医療法人良光会 辻中歯科医院

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歯周病(歯槽膿漏)の進行と矯正治療での歯が動く仕組みについて

こんにちは。辻中歯科医院歯科衛生士予防チーム(YDH)です。今回のテーマは歯と歯茎を取り巻く組織についてまたは、歯周病の進行と矯正治療での歯が動く仕組みについて詳しくお話しさせて頂きますね。

歯の構造はどうなっているの?

歯はエナメル質(歯の外側の一番硬い組織)象牙質、セメント質の硬い組織(硬組織)からできています。歯が歯茎から露出している部分を歯冠と言います。また歯冠より下の部分を歯根といいます。歯の組織にはそれぞれに役割があるのです。

では次に少し専門的なお話を分かりやすくご説明していきます。

図1

エナメル質

歯冠部の表面を被っている人間の身体組織の中で最も硬い組織です。物の硬さを1〜10段階に分けたモース硬度という指標でみると、水晶(モース硬度7)と同じくらいの硬さがあります。しかし、酸に簡単に溶けてしまうので虫歯にならない様に予防が大切になります。因みに日本人はエナメル質が薄いと言われています。

象牙質

上の図1を見ていただきますと象牙質はエナメル質、セメント質の内側にあり、歯冠部から歯根部までの歯を形づくる組織です。モース硬度は5〜6エナメル質よりも柔らかく、こちらもエナメル質と同様、酸に溶けやすい組織です。

象牙質には象牙細管という細い管が通っていて、管の中は組織液で満たされています。知覚過敏はこの象牙細管の細い管を通って神経に連絡が入り歯がしみるという症状はここからきます。

セメント質

歯根部表面を被っている組織で、歯根膜によって歯槽骨と結合しています。モース硬度は4〜5で人間の骨と同程度の硬さです。

歯髄

一般に神経と呼ばれる組織で、神経線維のほかに血管やリンパ管などが通っています。

象牙質に栄養を補給しています。神経を除去する治療(抜髄といいます)は歯髄の治療なのです。

歯周組織の構造はどうなってるの?

歯周組織は歯の周りの組織で、歯を支える役割があります。

歯根膜

歯根部分の表面(セメント質)と歯槽骨の間を結び付ける繊維性の結合組織を主体とした組織です。食べ物を噛む際、歯にかかる力を吸収•緩和し、歯に加わる力が直接歯槽骨に伝わるのを和らげるクッションの働きをしています。歯根膜に炎症が起こる原因は咬む力が強かったり、咬み合癖がある事が原因の可能性があります。

歯槽骨

歯を支えている顎の骨で、歯はこの骨の中に植立しています。歯周病などで歯槽骨が大きく破壊されると、歯がグラグラになります。歯槽骨が溶けてしまう=歯周病です。

歯肉

歯槽骨を被っている軟らかい組織で、一般には歯茎と呼ばれている部分です。歯周病など様々な病気の症状が表れる組織でもあります。歯槽骨の上に歯茎がかぶさっています。

歯肉溝

歯肉と歯の境目にある小さな隙間です。健康な人でも1〜2㎜の深さがあります。

炎症などによって深くなった状態を歯肉ポケット、歯周ポケットと呼びます。定期的に歯周ポケットを測定して歯周病の状態を確認しています。

歯周病進行段階

歯周病には進行の段階があります。図2を見ていただきますと、歯周病が進行していくと最後は歯が抜け落ちてしまいます。

図2

歯肉炎

歯周ポケット内にプラークや歯石が着いている状態が続くと歯肉が炎症をおこします。歯肉は腫れ、赤くなり丸みを帯び、ブラッシングやフロスで出血します。歯周ポケットの深さは2〜3㎜程度。ブラッシングやスケーリング(歯科医院で行う歯石除去)などで健康な歯肉に改善していく可能性があります。

歯周病初期

歯周病初期は歯肉炎が進んだ状態です。歯肉の炎症は歯肉炎時とほとんど一緒です。ブラッシングやフロスなどでちょっとした刺激でも出血します。細菌感染により進行し、破壊された結合組織の付着は、元には戻りません。

歯周病中期

歯肉の炎症はさらに進み、赤みが増し腫れぼったくなります。歯周組織の破壊もさらに進行し、骨の破壊を伴い、歯周ポケットは深くなっていきます。

ブラッシングやフロスなどの使用時に出血がさらに多くなり、深くなったポケットには歯石が溜まり悪化します。人によっては歯周病の進行を、自覚します。歯周ポケットの深さは4〜5㎜程度です。

