プレオルソとは?治療できる歯並びとメリット・デメリット、費用と期間
こんにちは。大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」です。
子どもの矯正治療を検討して歯科医院を受診したときに、プレオルソをすすめられたという保護者の方がいるのではないでしょうか。
しかし、プレオルソとはどのようなものなのかわからないという方もいるでしょう。プレオルソには、ほかの矯正方法にはない特徴があります。よく理解したうえで、プレオルソで治療するべきか検討することが大切です。
今回は、プレオルソのメリット・デメリットや費用、治療期間などについて解説します。お子さんの矯正方法としてプレオルソを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
プレオルソとは
プレオルソとは、小児矯正で用いられる取り外しが可能なマウスピース型の矯正装置のことです。プレオルソは歯を動かすものではありません。プレオルソを装着して口周りの筋肉のバランスを整えることで歯が正しい位置に並ぶように促します。
矯正装置は柔らかくお口にフィットしやすい素材でできているため、小さなお子さんでも痛みを感じにくく、続けやすいでしょう。
プレオルソの適応年齢
プレオルソは、乳歯から永久歯に生え変わる3〜10歳頃のお子さんを対象としています。12歳以降になると顎の成長が止まるため、思うような効果が得られない可能性があります。
顎の成長には個人差があるため、適応年齢ではない場合でも治療を受けられるケースもあります。まずは、歯科医院で相談するとよいでしょう。
プレオルソの使用方法
プレオルソは着脱が可能な装置で、装着するのは日中の1時間と就寝中のみです。保育園や幼稚園、小学校などに装着していく必要がないため、矯正装置による見た目のコンプレックスや破損・紛失のリスクも軽減できるでしょう。
また、装置を取り外せるため、ふだんどおりに食事や口腔ケアもできます。
プレオルソで治療できる歯並び
プレオルソで治療できる歯並びには、以下のようなものがあります。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突とは、下の歯よりも上の歯が大きく前に出ている状態のことで、出っ歯とも呼ばれます。
上顎前突の原因としては遺伝によるものも考えられますが、指しゃぶりや爪を噛む癖、下で上の前歯を押す癖、口呼吸などが影響していることも考えられるでしょう。そのほか、骨格に問題があって引き起こされることもあります。
下顎前突(かがくぜんとつ)
下顎前突とは、上の歯よりも下の歯が前へ突き出した状態のことで、受け口とも呼ばれます。受け口は、上顎が小さすぎたり下顎が成長しすぎていたりすることで引き起こされます。
顎の成長が止まってから治療を行うこともできますが、場合によっては外科手術が必要になることも考えられるでしょう。上顎前突は見た目の問題だけでなく、咀嚼力や発音などに影響を及ぼすこともあります。
叢生(そうせい)
叢生とは、部分的に歯と歯が重なり、凸凹した歯並びのことで、乱ぐい歯とも呼ばれます。
叢生は、顎の大きさと歯の大きさのアンバランスさによって引き起こされることが多いです。幼少期の指しゃぶりや舌を噛む癖、虫歯による乳歯の早期脱落などが原因となることもあります。
噛み合わせが乱れているため咀嚼力が低下し、消化不良を引き起こしやすくなります。また、歯と歯が重なり合っていると歯磨きがしにくいため、虫歯になるリスクも高まります。
開咬(かいこう)
開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに上下の前歯にすき間ができる状態のことを指し、オープンバイトとも呼ばれます。
前歯で食べ物を噛み切りにくくなるため、消化不良を引き起こすことがあります。また、口を閉じにくくなるため、口腔内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなることも考えられるでしょう。その結果、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合とは、奥歯を噛み合わせたときに上の歯が下の歯を過剰に覆う状態のことで、ディープバイトとも呼ばれます。
