矯正治療について(第3回)「歯並びと全身の関係(2)」
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矯正治療について(第3回)「歯並びと全身の関係(2)」
こんにちは。
辻中歯科医院勤務医の歯科医師です。
矯正の歴史について
歯科矯正の歴史②
前回矯正の歴史について書かせてもらっていますが、今回は近代史とインビザラインの歴史について書かせてもらいます。
1975年アメリカ人と日本人が舌側の方にできる矯正装置を開発しました。他の人にワイヤー(針金)を見られたくない人にとって審美性のある選択肢となりました。結構芸能人もしています。
インビザラインは1997年に出来たようです。そして1999年から治療が始まっています。まだ23年しか経っていませんが、どんどん発展しています。初めは少し歯並びが悪い人しかできなかったのですが、今はほとんどの人がインビザラインで矯正が出来るようです。辻中歯科医院も抜歯しなければならない人でもインビザラインをしている方は多くいらっしゃいます。
これからの矯正の未来はインビザラインが主流となるでしょう。
歯並びと全身の関係(2)
これから前回(「歯並びと全身の関係(1)」)の続きで歯並びと全身の関係について書かせてもらいます。
顎関節症と歯並び
自分は大学で勉強するまで関節というのは顔にもあと知らず、体の中には肘、膝の二か所にしかないと思っていました。顎関節というのは頭蓋骨と顎の骨をつないでいる関節の事です。この関節が口を開けたり、閉めたりしています。顎関節症というのは、顎の痛み、口を開ける時音が鳴る、口が開けにくいなど、こめかみや耳の近くに痛みや動きの異常が出ることです。顎関節症になる原因は虫歯と違って特定することが難しい病気です。例えば、硬いもの(スルメやせんべい、フランスパンなど)が好き、重いものを持つ、すごく食いしばっている、寝ている時に歯ぎしりをするなどで発症することがあります。
睡眠時無呼吸症候群、いびきと歯並び
睡眠時無呼吸症候群とは睡眠している時に呼吸障害が起きる病気です。
呼吸障害が長く続くと睡眠の質が下がり、次の日の日中に眠たくなるなど、集中力が低下してしまいます。
睡眠時無呼吸症候群やいびきがなぜ起きるかというと寝ている間に喉や気道が狭くなるからです。
下の顎が小さいことや、後ろに下がっていることで起きる事もあります。
この原因を解決するために、下図のようにスリープスプリントやインビザラインというマウスピースをつけてもらい下の顎を前に置くことで、気道を広げて睡眠中の呼吸を高める効果を期待することが出来ます。
このマウスピース(スリープスプリント)は、呼吸をしてもらうためにつけるので初めからかなり下顎を前に出して装着して貰います。
慣れなくて眠り辛く感じる場合や途中で外す方もおられます。
その点インビザラインのマウスピースは装着している間には違和感はほとんどなく眠り辛いことはありません。
このように睡眠時無呼吸症候群と歯並びは密接に関係しているのです。
これらのようなことでお困りの方は是非一度辻中歯科医院にお問い合わせください。