CR(コンポジットレジン)について
こんにちは。辻中歯科医院のアシスタントです。今回は一般的な虫歯治療CR(コンポジットレジン)について色々調べてきましたので、この場を借りてお話させて頂きます。
CR(コンポジットレジン)とは?
皆さん歯医者さんに来て虫歯チェックする際によくCO(シーオー)やC1(シーワン)、CR(シーアール)などの言葉を歯医者さんが言っているのを耳にしたことはないでしょうか?CO(シーオー)やC1(シーワン)は虫歯の程度を表しており、CRとはコンポジットレジンと呼ばれ、主に虫歯治療に使用される歯科用プラスチックのことになります。
虫歯チェックの際にCRコンポジットレジンはプラスチックとセラミックの微粒子からなる複合材料であり、歯の色に近いものが多く、天然の歯と見た目が似ています。
CR(コンポジットレジン)のメリット
コンポジットレジンは歯科治療において広く用いられている素材であり、様々なメリットがあります。
①天然の歯に近い見た目
コンポジットレジンは天然の歯に近い色のため、修復した部分が目立ちません。治療後も自然な見た目を保つことが可能です。
②非金属性
コンポジットレジンは金属を含まず、金属アレルギーを持っている患者様にも使用して頂けます。
③料金と期間
コンポジットレジンを用いた治療は保険が適用されるために安価で治療が可能になっております。治療の内容によって変わってきますが、保険3割の方で1500円前後になります。また治療期間も非常に短くなっており、1か所の虫歯を1度の来院で治療終了になります。
CR(コンポジットレジン)のデメリット
コンポジットレジンには多くの利点がありますが、同時にいくつかのデメリットも考慮する必要があります。以下がコンポジットレジンのデメリットになります。
①耐久性の低さ
金属製の詰め物やセラミック製のものと比較して、コンポジットレジンは耐久性が低く、経年劣化による修復や再治療が必要な場合があります。
②色の変化
食品や飲み物の摂取により、コンポジットレジンが変色する場合があります。
③治療できる場所の制限
コンポジットレジンは耐久力が低いため、嚙み合わせが強い場合欠けてしまうことがあります。また虫歯が大きい場合にもコンポジットレジンのみでの治療は出来ません。
CR(コンポジットレジン)の治療の流れ
①タービン(虫歯を削る器具)を用いて虫歯を除去します。(必要に応じて麻酔を行います)
②虫歯の除去が終わると歯面処理であるエッチングという処理を必要に応じて行います。(歯の表面がつるつるしているとCRがうまく接着しないため、エッチングによってざらざらにして接着性を高めます)
③コンポジットレジンを充填し、照射器を用いて硬化させます。
④嚙んだ時の高さの調節や研磨を行い治療終了です。
CR(コンポジットレジン)での治療は通常1部位につき1回で終了します。虫歯の数が多い場合はその分通院回数は多くなってきます。
また、CRを用いた治療は保険診療内になります。費用は部位や虫歯の箇所によって、前後致しますが1000~1500円の範囲になることが多いです。
私がCRでの虫歯治療を受けた感想
私自身、CRでの虫歯治療を2回受けたことがあります。その時の感覚等をお伝えさせて頂きます。
麻酔の感想
私の場合は少し虫歯が大きかったので、始めに麻酔をしてもらいました。麻酔をする時私は痛みを全然感じませんでしたが、段々と麻酔してもらった部分が腫れているような不思議な感覚になりました。この感覚はごく一般的にあるもののようで、個人差はあると思いますが、私は1時間半ほどで普段の感覚に戻りました。
歯を削った感想
麻酔が終わった後はいよいよ虫歯部分を削っていきます。最初は表面のエナメル質という箇所を削っていきます。この時削っている時の音は大きくはありましたが、痛みも不快感もありませんでした。エナメル質の虫歯の除去後は象牙質の部分を削っていきます。象牙質を削るときは全く違った感覚で、頭にゴトゴトと響くような感覚です。