噛み合わせが深いことで下の歯が上の前歯の根元に当たると、顎の動きが制限されて顎の関節に痛みが生じたり、噛むたびに歯ぐきが傷ついたりすることも考えられるでしょう。また、出っ歯やガミースマイルを引き起こす可能性もあります。
プレオルソのメリット・デメリット
ここからは、プレオルソのメリット・デメリットについて解説します。
プレオルソのメリット
プレオルソのメリットは、以下の通りです。
痛みが少ない
プレオルソはやわらかいポリウレタン製の素材でできているため、装着時の痛みが少ないです。また、プレオルソは歯を動かすものではありません。口周りの筋肉のバランスを整えて歯が正しい位置に生えてくるように促すので、痛みが少ないのです。
そのため、小さなお子さんでも抵抗なく使用できるでしょう。
取り外しができる
プレオルソは取り外しができる装置です。そのため、ふだんどおりに食事ができます。また、装置を取り外して歯磨きもできるため、虫歯や歯周病になるリスクも軽減できるでしょう。
口周りの筋肉のバランスを整えられる
プレオルソを使用することで、口周りの筋肉のバランスを整えることが可能です。唇や顎周りの筋肉が鍛えられることにより、口呼吸や舌癖なども治りやすくなるというメリットがあります。
早期に口周りの筋肉のバランスを整えることによって、将来的に歯並びや噛み合わせが乱れるリスクを回避することにつながるでしょう。
プレオルソのデメリット
プレオルソにはメリットだけでなくデメリットも存在します。プレオルソを検討している保護者の方は、メリットとデメリットの両方を理解したうえで治療を受けるか検討しましょう。
夜間の装着に慣れるまで時間がかかる
プレオルソは日中1時間と就寝時に装着するマウスピース型の矯正装置です。就寝時は8時間ほど装着しなければならず、慣れるまで時間がかかるでしょう。
特に、装着を始めて間もないうちは装置が気になって寝付けなかったり、無意識のうちに外そうとしたりすることもあるかもしれません。
装着時間が不足すると効果が得られない
自由に着脱できることはプレオルソのメリットでもありますが、装着時間を守らないと効果を得られない可能性があります。子どもの理解と保護者の方の協力が必要不可欠な治療なのです。
お子さんに矯正治療の重要性を説明し、納得してもらうことで、スムーズに治療を進められるでしょう。
プレオルソの費用と期間
お子さんの矯正方法としてプレオルソを検討している保護者の方のなかには、治療にかかる費用や期間が気になっている方もいるでしょう。ここでは、プレオルソの費用や治療期間について解説します。
プレオルソの費用
プレオルソは特定の症例を除いて保険適用外の治療となるため、歯科医院によって費用は異なります。一般的な目安としては、3万〜20万円ほどです。
プレオルソはオーダーメイドのマウスピースを作製するのではなく、既製品のマウスピースのなかからお子さんのお口の状態に合ったものを選択します。型取りや作製にかかるコストを抑えられるため、低価格で治療を受けることが可能です。
なお、プレオルソのみで治療が終了するケースもあれば、ワイヤー矯正やマウスピース矯正に移行するケースもあります。その場合には、別に費用がかかることを理解しておきましょう。
プレオルソの治療期間
プレオルソの治療期間は患者さんのお口の状態によって異なりますが、一般的には1年〜1年半程度が目安となります。プレオルソの装着を怠ると計画どおりに治療が進まず、治療期間が延びる可能性があるため注意しなければなりません。
まとめ
今回は、プレオルソのメリット・デメリットや費用などについて解説しました。
プレオルソとはマウスピース型の矯正装置です。口周りの筋肉のバランスを鍛えることで間接的に歯並びが整うように促します。プレオルソは日中1時間と就寝中に装着します。一般的なマウスピース矯正とは異なり、装着時間が短いのが特徴です。
とはいえ、装着時間を守らないと計画どおりに治療が進まなくなる可能性があります。装置に慣れるまではお子さんが嫌がったり就寝中に無意識に外したりすることも考えられるため、保護者の方のサポートが必要不可欠です。
プレオルソについて詳しく知りたい方や治療を受けるか迷っている方は、一度歯科医院で相談するとよいでしょう。
小児矯正を検討されている方は、大阪府摂津市「JR千里丘駅」より徒歩1分にある歯医者「辻中歯科医院」にお気軽にご相談ください。
当院では、むし歯・歯周病治療や小児歯科、マウスピース矯正など、さまざまな診療を行っています。診療メニューはこちら、仮予約も受付しておりますので、ぜひご活用ください。