歯垢(プラーク)・歯石について
こんにちは。辻中歯科医院歯科衛生士のYDH(予防チーム)です。
皆さまは歯に付着する汚れはどのようなものがあるのかご存知ですか。
本日は歯垢(プラーク)・歯石について説明させていただきます。
〇歯垢と歯石について
歯垢(プラーク)とは歯に付着した細菌が繁殖した塊です。
歯垢は細菌が関与する口腔の2大疾患である虫歯、歯周病の原因になります。また、口腔内の汚れをコントロール=お口の中を歯科医院で綺麗にお掃除をすることにより誤嚥性肺炎やインフルエンザ、術後感染症を予防することができます。
歯垢の約70%は数百種類以上の細菌で構成されています。
歯石とは歯垢の中に含まれている細菌が石灰化して歯面や補綴物に付着した=歯垢が死んでしまった石のようなものです。
歯石の表面は粗造であるため、歯垢が付着しやすく、歯肉炎、歯周炎、口臭の原因になります。
歯石の中でも2種類に分類されます。
①歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)
歯茎より上に付着する歯石を歯肉縁上歯石と呼ばれます。
ご自身で見ることができ、白色もしくは黄白色で脆い歯石の為、比較的歯科医院ではお掃除がしやすい石です。
②歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)
歯茎より下(歯茎の中)に付着する歯石を歯肉縁下歯石と呼ばれます。
ご自身では見ることが難しく、血液や歯肉浸出液によって黒色もしくは暗褐色で硬く、歯科医院でお掃除する時も取り除きにくいです。
放置することにより歯周ポケットに汚れが溜まる為、歯茎が腫れて歯周病の悪化、口臭にも繋がります。
〇歯垢、歯石の除去方法
歯垢の中でオレンジプラークという歯垢の菌が成熟し歯にオレンジ色をしている汚れは歯垢でも硬くて歯ブラシでは落ちません。
オレンジプラークは子供に付くことが多いですが、大人でも最近付いていらっしゃる方が多くなっています。
歯ブラシだけでの清掃率は約50%しか落ちず、フロスや歯間ブラシ等の補助用具を使用して約90%になる為、歯ブラシだけではなくフロスや歯間ブラシの使用もおすすめします。
日頃のお掃除をきちんと行うと歯垢が付着しにくく、歯石になる原因も少なくなります。
また、唾液の質や歯並び、歯の質によって汚れが付きやすい人や付きにくい人もいます。
そして、歯面だけではなく入れ歯にも付着します。清掃不良の入れ歯ではカンジダが多く検出される事もあります。カンジダ症や口内炎の原因になる為、歯だけではなく入れ歯も毎日のケアで洗浄し清潔に保つ事をお勧めいたします。
歯石もブラッシングでは取れないので、歯科医院に来院していただき清掃をさせていただきます。
①超音波スケーラー
超音波スケーラーとは患者様には「お水が出て振動で歯石取りをさせていただきます。」というようにご説明させていただいております。
25〜50kHzの高周波によって早い振動を出し、そのエネルギーで歯石を粉砕します。超音波振動によって多量の熱が発生するので、冷却するために水を出しています。
②手用スケーラー
手用スケーラーとは下の写真のように先端に刃が付いている器具で歯石を除去します。
超音波スケーラーよりもより細かい歯石の除去に役立ちます。
また、歯肉縁下歯石を除去するために専用のスケーラーを使用するため、歯肉を傷つけ無いように歯石を除去することが可能です。歯肉の中を触る為痛みが出る場合もございます。その場合、麻酔をして除去を行うことができます。
〇歯垢に住みついている細菌について
先程ご説明させていただいたように、歯垢には多くの菌が住み着いています。今からその菌について詳しく説明させて頂きます。
歯周病とは口腔細菌による感染症であり、口腔細菌、宿主(歯石・う蝕・歯並び・全身疾患など)、環境(喫煙・ストレス・栄養障害など)の3つの要因が作用してリスクが高くなります。