歯周病重度

歯肉の炎症はますます進み、赤くブヨブヨとした歯肉になります。それと同様に歯周組織の破壊も進行し、歯を支えている骨が少なくなります。歯肉は若干退縮しますが、歯周病重度でも進行に気づきにくい場合もあります。ブラッシング時には出血だけでなく膿が出ることもあり、また強い口臭などの症状が出る場合もあります。

歯周ポケットの深さは5㎜以上です。

歯周病末期

歯肉は赤紫色に腫れ上がり、少し触れただけですぐに出血したり膿が出ます。口臭もさらに強くなります。歯周組織の破壊と同様に歯肉も退縮し、歯が長くなったように感じ、歯と歯の隙間も目立つようになります。歯を支える骨が極端に減少し歯が揺れてきます。歯が動揺することで咬む力が弱くなります。

そのまま放置すると自然に歯が抜け落ちることもあります。

矯正治療で歯はなぜ動くのでしょうか?

歯はとても硬いし、顎の骨にしっかり埋まっているのにどうして矯正治療をすると歯が動くのでしょうか?

歯列矯正•歯が動く仕組み

歯と歯槽骨の間には歯根膜というクッションのような組織があります。歯に矯正力が加わると歯根に圧迫された側の骨がなくなり吸収します。反対側の隙間は新しい骨が作られます。これが再生です。吸収と再生を繰り返して、結果として歯が移動していくのが歯列矯正の仕組みになります。簡単に言いますと歯周組織(歯を取り巻く)が動かす鍵となります。

歯槽骨の役割

歯茎の中には歯を支えるための骨(歯槽骨)があり、骨と歯の根の間には歯根膜という弾力のある薄い膜があります。歯根膜は、歯にかかる衝撃をやわらげるクッションのような役割を持っています。

歯が動くメカニズム

歯を引っ張って動かし始めると、その力が歯周組織の歯根膜に伝わります。歯が動く方向側の歯根膜は縮み、反対側は、引っ張られて伸びます。縮んだ歯根膜は元の厚さに戻ろうとして、骨を溶かす細胞を作り、動く方向側の骨を吸収していきます。一方、伸びた歯根膜は元の厚さに戻ろうとして、骨を作る細胞を作り、反対側に骨を新しく作り再生していきます。骨を溶かす細胞と骨を作る細胞の働きで、歯根膜が元の厚さに戻ります。吸収と再生が繰り返されることで歯が少しずつ動いていきます。骨が作り替えられるのを待つので歯を動かすのにはゆっくり少しずつになります。この様なことから矯正治療は時間がかかるのです‼️

歯列矯正の歯の動かし方の種類

矯正治療で可能な歯の動かし方は一つではありません。みなさんがまず思い浮かべるのは歯並びを横へ動かすというものではないでしょうか?隙間を詰めるという横移動のイメージですね。確かにこの動かし方が多く、下の図ような様々な動かし方があります。実際の矯正治療ではこれらの動かし方を複雑に組み合わせて歯を動かすのです。歯の重心が作用反作用などの物理学フル回転させながら歯に力をかけています。

水平移動させる(歯体移動)

歯と歯の隙間をなくすために歯を水平方向に移動させます。矯正治療で最もよくある動きです。

回転させる(捻転)

歯の長軸(歯の先と歯根を結んだ軸)に沿って歯を回転させます。ねじれて萌えている歯の向きを正します。

引っ張り出す(挺出)

歯を上方向へ引っ張り出します。歯ぐきから歯を出す方向です。

引っ込める(圧下)

上に飛び出している歯を下方向に引っ込めます。歯茎に歯を埋め込む方向です

起こす(傾斜移動)

歯根はあまり動かさずに歯冠(歯の頭)が動きます。抜けた歯を放置して隣りの歯が倒れている場合などに有効です。

歯根を移動させる(Xトルキング)

歯冠はあまり動かさずに歯根を主に動かします。

最後に

辻中歯科医院では歯周病の治療にはプロフェッショナルな歯科衛生士達が力を入れて診療を進めております。また位相差顕微鏡を使用して歯周病原因細菌検査なども行っておりますので根本的に歯周病を治していきたい方、歯周病を再発しない様に予防したい方、重症化しないために事前に予防したい方は歯周是非辻中歯科医院2階予防ルームで歯科衛生士がお待ちしております。今回お話させていただきました矯正治療については辻中歯科医院ではインビザラインというマウスピース矯正を行なっております。院長の考えは無理なく1歯1歯丁寧に歯を動かしていく事が大切、綺麗な歯並びだけではなく咬み合わせをきちんと整えていくことで全身の姿勢の事まで考えているインビザラインになります。

インビザラインの無料相談もしておりますので些細なことでも構いません。どうぞお気軽に辻中歯科医院までお問い合わせください。

2024年04月13日 00:00