医療法人良光会 辻中歯科医院

摂津市千里丘でマウスピース矯正・予防歯科ならJR千里丘駅徒歩1分の辻中歯科医院へ

ホームブログページ ≫ 糖尿病と歯医者の関係について ≫

糖尿病と歯医者の関係について

こんにちは。辻中歯科医院の院長の辻中です。

今年も半分が過ぎましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私は食べることが大好きです!

この年になると親しい友人たちとの食事の時がとても楽しみでもあります。

でもたまに、ストレス発散として食べたりしてる時もあって…

若い時は何とかなるのですが身体は正直ですネ。すっかりメタボです。

今回は「糖尿病と歯医者の関係について」の話をさせていただきます。

糖尿病とは?

食べ物や飲み物に含有されるブドウ糖は中に入ると、エネルギーの一部として利用されますが、インスリンの力が弱いとブドウ糖を上手に利用できません。そこで、血糖値が上昇します。

糖尿病の診断基準

糖尿病の診断基準
HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)

 

糖尿病と合併症

血糖値が高い状態が続くと多種多様な合併症と言われる病気を発症いたしますので、糖尿病と診断された方は、定期的にお医者さんで受診しましょう。

 合併症の種類

合併症の種類

①網膜症

高血糖が続くと網膜の毛細血管に障害が起きて最悪失明の可能性もあります。

自覚症状もほとんどないので、眼科で定期的な眼底検査を受けましょう。

眼球と網膜

②神経障害

血糖値が高い状態が続くと、神経の働きが阻害されて主に下の表のような障害がおきます。

神経障害の種類

③腎障害

血糖値が高い状態が続くと糸球体が阻害されます。

人工透析の二人に1人は糖尿病腎症が原因といわれています。

④動脈硬化

動脈硬化
歯周病

 血糖値が高い状態が続くと動脈硬化が進み、脳梗塞などの原因になります。

高血圧や脂質異常症、肥満、喫煙も動脈硬化を進めます。

⑤歯周病

血糖値が高い状態が続くと歯周組織の血管が弱くなって歯周病が重篤化し、歯の周りの骨(歯槽骨)が消失して、歯を失う原因になります。

歯周病と糖尿病の関係性

ここからは歯周病と糖尿病の話を掘り下げて行きましょう。

 『歯周病は糖尿病治療の難敵!!』

 歯医者と糖尿病って畑違いの話に聞こえるかもしれませんが、実はふか~~い関係があるのです。

どちらの疾患も昔からある病気

共通点としてどちらも「昔からある病気」だということ。人類で一番古い病気はむし歯とされてますが、糖尿病も古く、三千年以上昔の古文書にも記載されています。

歯周病と糖尿病の負のスパイラル

日本の歯周病患者は成人の8割、糖尿病患者は予備軍も含めると成人の4割にも達すると言われています。

糖尿病の方は歯周病になりやすく、また重症化しやすいため、歯医者への定期的な受診が欠かせません。

歯に悪い食べ物は糖尿病にもよくない

昔は砂糖は貴重品でしたが、今の時代はお菓子や菓子パン、清涼飲料水などにたっぷり含まれており、小さな子どもからお年寄りに至るまで、国民全員が毎日、口にしています。

砂糖はむし歯菌が喜ぶだけでなく、血糖値の急上昇にもつながりますので、そのまま取り続けていると糖尿病まっしぐらです。

逆に、噛み応えのある野菜や玄米など、「歯にやさしい食べ物は糖尿病になりにくい」ことでもあります。

歯に悪い食べ物は糖尿病にもよくない

糖尿病と歯周病はコインの裏表の関係にある

歯周病と糖尿病は、「炎症」という共通点を持つ病気です。

でも、この共通点は、歯周病がよくなると血糖値まで改善するという、夢のようなお話につながるんです。

歯周病は、歯の根元まわりに巣くうばい菌軍団をやっつけるために免疫軍団が仕掛けた戦争の結果です。

歯ぐきに炎症、つまり「小規模な火事(ぼや)」が起きると、そこから煙のように、悪玉ホルモンが全身に流れ出ていきます。

からだの中にはインスリンという血糖値を下げるただ一つのホルモンがあるのですが、このホルモンは悪玉ホルモンにめっぽう弱く、体内に悪玉ホルモンが充満すると力が弱ります。