CR充填の感想
象牙質の虫歯の除去が終わると、CRを充填する作業に移行します。CRを行う前に歯面処理であるエッチングというものを歯につけます。エッチングは苦みが強く、かなりまずかった印象です。その後CRを削った部分に充填して、光を当てて硬化させます。この時私は特に何も感覚はありませんでした。
私がCRの虫歯治療を受けた感想は以上になります。特に麻酔をした時の腫れているような感覚とエッチングが不味いという印象が強く残っています。皆様が治療を受ける際の参考に少しでもなればと思います。
虫歯の大きさと治療方法
コンポジットレジンは最も一般的な治療になり、比較的小さな虫歯治療に使用されます。
①CO(シーオー)
一番初期の虫歯であり、エナメル質(歯の表面の固い部分)のみを侵し、歯の表面に変色や白い斑点がみられることがあります。この段階では痛みやしみたりなどの自覚症状がないことがほとんどです。治療せずに経過観察になることも多く、患者様のご希望によってはCR(コンポジットレジン)で治療する場合もあります。
②C1(シーワン)
歯の表面のエナメル質という部分のみが虫歯になっている状態です。虫歯の表面は白濁している場合や黒ずんだりしている場合があります。症状はほとんどなく、少し歯がしみることがあります。虫歯の部分を削って、CR(コンポジットレジン)を詰めて治療します。
③C2(シーツー)
虫歯がエナメル質の内側にある象牙質まで虫歯が達している状態になります。神経には達していませんが、冷たいものや甘いものがしみるようになってきます。時々痛む場合もあります。治療方法としては虫歯の部分を削ってCR(コンポジットレジン)で詰めて治療するか、インレーという固い詰め物「写真は保険のメタルインレー、保険で白いCAD/CAMインレーもあります」を技工所で作り、後日に装着する場合もあります。
*CAD/CAMインレー、クラウンとはセラミックとプラスチックを合わせたハイブリッドレジンと言われる『白い』素材です
④C3(シースリー)
虫歯が神経まで進行している状態です。症状としては何もしてなくてもズキズキと痛みがあることや熱いものがしみる等の症状で出てきます。この大きさの虫歯になると神経を取って神経の治療が数回続きます。その後歯の根っこの治療が終わると土台を立てて、クラウン「写真は保険のメタルクラウン、部位にもよりますが保険でCAD/CAMクラウンもあります」という被せものを作って装着します。
⑤C4(シーフォー)
歯の神経が死んでしまった状態になります。神経が死んでしまっているために冷たいものや熱いものなどに対しての痛みがありません。しかし、歯の根っこの先に膿が溜まったり、腫れることがあります。この段階の虫歯は治療が困難なため、多くは抜歯になります。その後は入れ歯やインプラント、ブリッジなどで抜いた歯の部分を補うことになります。
虫歯治療をしても虫歯が治るわけではありません
虫歯は一度なってしまうと、二度と治ることはありません。歯医者さんで虫歯の部分を削って今回ご紹介しましたCR(コンポジットレジン)を用いた治療や、詰め物を装着することで完治する(虫歯が治る)と考えている方も多くいるかと思います。私自身、歯科医院に勤める前はそのように考えていました。
しかし削った部分を代替品で覆いかぶせただけという状態になります。一度代替治療をすると二次う蝕(治療した歯が虫歯になること)になる確率が劇的に上がります。二次う蝕による再治療によってさらに大きく歯を削る必要があります。そのため、詰め物や被せものは一生ものではありません。それぞれ材質によって持ちが異なります。
まとめ
今回は一般的な虫歯治療であるCRをご紹介致しました。私自身勉強になることや虫歯治療を受けた時のことを色々と思い出すことが出来ました。スタッフとしての立場だけでなく、患者様の目線になって考える良い機会になったと感じております。皆様も辻中歯科医院に来院されて何か不安なことや疑問点があれば何でもスタッフにお声がけください。