辻中歯科医院にドクターとして入社して
今年も6月に入り初夏を迎える季節となりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
私はこの度、4月より辻中歯科医院にドクターとして入社し2ヶ月が経ち、改めて気づいた、医院の素晴らしいところ、そして現在私が奮闘しておりますことにつきまして筆を執らせていただきます。
目次
辻中歯科医院に入社して得た(気づいた)素晴らしいところ
ここでは辻中歯科医院で入社して得れた素晴らしいことについて述べさせていただきます。辻中歯科医院では入社してまず、技術の前に患者様への接遇を大切に教えていただきました。私自身、医療接遇に関しては不勉強な点も多く、入職当初より学ぶ事ができました。
患者様への接遇についての学び
接遇についてですが、患者様の声に耳を傾けること、また姿勢なども改めて学びました。
また、当院でよくご指導いただく事ですが、腕、知識があっても患者様に好かれるようにならないと結果的にはいけないという事です。というのも、地域の歯科医院として患者様を診察させて頂いている、日々感謝の気持ちを持つことが大切であるということです。
患者様への洞察についての学び
他にもご指導いただく事ですが、「患者様が何の目的でおっしゃているかを考えなさい」と指導いただきます。というのも、自分の目的と患者様の治療に対する目的がたまにすれ違っていることがあるからです。
入社して特に衝撃的だったのが、緊張、不安など患者様の状態をいち早く掴むために、診療中は、口の中だけを見ず、足の先まで全身を見るようにしなさい、とご指導いただいたことです。口の中しか見ていなかった、視野が狭い自分を改めて痛感させられました。
インビザライン矯正の知見を深められる
また、技術的な面に関しては当院はインビザラインを重点的に行なっており、入職当初からそういった患者様と関われる点、また、他にも処置や診療に対してその日にフィードバックいただき、いい点、悪い点を客観的に見ることができることが素晴らしい点であると思います。
現在私が歯科医師として奮闘していること
現在私は少しづつですが色々な処置をさせていただいておりますが、その中でも奮闘しております、インビザライン、補綴物の調整についてお話しします。
インビザラインで奮闘していること
インビザラインとはマウスピース矯正のことで薄い板状の熱可塑性樹脂を歯列模型に圧雪したアライナーと呼ばれる装置を用いて歯を動かす方法です。
子供から大人まで治療ができ歯並び、噛み合わせの状態を改善します。通常のワイヤーでの矯正との最大の違いは他人に気付かれにくく審美性に優れる点、食事時など装置は自身で取り外し可能であるため口腔清掃が容易になるということです。他にも数多くあるインビザラインの診療のステップのなかで私が経験させていただいたものは問診とアタッチメント(外側についているボタン)の取り付けです。
インビザラインは順調に動いている患者様もいれば、予測より動かない歯がある患者様もいたりして様々です。それを最初に発見する窓口として問診していくわけですが、インビザラインのアタッチメント(ボタン)は外側についており慣れるまで外すのに苦労しました。
インビザラインの問診
問診の際に当院で確認させていただいていることについて以下の通りです。
①現在何ステージか 最終装着から何日目か
②1日マウスピースは何時間装着しているか
③アンフィットがないか
④以降マウスピース外して)アタッチメント(ボタン)の脱離がないか
⑤動揺歯の確認
⑥歯肉退縮の有無
アタッチメントについて
次に、アタッチメント(ボタン)の取り付けについてですが、そもそもアタッチメント(ボタン)とは何のためにつけているのでしょうか。
アタッチメントの種類と目的
アタッチメント(ボタン)は通常アタッチメントと最適アタッチメントとよばれる2種類に分けられます。
通常アタッチメントは、アライナー(インビザライン)が歯から浮きにくくするための維持装置、歯をつかみやすくするための把持装置の機能があります。