歯周病原細菌は青、紫、緑、黄、オレンジ、赤の6色で示される細菌群(コンプレックス)に分類され最も成熟されたプラークからは赤色の群(レッドコンプレックス)に属する3菌種が重度歯周病から検出されます。
当医院では位相差顕微鏡を設置しており、歯垢の一部を採取し位相差顕微鏡で見ることによってどの様な菌がいるのかを観察することができます。
①らせん状細菌と思われる菌
らせん状のミミズのような見た目をした歯周病原菌となる細菌です。
毒素の強い細菌で多く見られると歯周病のリスクが高いと考えられる状態です。
②線状細菌と思われる菌
細長い菌でらせん状細菌と同じように歯周病原菌となる細菌で歯垢を作りだし口腔内の粘り気を出しやすいと言われています。
線状細菌は消えにくい細菌とも言われており、水分補給をこまめにしていただくことにより予防することが可能です。
③カンジダ(真菌)と思われる菌
太くブツブツと細菌が固まったようなものはカンジダコーンコブです。口腔内に住みつく常在菌と言われていますが、寝不足や体調が悪くなり、体の免疫力が低下すると増加することがあります。
④球菌・短桿菌と思われる菌
小さい丸の形や、小さい楕円の形をした細菌で歯周病原菌やう蝕病原菌にもなります。
球菌が歯垢を作り出すことによりう蝕を発生させる原因とされています。
⑤口腔トリコモナスと思われる菌
鞭毛と呼ばれる尻尾のようなものを動かし他の細菌を食べてしまう原虫です。
歯周病が進行している方に見られることがあります。
⑥口腔アメーバと思われる菌
形を変えながら動き、白血球や他の細菌を食べてしまう原虫です。
口腔トリコモナスと同じく歯周病が進行すると見られ、アメーバ脳症の原因にもなるといわれております。
当医院の副院長が開発したHMTマウスサプリメントジェルの成分にヒノキの成分を含んでおり抗菌作用を含んでおり抗菌効果があります。
また、マンダリンオレンジ果皮油の香りでリラックスし副交感神経を刺激することによりさらさらの唾液を作り出し歯垢を付着しにくくし歯周病、う蝕、口臭の予防にも繋がり、保湿効果もあるため細菌の発生予防にも期待されています。
当医院でのみ購入することが可能です。
また、当医院では歯周内科治療を行っています。
歯周内科治療とは歯周病原菌を特定し、薬を服用することにより根本的に歯周病を改善していく事を期待する治療法になります。
歯周内科治療を行う際、位相差顕微鏡だけでは分からないもっと小さな菌や歯周病原細菌の種類・総数・対数を調べることができるPCR検査を行います。
検査は口腔内のメインテナンスを行う前に行います。歯と歯茎の間(歯周ポケット)に小さな紙のこよりのような物をいれて菌を吸い上げます。
紙を入れた時に少しチクッとした感覚はありますが、時間も短時間で終わる事ができるため負担が少なく検査を行うことができます。
採取した検体は乾燥剤が入ったボックスに入れ24時間しっかり乾燥させ検体を検査会社に出します。検査結果は提出してから約2週間後に出ます。その検査結果に基づき今後の治療計画を立てていきます。
まとめ
副院長が歯周内科治療の認定衛生士でありますので、副院長に指導いただき辻中歯科医院の患者様のお口と体の健康を守る為に私達YDHは口腔内の歯周病の菌のコントロールをきちんとサポートさせていただきます。
これから、インフルエンザなどの風邪が流行し出します。また、コロナもまだまだ流行っておりますので、お口の中を綺麗に保つことにより予防につながります。
当医院でお掃除をされたことがある方、初めて来ていただく方でもメインテナンス・細菌・歯周内科治療だけではなく些細なことでもご質問がございましたらお気軽にスタッフにお声掛けください。
辻中歯科医院でメンテナンスのご予約は下記からお願いいたします。
お電話でのお問い合わせは0120-06-5168
インターネットからのご予約も可能です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。