矯正治療について(第2回)「歯並びと全身の関係(1)」
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矯正治療について(第2回)「歯並びと全身の関係(1)」
こんにちは。
辻中歯科医院勤務医の歯科医師です。
矯正の歴史について
歯科矯正の歴史①
歴史に興味ありますか?自分は小さい時から勉強が大嫌いで、歴史なんて覚えて今の時代とは関係ないし何のために勉強するのだろうと思っていました。実際、今生きていく上で高校の勉強が役立っていることはほとんどないです。ただ、歴史は意味があると教えられたことがありました。歯科医になって1年目の時、教授に「論文を読んでくるように」と課題を与えられました。その論文には現在の治療に至るまでの経緯が書かれていました。そして教授が「歴史というのは勉強することによって治療を考えた人の知識まで追いつけるから勉強した方がいい」と仰っていたのを今でも覚えています。それから歴史も勉強する意味があるとわかりました。
今回と次回に渡り矯正の歴史を書いていきます。
歯科矯正は2000年前からあり、歯の領域でも最も古い領域です。紀元前4世紀ごろから偉い人が考えていたそうです。その頃の治療も現在ワイヤー(針金)みたいなのを使っていたみたいです。そして、1901年Edward H.Angle(エドワード・アングル)という人が不正咬合(正しく噛み合っていないこと)を分類し、その治療法を確立しました。現在もこの方法を応用して矯正の治療をしています。それ以降の歴史は次回書かせてもらいます。
歯並びと全身の関係(1)
辻中歯科医院に来院してもらうと歯並びの問診と下記の問診票を書いてもらいます。
この問診は歯医者と何が関係あるのかと思われている人もいらっしゃるのですが、歯の健康と体の健康は意外と密接に関係しているのです。そのことについて説明させていただきます。
肩こりと歯並び
噛み合わせが悪い状態が続くと歯や顎だけでなく、その周辺にも悪影響が出てきます。肩と顎は関連がないように思いますが、非常に近い位置にあり筋肉で繋がっています。顎に負担がかかると次第に顎の筋肉が固くなり、血行が悪化し、筋肉が次第に硬直します。この状態が続くと顎だけでなく、肩にまで硬直が進行して肩こりを引き起こします。
偏頭痛
歯並びが悪いことで噛み合わせに不具合が起こり、顎や首、肩の筋肉に血行不良や緊張が起こります。これが続いていくとそこに老廃物が溜まり、頭痛が起きる場合があります。
顔の歪み
歯並びが良くないと、噛み合わせや咀嚼の仕方が悪くなり、顔のバランスが崩れ歪んでしまうことがあります。右側か左側どちらか一方、もしくは一部の歯ばかり噛んでいる方は顔が歪みやすい傾向にあります。
ほうれい線、顔の筋肉の疲れ、シワ
歯並びが悪いとほうれい線や顔の筋肉の疲れが出ます。その理由は、噛み合わせが悪いので、顎の関節をずらして食事をする様になります。すると、顎の関節が変形してしまい顔が歪んでしまいます。顔が歪むと、顔にある筋肉(表情筋)に影響を及ぼします。その影響で表情筋の柔軟性が失われてしまい、ほうれい線ができてくるなど、顔の筋肉の疲れが出ることもあります。
肩こり、偏頭痛、顔の歪み、ほうれい線、顔の筋肉の疲れがある方は、まず病院や整体に行かれると思います。行っているけどなかなか治られない方は、歯並びが原因の可能性もあります。
そういった悩みがある方は、辻中歯科医院にお問合せください。