最適アタッチメントは特定の目的・動きのために計画されたアタッチメントでアライナーが歯全体を押すだけでなく、アタッチメントを一定方向に押すことによって意図する方向に歯が動くように設計されています。
このような、2種類のアタッチメントを組み合わせて目的の歯の移動を行なっております。アタッチメント(ボタン)ごとの役割としては
①長方形アタッチメント・・近心・遠心の傾きを改善や近心(前歯側)・遠心(奥歯側)に傾斜移動させるもの、アライナー保持
②傾斜つき長方形アタッチメント・・トルク(歯の回転)付与、挺出(歯を浮き上がらせること)移動
③楕円アタッチメント・・歯の短い歯のアライナー保持など
④回転用アタッチメント・・回転量5°以上の場合に使用
⑤挺出用アタッチメント・・挺出(浮き上がり)量0.5mm以上の場合に使用
⑥ルート(歯の根っこ)コントロール用アタッチメント・・中切歯、犬歯、小臼歯に設置
長方形、傾斜つき長方形、楕円のアタッチメント(ボタン)は通常アタッチメント、挺出用、ルートコントロール用、回転用アタッチメント(ボタン)は最適アタッチメントに分類されます。
ステージの合間など個人によってアタッチメント(ボタン)をつけるタイミングは様々です。装着する際は、テンプレートと呼ばれる型を使います。付け方ですが、まず、つける前に一度装着する部位のお口の中を清掃してから行います。
前処理してから光照射で硬化する樹脂をつけていきますが、つける際に、防湿が甘い、照射が甘いとポロっと取れてしまいます。そのため、注意しながらつけていきます。
アタッチメントはなぜ取れやすいのか
それでは、そもそもなぜアタッチメントは照射直後にすぐ外れるのでしょうか。
原因は、お口の乾燥のさせ方が不足していた、前処理不足していた、光の照射が不足していた、樹脂の量の不足していたと様々考えられます。
処置は以下の手順でつけていきます。
①テンプレート試適
②アタッチメント装着部位のみポリッシング(歯の清掃)→水洗
③エッチング→水洗
④テンプレートの中にレジンを流す
⑤ガーゼにて防湿→ボンディング→光照射
⑥テンプレートをはめて固定し照射機をアタッチメントに押し付けて光照射
⑦形態修正
私は、アタッチメント装着直後の脱離や装着自体に時間がかかることもあり、そういった面で1日でも患者様に喜んでいただけるよう日々奮闘しております。
被せ物や詰め物の装着
被せ物、詰め物の装着も少しづつ経験させていただいておりますが、反対側の咬合が下がった症例や隣の歯が倒れてくることにより調整に時間がかかる物については時間的にも短時間での処置を心がけておりますがなかなか間に合わず日々奮闘している毎日です。
被せ物、詰め物を装着する際には隣の歯との隙間の調整、反対の歯と当たる面の調整、研磨など様々な手順があります。
反対の歯と当たる面については念入りな調整を行わないと装着後の不快感、違和感、脱離につながってくるため、特に重要になってきます。私は上記のような症例に対しても少しでも早く調整できるよう削り方など日々奮闘しております。
今後のどのようにしていきたいか
上記のように様々なことを経験させていただき奮闘している毎日です。私は歯科医師としてまだまだ未熟であり、至らぬところもありますが患者様を第一に考えた治療を行わせていただこうと考えております。
患者様を第一に考える、ということについて、まさに患者様の気持ちに配慮した診療、環境作りです。物音など立てず、時間はなるべく短時間で、そしてお口の中の痛み違和感に配慮した診療をさせていただこうと考えております。
今後辻中歯科医院にて頑張りたいこととしては、医療人である前に人であれといった字のごとくまず第一に患者様への対応、気持ちに寄り添ったコミュニケーション、そして、時間に配慮しなるべく負担をかけない診療を心がけて頑張っていきたいと考えております。日々研鑽し患者様に提供してまいります。診療中、前後、わからないこと、疑問点あればいつでもご質問ください。
この度はお忙しい中、お読みいただきありがとうございました。