2023.02.18
フッ素について
こんにちは。
辻中歯科医院 YDHです。
みなさん、歯科医院で治療が必要な虫歯と、経過観察を行う初期虫歯があることをご存じでしょうか?
今回は、その違いとフッ素の役割についてお話しします。
虫歯について説明します
虫歯にはCO、C1、C2、C3、C4といった進行段階があります。
本日はそのうち、フッ素が適応となるCO(シーオー)とC1について説明し、その後にフッ素の効果について詳しくご紹介します。
COとは

CO(シーオー)とは、初期の虫歯であり、まだ歯を削る必要はありませんが注意が必要な状態です。
セルフケアでは、フッ素入り歯磨き粉の使用、お菓子やジュースなどの生活習慣の見直し、そして定期検診がとても大切です。
C1とは

C1とは、歯の表面(エナメル質)が溶けて小さな穴が空いた状態を指します。
痛みやしみるといった自覚症状はほとんどありません。
歯科医師によっては「様子を見る」判断をする場合もあれば、「軽く削って処置を行う」場合もあります。
ご希望があれば、大人の方でも定期検診時にフッ素塗布を行うことが可能です。
フッ素について
- 虫歯の発生を抑制
- 脱灰(歯の表面が弱くなる状態)の再石灰化を促進し、歯質を強化
年齢ごとのフッ素の塗布量
6ヶ月〜2歳 → 500ppm(切った爪程度の量)

3歳〜5歳 → 500〜1000ppm(約5mm程度の量)

6歳〜14歳 → 1000ppm(約1cm程度の量)

15歳以降 → 1000〜1500ppm(約2cm程度の量)

市販の歯磨き粉に含まれるフッ素濃度は、最大1,500ppmまでと厚生労働省によって定められています。
購入時は、ぜひフッ素濃度もチェックしてみてください。
歯科医院で使用するフッ素は約9,000ppmと高濃度で、特にお子さまには定期的な塗布をおすすめしています。
フッ素は食品にも含まれています
主な食品中のフッ化物量(ppm)
・野菜類 → 0.1〜1
・りんご → 0.2〜0.8
・紅茶 → 0.5〜1.0
・緑茶 → 0.1〜0.7
・みそ → 3〜10
・海草 → 2.3〜14.3
・にぼし → 10〜40
含まれる量はごく微量ですが、日常的に摂取することで自然にフッ素を取り入れることができます。
フッ素は安全?
フッ素は多くの食品に含まれているため、通常の生活での摂取は安全です。
ただし、生後〜約8歳までに過剰摂取すると、斑状歯(フッ素症)になる可能性があります。
フッ素症とは、歯のエナメル質が障害を受けて白い斑点やシミ、小さな孔が現れる状態です。
・約2ppmを超えると → フッ素症
・約8ppmを超えると → 骨硬化症・骨多孔症
・約50ppmを超えると → 甲状腺の変化
・約125ppmを超えると → 腎障害
急性中毒の症状
下痢・嘔吐・けいれん・呼吸困難などが起こる場合があります。
ただし、3ヶ月に1度程度の定期検診で行う高濃度フッ素塗布は問題ないとされています。
また、妊娠中や授乳中の方でもフッ化物の使用に影響はありません。ご希望の方はお気軽にご相談ください。
定期検診でフッ素ケアを取り入れ、歯をより強く・美しく守っていきましょう。
