歯周病のメカニズムとは?原因と進行過程、予防法などを紹介!
こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。
「歯茎が赤く腫れている」「歯磨きをすると歯茎から血が出る」「口臭が気になる」などの症状はありませんか。これらの症状は、歯周病が原因で起きているかもしれません。
歯周病は、15歳以上の半数以上に症状が認められるほど、多くの方が罹患している病気です。
しかし、初期段階では自覚症状が少ないため、歯周病にかかっていることに気づきにくく、症状が出るころには病気が進行しているケースも珍しくありません。進行すると歯を失うリスクが高まるだけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、歯周病になる原因や症状、進行過程について解説します。セルフチェックの方法や治療方法、予防法もご紹介するので、歯周病について正しく理解して早めのケアを始めましょう。
目次
歯周病のメカニズム
歯周病は、細菌感染により歯茎や歯を支える骨などの組織が炎症を起こす病気です。
歯をしっかり磨けていないと、歯の表面にはプラーク(歯垢)と呼ばれる白くてねばねばしたものが形成されます。プラークはお口の中の細菌が繁殖して塊になったもので、この中には歯周病の原因菌をはじめとした数多くの細菌が存在し、歯肉に炎症を引き起こすのです。
また、プラークが付着したまま時間が経つと、石灰化して歯石になります。歯石の表面は軽石状でデコボコしているため、プラークが付着しやすい状態です。
プラークは歯磨きで除去できますが、歯石は自力では除去できません。そのため、歯科医院で除去してもらう必要がありますが、放置するとどんどん細菌が繁殖して歯周病が進行します。
歯周病の症状・進行過程
歯周病の進行は次の4つの段階に分けられます。ここでは、各段階で生じる症状について解説します。
歯肉炎
歯肉炎とは、プラークの蓄積によって歯茎に炎症が生じている状態です。歯茎が赤く腫れたり、歯磨きの際に歯茎から出血したりします。
歯肉炎で炎症を起こしているのは歯茎のみで、強い痛みを感じることはほとんどないので、気づかない方も多いです。この段階であれば、日々のセルフケアを見直してプラークをしっかり除去することで、症状を改善できる可能性が高いです。
軽度歯周炎
歯肉炎が進行すると、炎症が歯茎だけでなく歯根膜や歯を支える骨などの歯周組織にまで広がり、歯周炎へと進行します。歯周炎になると、歯茎以外の歯周組織の吸収が始まります。
軽度歯周炎では、歯茎が赤く腫れたり出血したりする症状が悪化します。また、歯周ポケットの深さは4mm程度まで深くなり、さらに細菌がポケット内に侵入しやすくなるでしょう。
痛みは少なく、正しいブラッシングや歯科医院でのクリーニングを行えば、改善できる可能性があります。
中等度歯周炎
中等度歯周炎ではさらに歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨の吸収も進行します。症状としては、歯茎の腫れや出血だけでなく、膿が出たり骨の吸収が進行して歯がぐらつき始めたりすることが挙げられます。
この段階で気づいて歯科医院を受診する方が多いですが、放置するとさらに進行して重度の歯周炎になります。
重度歯周炎
歯周病が重度にまで進行すると、歯周ポケットの深さは5mm以上と非常に深くなります。歯を支える骨が破壊されると歯茎の位置も下がり、歯が長くなったように見えることもあるでしょう。
歯肉の強い炎症や持続的な出血、膿の排出の症状が悪化し、歯槽骨の吸収が大きく進行するため歯の動揺も症状として挙げられます。歯が抜け落ちる可能性も高まるため、早期の治療が必要です。
場合によっては外科的処置を行うこともあるでしょう。
歯周病のセルフチェック法
歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、気づきにくい病気です。以下のセルフチェック方法を参考に、歯周病の兆候を見逃さないようにしましょう。
歯茎の色や形を確認する
健康な歯茎はピンク色ですが、赤く腫れていたり赤紫になっていたりする場合、炎症が進行している可能性があります。
また、歯と歯の間の部分の歯茎の形は通常シャープな三角形でハリがありますが、歯周病になると炎症が起き、三角形の先端が丸くなるでしょう。歯磨きの際などに、鏡で確認してみてください。
出血の有無を確認する
歯周病になると、歯ブラシやフロスを使用した際などに少しの刺激で出血します。歯茎からの出血は、歯周病の典型的な症状の1つです。
口臭の有無を確認する
口臭が発生する原因は、体調の変化や口腔内に残った食べカス、唾液の減少などさまざまですが、歯周病の場合もあります。歯周病で口臭が発生する主な原因は、歯周ポケット内に繁殖した歯周病菌が発生させるガスや、歯茎から出る血や膿などです。
