千里丘辻中歯科・矯正歯科 歯のコラム

辻中歯科医院の訪問歯科診療

こんにちは。辻中歯科医院予防チーム(YDH)です。
今回は訪問歯科診療についてお話をさせて頂きます。

訪問診療とは、要介護高齢者や身体的・精神的理由で歯科診療所に通院できない方がご自宅や施設で歯科診療を受けられる仕組みです。
お口の機能の維持管理は「食べる」という機能だけでなく、生きる力や生活の質(QOL)の向上にも寄与します。

要介護者の口腔ケアの大切さについて

お口の中は温度・湿度・栄養供給・複雑な形態など、バイ菌が増殖しやすい環境です。そのため、口腔ケアがおろそかになると歯垢が舌などにこびりつき、バイ菌が増加してしまいます。
これにより呼吸器感染症をはじめ、全身疾患の発症にも関連しており、口腔内のバイ菌コントロールは極めて重要です。

また、上下総入れ歯の方も、入れ歯の清掃や粘膜(頬・舌・歯ぐき)をスポンジブラシで優しく清掃することで血流が良くなり、菌の増殖予防にもつながります。

スポンジブラシや舌ブラシで舌を軽く押すことで、舌が反射的に動き、舌の筋肉の運動にもなります。

自宅訪問に毎週伺わせて頂いているH・Hさん

辻中歯科医院の訪問診療では、誤嚥性肺炎や血液の病気(動脈硬化・心疾患・高血圧・糖尿病など)を防ぐための口腔ケアと、お口の筋力を高める取り組みに力を入れています。
✳︎写真は毎週訪問させていただいているH・Hさん。いつも素敵な笑顔で出迎えてくださいます♪

口腔リハビリについて

訪問診療の患者様には、唇・頬・舌の筋肉を刺激し、お口の機能を高めたり飲み込みを改善したりするためのトレーニングを行います。
脳卒中などの後遺症によるマヒや筋力低下、お口周りの機能低下によって食べ物がうまく飲み込めない場合には、嚥下機能を改善するお口の体操やリハビリを取り入れています。

あいうべ体操

高齢になると低下する唾液の分泌を促し、口周りの筋力を強化する体操です。

あいうべ体操
  • 大きな動きを意識しながらゆっくり行う
  • 口周りだけでなく顔全体の筋肉をしっかり動かす

【あいうべ体操の効果】

  • 口呼吸の予防・改善
  • 唾液の分泌促進
  • 脳の活性化(舌下神経は脳に直接つながる神経)
  • ほうれい線などのシワの軽減
  • いびきの改善
  • 免疫力アップ など

パタカラ体操

誤嚥を防ぐための代表的な訓練方法のひとつで、口や舌を鍛えることで食べる・飲み込む機能の向上を目指します。

パタカラ体操

パ → 上下の唇の体操(吸う・飲む時に使う筋肉)
タ → 舌の先の体操(食べ物を押しつぶす筋肉)
カ → 舌の奥の体操(飲み込む時に使う筋肉)
ラ → 舌を反らせる体操(食べ物を丸める筋肉)

【パタカラ体操の効果】

  • 唾液の分泌促進(ドライマウス予防)
  • 滑舌・発音の改善・維持
  • 食事中のムセ改善 など

【あいうべ体操】と【パタカラ体操】は、どちらも誤嚥性肺炎の予防に効果的です。
免疫が低下している方はお口の中の細菌が多く、喉の筋力が低下するとムセやすくなり、お口の中の細菌と一緒に食べ物が肺に入ることで誤嚥性肺炎を引き起こします。

誤嚥性肺炎とは

食べ物を口の中に入れ、正しく食道へ送り込むことを「嚥下(えんげ)」といいます。
その反射がうまく働かず、食べ物が気管に入ってしまうことを「誤嚥(ごえん)」と呼びます。
この誤嚥によって発症する肺炎が「誤嚥性肺炎」であり、高齢者の死因の上位を占めています。

最後に
大切なご家族やご本人様が、美味しく・楽しく・安心して食事や会話を楽しんでいただけるよう、辻中歯科医院では訪問歯科診療を通じてサポートいたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。