血液中のブドウ糖を血管からからだの細胞へと運べなくなり、血糖値を十分にさげられなくなるのです。

この結果、血糖値は上がり続け、いくらお薬を飲んだりインスリン注射を打ったりしても、効きづらい状態になります。

しかしこれを逆手に取ると面白いことが起こります。

歯医者さんで歯周病をキチンと治療すると、ばい菌軍団が退散し、静かで平和なお口の世界が戻ってきます。ぼやが消えて充満していた煙も消え去り、空気はすっきり、インスリンも元気に働くことができるようになります。

すると、ブドウ糖を運ぶ作業もスムーズになり、血糖値がスルスルと面白いように下がってしまうのです。

下がる程度は、糖尿病の飲み薬1剤分「1種類」に匹敵すると言われてます。

お薬を使わずに血糖値が良くなるなんて、凄いですよね!

糖尿病と歯磨き

遅い食事や間食は私たちのすい臓を痛めつけ、糖尿病まっしぐらになってしまいます。

ということは、晩ご飯のあとに「お口チャック」を実行できれば、糖尿病という病魔はそうそう私たちによりつけないことになります。

とはいっても、仕事が終わった後のおやつやお酒、スイーツはたまりませんよね。

この誘惑に打ち勝つことは、なかなか難しいものです。

そこで、「歯みがきダイエット」をみなさんにお教えします。

やりかたはとっても簡単。晩ご飯を食べたらしっかり歯みがきし、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってお口のなかをピカピカにするだけです。

おすすめの場所はズバリ「お風呂」湯船に気持ちよく浸かっているときこそ、最高のお口ケアタイムです。歯やからだに感謝しながら、お口をしっかりお掃除してあげましょう。

ひとたびお口がピカピカになれば、お風呂上がりの1杯、スイーツ、ラーメンなどにブレーキがかかります。せっかくきれいにお掃除したお口を汚したくないですからね。

夜食を我慢できると、ひと月に1~2㎏は簡単にやせることができますよ

歯の痛みと血糖値の関係

現代人は日々さまざまなストレスに囲まれて暮らしています。

仕事のストレス、家庭のストレス、近所付き合いのストレス、あげればきりがありませんね

これらの「社会的ストレス」に加え、もう一つ別のストレスが存在します。

それが「身体的ストレス」です。痛みや不眠、体調不良、倦怠感、恐怖など、これらはすべて「からだから生まれるストレス」です。

いわば、からだが私たちに訴える危険信号ですね

じつは、こうした身体的ストレスも、なんと!血糖値をあげる原因になります。

たとえば、おなかが痛い、頭が痛い、膝や腰が痛いなどあらゆる痛みは交感神経を刺激して、血糖値をあげるように働きます。

それは歯の痛みも同じで、むし歯が痛い、親知らずのまわりが腫れてズッキンズッキンするという時も、血糖値が上昇します。

そしてさらに、歯医者さんで緊張や不安を感じると、これまた交感神経が刺激されて、血糖値が上がってしまいます。

お口に痛みがあれば、すぐに歯医者さんで原因を調べてもらい、痛みを取ってもらいましょう。

そしてもっと大切なことは、むし歯や歯周病にならないように、「痛くなる前から定期的に受診しておく」ことです。

痛みのないからだと心の平穏が、血糖値を下げ、糖尿病になりにくい体質を作ったり、糖尿病を改善させる秘訣なのです。

最後に

辻中院長と賞状

辻中歯科医院では日本糖尿病協会登録歯科医が在籍しており、他のブログでも書かせて頂いてますように、当院の歯科衛生士たちも非常に熱心に糖尿病の知識見識の習得を講習会の参加やzoom会議を通じて日々おこなっておりますので、歯周病や糖尿病に関してお気軽にお問い合わせください。

糖尿病予防には歯周病予防が意義があり、歯周病予防には歯並びを良くするのが効果的です。

歯並びを誰にも知られずに良くするにはインビザラインが効果的ですので、今後も辻中歯科医院をよろしくお願いいたします。

参考文献:「歯医者さんに行きたくなるお口と糖尿病のお話」西田亙 著

2024年07月21日 00:00