大臼歯といわれる歯が乳歯の後方に生えてきます。この第一大臼歯といわれる最初に萌出し始める永久歯は、6歳頃に生えてくるため6歳臼歯とも言われています。
最近では、奥の第一大臼歯といわれる永久歯ではなく下の前歯(中切歯)が最初に乳歯と生え代わり萌出してくることも多いと言われております。
第一大臼歯と下の前歯の中切歯が萌出してから約6ヶ月〜1年ほど経過するとその歯の横の側切歯が生え代わります。9歳、10歳くらいになると第一小臼歯といわれる奥から3つ目の歯と、そのもう1本手前に犬歯(糸切り歯ともいわれる)が生え変わってきます。
その後次には、11歳、12歳頃に6歳臼歯のひとつ手前の第二小臼歯が萌出してくることで永久歯列は完成してきます。
もう一つは、永久歯には永久歯の特徴で先程ご説明させていただきました、親知らず(第三大臼歯)があります。親知らずは、生まれつき上下左右の奥歯全ての4本ある方と、生まれつき1本も存在しない方といます。人により存在する本数が違います。親知らずは、早い人で13歳〜15歳頃、又は20歳頃に萌出してくるケースもあります。親知らずを含めると、全体で永久歯は20歳頃に萌出が完了してきます。
永久歯の生え代わりの年齢は大体の平均です。平均的な歯の萌出年齢の時期に歯の萌出が生えていなくても、これにプラス2年ほど足した年齢まで経過観察で様子を見ていくことが多いです。
上記の様に、永久歯は6歳頃から12歳頃で乳歯から生え代わってくるため、乳歯の寿命はだいたい約6〜10年程度になります。
乳歯の寿命は短いため、むし歯になっても大丈夫…?
いえいえそんなことはありません!!
乳歯がむし歯になってしまうとその下から生え代わってくる永久歯に悪い影響を与えてしまうことがあります。むし歯になりにくい丈夫な永久歯を維持するためにも口腔内のケアを大切にしましょう。
人間の歯は一生で一度しか生え代わりませんので、永久歯は乳歯から生え代わった後、一生使用していく大切なものです。
そのため、永久歯がむし歯や歯周病によって失ってしまわないようしっかりとケアをし大切にしていく必要があります!!
乳歯と永久歯の口腔ケアについて
乳歯の口腔ケア
出生後7ヶ月頃にまず最初の乳歯が生えてきますので、その頃から歯磨きを始めると良いでしょう。出生後7ヶ月〜1歳頃までの時期は、歯をゴシゴシしっかりと磨くことよりも、お口周りやお口を触られること、歯ブラシをお口に入れる感覚に慣れてもらうようにしましょう。
また、保護者による口腔清掃習慣を身につけましょう。
お子様が自分で歯ブラシを持てるようになったら、自分磨きに挑戦し、自分で磨こうとする習慣をつけましょう。ただ、自分磨きだけでは十分に磨けていないのがほとんどですので、保護者による仕上げ磨きをしっかりと行うことも大切です。仕上げ磨きはだいたい永久歯が生え揃ってくる12歳頃までは行うようにすると良いでしょう。
また、1歳半頃からフッ素の塗布を行うために歯科医院に定期的に通院されることをおすすめいたします。まだうまくうがいができないお子様でもフッ素塗布をすることは可能ですので、是非歯科医院でのフッ化物の応用を行うようにしましょう。
フッ素塗布はだいたい3ヶ月〜6ヶ月に1回のペースで定期的に歯科医院でフッ素塗布いただく事がオススメです。
フッ素についての詳細は以前の2023年2月18日更新のブログにありますのでそちらをご参照ください。「フッ素について」
永久歯の口腔ケア
永久歯が萌出してくる頃になると、むし歯だけでなく歯肉炎にもなりやすくなるため、注意が必要です。健康な歯肉の状態と炎症の起きている状態との違いを理解してもらうようにし、歯磨きだけでなく歯と歯の間も丁寧におそうじを行うようにしましょう。
大人の方にフッ素塗布を行うことも有効的ですので、是非定期的な歯科医院でのクリーニングの際にフッ素塗布をお願いしてみてください。
当院では、お子様からご高齢の方まで幅広い年齢の患者様が来られるため、どの年代の方でもしっかりと対応をさせていただくことが可能です。
お子様が歯磨きを嫌がる、口腔ケアをどのようにしたら良いかわからないなどお困りごとがありましたら些細な事でも構いません。是非私達辻中歯科医院YDHの予防チームにご相談ください。
辻中歯科医院でメインテナンスのご予約は下記からお願いいたします。
お電話でのお問い合わせは0120-06-5168
インターネットからのご予約も可能です。
最後までお読みいただきありがとうございました。