歯の定期検診とレントゲンについて
皆さんこんにちは!辻中歯科医院のアシスタントです。入社して4ヶ月程経ちました。日々お仕事をする中で歯医者に定期的に通うことはとても大事なんだと感じております。
今回は歯の定期検診、レントゲンについてお話させて頂きたいと思います。
歯医者の定期検診はなぜ行くの?
みなさんは、歯医者に定期的に行かれていますか?
歯が痛くなったり、歯ぐきから出血するなどの異常が出ると歯医者へ行く方がほとんどだとおもいます。しかし、歯周病はご自身では気づかないうちに少しずつ進行していて自覚症状を感じた時点では悪化していることが多く、場合によっては抜歯などになる可能性もあります。定期検診では、ご自身では気づかないところに異常がないかをチェックし、もし異常が発見されても早期治療を行うことができますので、それほど大きな負担がかからない場合がほとんどです。異常がなくても予防的ケアを行いますので、病気にならず良い状態を維持することができます。
定期検診を受けている人と受けていない人の違いは?
今の日本の平均寿命の約80歳になった時に残っている歯の本数はどれくらいかご存知ですか?
定期検診にきちんと行っている人では平均「15.7本」。
「歯茎が腫れている」「歯が痛い」といった何か問題があってから行く人では「約7本」というデータがあります。定期検診に行っている人とそうでない人で倍以上の差があるのはびっくりしますよね。
失ってからの後悔
失って後悔したことの第1位は「歯」というアンケート結果があります。
「美味しいご飯、好きなものが食べられなくなった」
「固いものが食べにくく食事の楽しみが無くなった」
「手入れ不足で総入れ歯になってしまった」
「滑舌が悪くなった」
というお声も沢山あります。歯を失ってしまうと食べられるものが少なくなり、柔らかいものばかり食べるようになってしまいます。そうすると食べられるものも制限が出て、栄養も偏ってしまいます。歯は一度失うと元に戻らないため、日々のケアと定期検診が重要です。
定期検診を受けることのメリットは?
早期発見・早期治療に繋げることができる
定期検診に行く最も大きなメリットは、歯や歯茎の変化をいち早く発見できることです。虫歯や歯周病は、痛みが出るまで進行させてしまうと手遅れになり、抜歯が必要となる可能性があります。私は入社して4ヶ月程しか経っていませんが抜歯や、神経を抜いてしまう治療になっている患者様もたくさん見ました。
歯周病とは、成人の約80%以上がかかっていると言われるほど一般的な病気です。歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると腫れたりしますが痛みはほとんどの場合ありません。
痛みがないため自覚症状がなく気付かない方が多いです。自覚症状が出てきてからでは進行しており膿がでたり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。早期発見することで、そうしたリスクを大幅に軽減することができるだけでなく、万が一虫歯や歯周病が見つかった場合にも、歯を削らずに済むことができたり、簡単な処置で炎症を抑えたりすることができる可能性が高まります。
歯をきれいに保つことができる
定期検診では、細菌の塊であるプラーク(歯垢)や、それらが石灰化してできた歯石を除去します。どれだけ丁寧な歯磨きを心掛けていても、自分で全てのプラークを除去することはできず、深部に残ったプラークはわずか2日ほどで歯石となってしまいます。その歯石が細菌の温床となり、気付かないうちに歯肉炎や歯周病を引き起こすのです。定期的にプラークや歯石を除去することが、お口の健康を守ることにつながります。
将来自分の歯を残すことができる
先程もお伝えした「失ってから後悔したこと」にもあったように、歯は失うと戻せないのでとても後悔します。
また、定期検診に行っている人と言っていない人で将来残せる歯の本数はとても変わるので定期的に行くことが大切です。
詰め物や被せ物の異常に気づくことができる
詰め物や被せ物をしている場合、歯との隙間の汚れを歯ブラシなどで除去するのは難しく、内部の虫歯を防ぐことなど不可能です。しかし、定期検診を受けておくことで、詰め物や被せ物をしている部分や周辺のトラブルを早期発見できることがあります。
目視だけでなくレントゲンなどで画像を比較できれば、より的確に状況を把握できるでしょう。
歯医者でレントゲン写真を撮る目的とは?
当院は「パノラマ」「デンタル」「セファロ」「CT」と4種類のレントゲンを撮ることが出来ます。
パノラマ
全ての歯を中心に、顎の全体を一度に撮影するものです。一枚の写真で歯の状態や、上下の顎の骨や顎の関節など、全体を大まかに把握することができます。
デンタル
ある特定の部位を、パノラマよりも精密に撮影する時に用いるレントゲン写真です。お口の中に小さなフィルムを入れ、外側からX線を当てて撮影を行います。1枚で2~3本の歯の状態を、詳しく知ることができます。
歯科用CT
パノラマやデンタルは2次元の平面でしか確認できません。しかしCTと呼ばれる撮影法では、三次元の立体画像で観察できる為、より詳細な情報を得ることができます。
セファロ
頭部や顔面の骨格や歯列の状態を詳細に把握するためのX線撮影法です。
主に矯正治療の際に撮影することが多いです。
レントゲンでなにを確認しているの?!
初期の虫歯や、詰め物の中で進行している虫歯、歯と歯の間にできた虫歯は目視では確認しづらいことがあります。レントゲンを使用することで、これらの虫歯を早期に発見できます。
歯の根っこの状態の確認
歯の根っこの中には、神経があります。レントゲン撮影を行うことにより、神経が残っているのか、神経に感染や炎症が起こっていないかを確認することができます。また、根っこが割れていないか、根っこの形態も確認できます。通常、歯茎で覆われて見えない歯の根っこの表面に歯石が付いている場合も、レントゲン撮影で確認できることがあります。
歯周病の診断
歯周病は歯肉や骨に影響を及ぼします。レントゲンで骨の状態を確認することで、歯周病の進行具合や治療の必要性を判断できます。
親知らずの診断
親知らず(第三大臼歯)の位置や生え方を確認するためにレントゲンが使われます。親知らずが他の歯に影響を及ぼしているか、正しく生えているかを判断します。
8020(ハチマルニイマル)運動、知っていますか?
8020(ハチマルニイマル)運動は、日本で推進されている歯科保健の啓発運動で、「80歳になっても20本以上の歯を保とう」という目標を掲げています。この運動の目的は、高齢になっても自分の歯を多く保つことで、咀嚼能力を維持し、全身の健康や生活の質を向上させることです。
8020運動の目的とは?
歯の健康は全身の健康に大きく影響します。歯の喪失は、咀嚼機能の低下や栄養摂取の困難、さらには認知症や心血管疾患のリスク増加などに関連しています。
20本の歯があれば、ほとんどの食事を自分の歯で噛むことができ、食生活にほぼ満足することが出来ると言われています。
まとめ
歯の定期検診や、検診に長らく行かれていない方は1度足を運んでみてください。ご自身では気付かないうちに虫歯や歯周病が進行していることがあります。早期発見し、将来歯を残せるようにお手伝いさせて頂きます!
最後までご覧頂きありがとうございました。