2025.01.21
アマルガム除去治療
こんにちは。
辻中歯科医院の歯科医師です。
今回はアマルガムについてお話しします。
アマルガムとは

まず始めに、アマルガムの性質について説明します。
アマルガムとは、水銀と他の金属との合金のことを指します。
かつては銀歯の詰め物として広く使われていましたが、現在の日本では使用禁止ではないものの、ほとんどの歯科医院で使用されていません。
私自身も歯科大学時代にアマルガムについて学ぶ機会はほとんどなく、今回この記事を書くにあたり改めて調べてみました。
欧米の多くの国ではすでに使用禁止とされています。
なぜ昔は使われていたのかというと、当時は現在のようにプラスチック素材でしっかりと接着できる技術がなかったこと、また銀歯を歯にくっつけるセメントの品質が低かったことが理由として挙げられます。
アマルガムの長所として、歯と接着する際にわずかに膨張する性質があります。
その膨張によって歯との隙間を小さくできるため、当時はこの特性を活かして広く使用されていました。
アマルガムの毒性

現在アマルガムが使われなくなった最大の理由は、水銀を含んでいるからです。
水銀と聞くと、水俣病の原因となった「有機水銀」を思い浮かべる方も多いと思います。
一方で、アマルガムに含まれているのは「無機水銀」で、有機水銀に比べると毒性は弱いものの、腐食しやすい性質を持っています。
口の中では、熱いものや冷たいもの、硬い食べ物などさまざまな刺激を受けます。
これらによる温度変化や噛む際の摩擦によって、微量の水銀蒸気が発生し、体内に取り込まれることがあります。
水銀は体内で徐々に蓄積し、肝臓・腎臓・脳などに沈着する可能性があります。
その結果、長期的には以下のような症状が現れることがあります。
・感覚異常
・不眠
・神経的なイライラ
・めまい
・アレルギー
・原因不明の痛み など
アマルガム治療

当院では、過去の治療でアマルガムが使用されている患者様に対し、除去と再治療をおすすめしています。
現在はアマルガムを取り除き、人体に害のないプラスチック素材(レジン)での治療が可能です。
白い詰め物に変えることで見た目も自然に改善されます。
ただし、アマルガムが大きい場合は、プラスチックのみでは強度が不足するため、より丈夫な白い詰め物(セラミックなど)での治療をおすすめしています。
昔の治療で銀歯が入っていて、「アマルガムかどうかわからない」という方は、次の特徴があればアマルガムの可能性があります。
・光沢がなく黒っぽい
・錆びているように見える
・小さな塊状の詰め物である
アマルガムを白い歯に変えたい、または健康面から除去を希望される方は、ぜひ辻中歯科医院までご相談ください。