歯のグラつきの有無を確認する
歯周病が進行すると歯周組織が破壊されるため、歯が不安定になります。歯がグラグラしたり、最悪の場合は抜けたりすることもあるでしょう。
また、歯茎の位置が下がり、歯が以前より伸びたように感じることもあります。
歯周病の治療法
歯周病の治療は進行度に応じて異なります。以下に、一般的な治療法を紹介します。
歯肉炎の治療方法
歯肉炎の段階では、ご自身で行う毎日のセルフケアで徹底的にプラークを除去することが治療の基本です。加えて、歯科医院で行うスケーリング(歯石の除去)などで、セルフケアでは落としきれない汚れを除去することで、歯茎の健康を取り戻せる可能性が高まります。
歯周炎の治療方法
歯周炎まで進行すると、セルフケアやスケーリングのほかにも、症状や状態に応じて次のような治療が行われます。
ルートプレーニング
歯石は、歯茎の上だけでなく、外からは見えにくい歯周ポケット内にも蓄積されます。ルートプレーニングでは、歯周ポケット内に付着した歯石や歯垢を専用の機械を用いて除去し、歯根の表面を滑らかにします。
ルートプレーニングで歯根の表面が滑らかになることで、細菌の再付着を防いで歯茎の再生を促進できるでしょう。主に、中等度以上の歯周病で行われます。
噛み合わせの調整
歯周病が進行して歯が動き、噛み合わせが変化することがあります。一部の歯が強く噛み合っている場合などは、噛み合わせを調整することで歯にかかる負担を軽減し、歯周病の進行を防ぎます。
歯周外科治療
歯周病が進行し、セルフケアや通常の歯周病の治療だけでは改善しない場合には、外科的な治療が行われることがあります。例えば、歯茎を切開して歯根部に付着した歯石を除去する手術や、骨が破壊された部分に対して新しい組織の再生を促す再生療法などがあります。
治療法は歯周病の進行度に応じて選択されますが、骨が大きく破壊され回復が見込めない場合は、抜歯が行われることもあります。
また、患者様の身体の状態や服用している薬によっては、外科処置ができません。
抗生物質の投与
細菌感染が進行している場合には、抗生物質の投与が行われることがあります。細菌の繁殖を抑えて炎症を軽減する効果が期待できます。
しかし、抗生物質の投与のみでは治療できないので、他の治療方法と併用するのが一般的です。
歯周病の予防法
歯周病を予防するためには、以下の方法が有効とされています。
セルフケアを徹底する
プラークをセルフケアで取り残さないことが、歯周病予防の基本です。歯ブラシだけでは落としきれない歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを使用すると効果的に除去できます。
徹底したセルフケアを毎日の習慣に取り入れることで、プラークの蓄積を防ぎ、歯周病を予防しやすくなります。
生活習慣を改善する
歯周病予防には、生活習慣の見直しも重要です。例えば、喫煙は歯周病のリスクを高め、治療効果を低下させる原因にもなります。そのため、禁煙すれば、歯周病の発症や進行を防ぐことにつながるでしょう。
また、食生活を整えるのも重要です。ビタミンCやカルシウムを豊富に含む食品を摂ることで、歯と歯茎の健康維持に役立ちます。
他にも、ストレスが高まると免疫力が低下し、歯周病のリスクが増加します。適度な運動やリラックス法を取り入れ、ストレスを上手にコントロールすることも大切です。
定期的に歯科検診を受ける
定期的な歯科検診も、歯周病予防には欠かせません。歯科医院でのケアにより、自力では取りきれないプラークや歯石を除去できるだけでなく、歯周病の早期発見と治療が可能です。
また、歯科衛生士によるブラッシング指導でセルフケアの質も向上できるため、より歯周病を予防できるようになるでしょう。
まとめ
歯周病は、初期段階では自覚症状が少ないため、気付かないうちに進行しやすい病気です。歯周病の原因になる細菌の増殖は、毎日のセルフケアである程度は抑えることができますが、進行するとセルフケアだけでは対応できなくなります。
そのため、この記事で紹介した歯周病のメカニズムや進行過程、セルフチェック法を理解し、早期に歯科医院を受診して適切な処置を受けることが大切です。
歯茎の健康を保つことは、口腔内だけでなく全身の健康にも良い影響を与えます。日々の正しいセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスで、歯周病を予防しましょう。
歯周病の治療を検討されている方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。
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